何度も約束を破る人の心理は?どう対処すればいいのか?

約束を何度も破るのだけれど、そのたびに謝ってくる人。本当に申し訳なさそうに謝ってくるので、つい許してしまうのだけれど、また次の約束も破る。

となると、毎回約束を破られる側の人は、腹が立ってきます。「私に嫌がらせをしているのか?」と思ってしまうかもしれませんが、実は嫌がらせをしているわけではなく、相手が補償行為から約束をしてしまっているということがあります。

補償行為というのは、罪悪感を償う行為であり、無価値感を補う行為のことです。やっていることは良いことなのですが、自分に無理をしてでもやろうとするので、やめられなくなってしまいます。その結果、守ろうとしていた約束が守れなくなってしまうこともあるのです。

その為に信用をなくしてしまうのに、また約束をしては、約束を破ってしまう。補償行為というのは、やってもやっても、報われない行為でもあるのです。

◎リクエストを頂きました◎
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「約束を破る→謝る」を繰り返す人の心理を取り上げていただけると助かります。
例えば、期限付きの出欠確認の返信をしない、待ち合わせの時間に遅れる、複数の人が心配して何度か問い合わせても音信不通…。
「どうしちゃったんだろうねぇ…」と思っていたら、ひょっこり現れて、本当に申し訳なさそうに謝る、を繰り返すような感じです。

約束を破りたくて破っているというよりは、「また破ってしまった…、すみません」という感じで、破っては謝罪、を繰り返しています。
その人自身が「いついつまでにします!」と自ら期限を切ってきたことであっても、やはりその期限は守られず、問い合わせても音信不通だった時はさすがに理解に苦しみました。
怒りを通り越して「なんでそうなるの???」という感じです。

もしやりたくないことであれば、「できません」と最初から断れることなのに。
できなくなった時点で「できなくなった」と断ることもできるのに、それをしないのは、本当に忘れているのか、無かったことにしようとしているのでしょうか。

遅刻を繰り返す人が罪悪感を持っているから、というのと同じでしょうか。
そうした人達を理解し、こちらも気にせずにいられるヒントをいただけると助かります。

(一部、頂いた内容を編集させていただきました)
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リクエストありがとうございます。
今回、担当させていただく大門昌代です。どうぞ、よろしくお願いします。

以前、遅刻を繰り返す人の心理として、罪悪感を持っていると、周りから責められるようなこと(遅刻)を、繰り返すことがあると、この心理学講座で、お話しさせていただきました。

それと良く似た状態が、約束を破っては謝るということを、繰り返している人にも言えるかと思います。
今回は、補償行為という視点から、みていきたいと思います。

補償行為というのは、良いことをしているのだけれど、その動機が何かを償う為であったり、何かを補う為である行為のことです。

わかりやすく例を出すと、仕事でミスをして、とても悪いことをしてしまったと思っている人がいたとしましょう。

「悪いことをした」と言うのは、罪悪感ですので、その罪を何かで償おうとします。
一生懸命寝る間も惜しんで、その罪を補おうと仕事するのが、補償行為です。
一生懸命仕事をするのは、悪いことではありません。

でも、その動機が、「罪を償う為」であったとしたら、一生懸命寝る間も惜しんで仕事をすることが、やめられなくなってしまうのです。
もちろん、頼まれた仕事は全て引き受けてしまうでしょう。
それぐらい一生懸命に仕事しないと、「罰せられる」という感覚が出てきてしまうからです。

もう一つ例を出すと、「私なんて何のとりえもない」と思っている人がいたとしましょう。
そんな気分を感じているのは、良いものではないです。

ですから、そのとりえのないと感じている部分を、何かで補って、悪い気分から逃れたいと思います。
そして、もの凄く面倒見のよい人になったり、もの凄く優しい人になったりして、補おうとするのです。

その補っている行為をやめたとしたら、途端に「何もとりえのない私」という感覚が出てきてしまうので、どんなにしんどくても、つらくても面倒見の良い人や、優しい人を辞められなくなってしまうのです。

もちろんやっていることは、とても良いことです。
でも、疲れてしまいますし、無理がかかってしまうんですよね。

もし、リクエスト文に登場する人が、補償行為として、色々な約束をしているのだとしたら、守れないかもしれない約束でもしてしまうかもしれません。
もちろん、初めから約束を破ろうなどとは、思っていないでしょう。

きちんとした良い人になろうと、約束をするのかもしれませんし、皆の為と思って、何かを引き受ける約束をするかもしれません。
でも、その行為が、補償行為だとしたら、自分のキャパをオーバーしても、約束を引き受け続けてしまうかもしれません。

自分の限界を超えて約束をしているとしたら、必ず無理がきます。
結果、約束が守れないということが、多発してしまうんですね。

でも、根っから悪い人ではないので、約束を破ったことは申し訳ないと感じ、また罪悪感を持ちます。
その罪悪感があるから、また無理をして約束をするということが、繰り返し起こっているかもしれません。

補償行為でしている約束だったとしたら、「できません」「できなくなってしまいました」と言う言葉は、言わなくてはいけないと頭でわかっていても、言えないかもしれませんね。
その言葉を発した途端に、本来自分が持っている罪悪感や無価値感が噴き出してくるように感じるからです。

とは言っても、再三約束を破られると、腹も立ってきますよね。
もちろん、約束を再三破られることで、迷惑がかかってもくるでしょうから、そのことについては、きちんとお話ししても良いと思います。

また、そんな人と接しても、気にせずにいられるようになるヒントと言うことですので、少しお話しさせていただきますね。

まず一つは、期待をしないということです。

私達は、期待が裏切られると、とても嫌な感じがし、ストレスを感じます。
ですから、いくらその人が、約束をしたとしても、「守られないかもしれない」ことを、ある意味覚悟しておく必要があります。

その人を信頼していない、嫌な感じがするかもしれませんが、「約束を守ってくれるだろう」という期待があるぶん、約束が守られなかったときに、ストレスを感じるのです。
(約束を破ってしまう側の人は、相手にもう一度信頼してもらえるようになる努力が、必要ですね)

もう一つは、「約束を破られたときに自分は何を感じているのだろう?」という部分を見ていくといいかもしれません。
「私の事を大切に思っていないのかも」「軽くみられているのかも」「バカにされているのかも」と、私達は、感じていることが多いかもしれません。
そうすると、腹も立ちます。

でも、繰り返し約束を破る人は、自分の事情でそうしているのであって、大切に思っていないからでも、軽く見ているからでも、バカにしているから約束を破っているのではないのです。

「私は大切に思われていないわけではない」「軽くみられているわけではない」「バカにされているわけではない」と思うと、約束を破られた側の人が、傷付かなくなります。
実は、約束を破られた側の人は、とても傷ついているんですよね。

謝っている人に対して、怒りを感じている自分は悪い人間なんじゃないか?
私との約束を守ってもらえないぐらいに、私はどうでもよい人なのではないか?
相手を疑ってしまう自分は、嫌な人間なのではないか?

そう思えば思うほど、約束を破る人に対して、イライラしてしまいます。
でも、約束を守らないのは、その人の都合であって、約束を破られた側の人に、責任があるわけではないのです。
そう思うと、少しは気にせずにいられるかもしれません。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大門 昌代

恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より2冊出版。