職場の人間関係その2 ~簡単に人間関係を改善する方法~

こんにちは、山下ちなみです。

私がいただくビジネスのご相談で最も多いのは、職場での人間関係に関するものです。
一生懸命やっているのに、誤解されてしまう。
みんなの輪の中に入っていけない。
適度な距離を保ちたいのに、気づけば自分だけが浮いていた。
などなど。
みなさんも一度は感じたことがあるかもしれませんね。

少し乱暴な言い方をすれば、人間関係を改善すればほとんどの職場での問題は解消するといってもいいかもしれません。
仕事内容に興味が持てない、仕事が自分に合っているのか分からないといったご相談も、人間関係が解消されれば、問題ではなくなることがほとんどなのです。
もちろん、問題はなくなりません。
なくなりませんが、対処するだけのことになるのです。
例えば、コミュニケーションが円滑なり、仕事内容そのものに変化が現れたり、場合によっては部署が移動になったりすることも少なくありません。
転職するにしても、周囲の協力があったりしてスムーズに進んだりするのです。

ちょっとした誤解が大きなものになってしまったり、こじれてしまった関係を修復するために私たちはいろんな手を尽くしますが、こと仕事での人間関係の回復って意外と難しいんですよね。
それは、私たちが職場では感情を切り離さなければならない、という不文律のようなものがあるからではないでしょうか。
感情的になってはいけない、私情を挟んではいけない、自分の気持ちは切り離さなければならない、などとあなたも考えたりしませんか。
だから、あまり自分の本心や感情を出さないようにするため、表面上は解決したように見えても、人間関係が冷えているということはよくあるんですよね。

こんなときに、有効なのが「あいさつ」なんですよね。
え?
いまさらですか?
毎朝していますよ?
さまざまな疑問が浮かぶかもしれませんね。

ここでちょっと、私の話をしますね。
私が新入社員だったころ、失敗してお局様にしかられた翌日、最も気になることはお局様のゴキゲンでした。
昨日はあんなことがあったけど、今日はどうかな?
そのバロメーターのひとつが朝のあいさつだったんですね。
叱られたときだけではなく、昨日のランチの会話は誤解されてしまったかもと感じるとき、相手がなんだかそっけなく感じるとき、何かしら心にわだかまりがあるとき、次の日のあいさつはとても気になるのです。

こちらがあいさつしたときに、「おはよう」と笑顔で言ってくれたらほっとするんですよね。
そして、今日は失敗しないようにがんばろう、とか、仲良くしておきたいと思ったものです。
一方で、無視されたり、ぼそぼそと目も見ないであいさつされたら、とたんにブルー(笑)。
一日、賭殺場をさまよう牛の気分でした。
(テーマ曲は「ドナドナ」)

人間関係がうまくいっていないときを思い返してみてください。
そんなとき、あいさつもうまくいっていないことがほとんどではないでしょうか。
だからこそ、あいさつを気持ちよくされると心が動かされるのです。

あいさつするということは、相手に関心を持っています、注意を払っています、あなたの存在を認めています、という表現なんですよね。
たかがあいさつではありますが、このように好意的な表現をされると、私たちは相手を好意的に評価したり、好意を返したくなるものなのです。
これを、心理学では好意の返報制といいます。

難しいセリフを考える必要はありません。
ただ、朝のあいさつに目を向けてみるだけでいいのです。

あいさつをしていなかった間柄では、あいさつを「する」ことから始めてみましょう。
ぼそぼそとしていたなら、はっきりとした声に変えていきませんか。
できれば、明るく笑顔をつけてみましょう。

無視されてしまう(かもしれない)場合には、私は名前をつけることをお勧めしています。
名前を呼ばれれば、無視することはできませんからね(笑)。
それに、自己重要性といいますが、私たちは自分という個の存在を重要に扱ってくれるひとに対して、好意を持ちます。
名前というのは固有名詞ですから、自分の特別感、自己重要性が満たされるのですね。

逆の立場から見ると、名前を呼ぶというのは大きな効用があることが分かります。
大失敗して叱られた翌日にその上司から、「○○さんおはよう」といってもらえたら、ハートにくると思いませんか?
そうでなかったとしても、名前を呼ばれてあいさつされると、特別な感じがするものですよね。

あなたがあいさつを変化させはじめたとき、相手がすぐにいい反応を示してくれるとは限りません。
それは、こちらが「よし、やるぞ」と思っても、相手にしてみれば受け入れる体制ができていないからなんですね。
あなたも、今まであいさつするかしないかだった相手が急に笑顔で「○○さん、おはようございます」と言ったら、笑顔やあいさつを返す以前にびっくりしませんか?
何かあったのかしら、ウラがあるのかも、いやいや、悪いものを食べたのか、逆にいいことがあったのか?
まさか、相手が自分に好意を表現している、相手が自分と仲良くなりたくて言っているのだとは、思わないものなのです!!!
でも、2~3日くらい続けられると、相手の好意を感じて、受け取れるようになってきます。
と同時に、相手が好意的に接してくるなら、こちらも好意で返したくなるものなのです。
ですから、めげずに続けてみてくださいね。

この結びつきができてきたとき、仕事上でのコミュニケーションも変化していきます。
仕事上、相手に都合の悪い話をしなければならなかったとしても、お互いが相手に好意をもって接するのでは、全く姿勢や態度が違ってくるのは想像に難くないのではないでしょうか。

単純で簡単なことですが、最初の一歩はとても勇気がいるかもしれません。
やったときに、この効果を実感すると思います。
それが自信になります。

仕事をしていれば、いいこともあれば悪いこともあります。
上司が変ったり、部署が変わることもあるでしょう。
好意的に受け入れられないことも出てくるかもしれません。
でも、どんなことがあっても、自分に状況を変化させることができるという自信があれば、私たちは揺らぐことなく仕事に取り組むことができるのです。
あなたのキャリアアップのために、あいさつをはじめてみませんか?

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