親密な関係を怖れる人の心理~「傷つきたくない気持ち」が生む強い恐れ~

私たちのとって「親密感」というものはとても大切なもの。ですが心理学にはその「親密感」を感じることへの恐れが存在するとも言われます。特に過去に親密な関係を築けなかった、または対人関係で深く傷ついた経験など「ハートブレイク」が強くあると、この親密感への恐れは強まり人との関係で傷つくことを恐れ、その結果対人関係がうまくいかなくなることが起きるのです。

このような状態から抜け出すには、まず「罪悪感」ベースの発想を手放し自己肯定感を育むこと、自分を許し愛することを意識していくことが大切です。それは、私たちが自分自身をどのように扱っていたとしても、私たちには愛される価値と、本質的な対等さがあるのだという理解とその感覚を強くしていくことなんですね。

◎リクエストを頂きました◎
===================================
いい人だけど、時々周りがその人に振り回されているように感じる人について知りたいです。

その人は愛情豊かで母性的な人で、人を助けたいと思っている反面、人の心に敏感で、数少ない人にしか、心を開きません。

相手によりますが、時には人に寄ってきて欲しいけど、いざ寄って来られると、まるで生理的にダメみたいに、逃げてしまったり(異性、同姓関係なく)、かと思えば、理不尽なことをされても、限界まで受け入れて応えようとしたりします。

また、自分が「この人」と思うと、時には一方的に追いかけますが、相手に優しくして、相手が心をひらくとシャッと閉ざしたり、何をしたいのか分からないときがあります。

そのせいでせっかくの関係がとぎれたり、何も言わないままそういう態度をとるので、誤解されたりします。

そんな人の中では、どのような気持ちが働いているのでしょうか。

(一部編集させていただきました。)
===================================

私たちのとって「親密感」というものはとても大切なもの。恋愛・パートナーシップや対人関係などで、私たちが相互に近付いた分だけ「親密感」という感情を感じ、安心感や充実感、喜びや繋がりなどの感情を作り出していきます。

ただ、心理学には、その「親密感」を感じることへの恐れが存在するとも言われます。

つまり、誰かと親密感を感じるということは相手との心理的な距離は近くなるということ。すると相手の感情の影響を強く受けたり、時には振り回される、相手に嫌われる・傷つく可能性も同時に生まれるんですよね。すると、私達は無意識のうちに親密感を感じることに怖れを抱くようになるんです。

特に過去に親密な関係を築けなかった、または対人関係で深く傷ついた経験など「ハートブレイク」が強くあると、この親密感への恐れは強まりますね。

例えば、失恋。パートナーとの関係性が壊れると私たちの心は痛みますよね。今まで積み上げた親密感を失い、パートナーと親密感を感じられないという痛みが生まれます。

これは対人関係にも同じことが言えるんですね。恋愛や家族ほど人との距離が近いわけではないのですが、同じような痛みを感じることもあるでしょう。

そこで私たちは人との距離を取ることでその痛みから自分を守ろうとします。心理学でいう「防衛」です。

例えば、過去に周囲との信頼関係や繋がりを築けない、または周囲からの攻撃、拒絶を受け、その痛みが強すぎたりすると、どこか自立する~一人でいることを望んだり~、人との関係性を自分から切り離してしまうなんてことが起こります。

では、なぜそうなるか?と言いますと

①過去のハートブレイクが大きすぎて「自己嫌悪」が強まってしまっている可能性。何かしらの理由で自分は愛されない存在、と責めた結果、自分はダメなのでは?といった「罪悪感」が強くなる。すると、対人関係で「対等さ」を感じにくくなり、どうしても周囲と親密感や信頼関係を築くことができるという発想自体が希薄になるんですね。

②いつも心に余裕がなく、どのような状況でも自分を保つことで精一杯。また、過去に親密感を感じられる状況にいた経験が少なく、実際に親密感を感じる関係性をどう扱って良いのか?分からなくなってしまっていることなどが考えられますね。

その反面、そうはいっても完全に孤独な世界に居続けることも私たちにとっては難しいこと。心理学では「分離」と言いますが、「分離感」を感じ続けていることも私たちにとってはとても苦しいことなのです。

なので、私たちの心は自然と「親密感」を求めようとします。

ただその時に、自分の中での「安心感」を感じる人を探しては、その関係性の中で心を開こうとすることって私たちの中で当然のように行われますよね。

「この人は優しそう」「この人は大人だし大丈夫かな?」といった感じで。

そこで、自分が傷つくことを恐る度合いだけ、完璧主義になりやすく、少しの批判や否定も受けないような人間関係を望みはじめます。その姿は周囲から見ると、どこかで人の好き嫌いが激しいという風に見えることが多いでしょう。

が、実際は、心が傷つくことを恐れているがために、人間関係に強い優先順位を付けざるを得ない状況になっているといった感じでしょうね。

すると、そこまで繊細に気を使って作り上げた親密感はその人にとっては貴重なものになります。だから自分から相手に反発したり、強く自分の意思表示をすることはある意味自分から親密感を手放す意味合いを持ち始めます。

そのような時、いただいたリクエストにあるような犠牲、「理不尽なことをされても、限界まで受け入れて応えようとしたりする」ことが起きるんですね。心が漠然と人に嫌われることを怖れる反応を見せるので、どんな人の言動も受け止め耐えてしまうんですね。実際にはそこまで耐えなくてもいい状況であったとしても、心がどうしてもそう反応してしまうわけです。

さて、このような状態から抜け出すには、まず「罪悪感」ベースの発想を手放し自己肯定感を育むこと、自分を許し愛することを意識していくことが大切です。それは、私たちが自分自身をどのように扱っていたとしても、私たちには愛される価値と、本質的な対等さがあるのだという理解とその感覚を強くしていくことなんですね。

そして誰かに愛されなかったというハートブレイクを癒す、過去の体験から生まれた、今の自分を縛り付ける感情「強い傷つくことへの恐れ」や「罪悪感」などを開放していくアプローチがとても有効です。これは自分で自分を責めるその手を緩めることにもつながりますからね。

その上で、周囲の人々に対する理解を深め、人の中には私を批判する人もいるが、味方になってくれる人もいて、それでバランスが取れているのだということを深く理解することができるとずいぶん楽になってくるはずです。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

浅野 寿和

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。