私たちの人生を決める潜在意識のストーリー(3)~潜在意識のストーリーを癒す1~

カウンセリングにいらっしゃったある女性の例を通して、潜在意識のパターンを癒す物語を紹介していきます。
「うまく行きそうになると、ダメになる」というパターンを持つ彼女。そのルーツは、幼少期の家族、特にお父さんとの関係に原因があるようでした。
既に亡くなられたお父さんとの関係を癒して行くことで、このパターンを手放していくことにしたのです。

潜在意識のストーリーを癒す1

さて、自分がどのようなストーリーを描いているか?を見るには、幼少期の記憶を辿ることもできますが、あなたが繰り返し、繰り返し体験しているパターンに注目するのが最も分かりやすいでしょう。

ある女性はいつもこのようなパターンを持っていました。
(※ご本人の許可を得て紹介させて頂きます)

「うまく行きそうになると、直前でなぜかダメになるんですよね。仕事も順調に行っていて、もうすぐ自分の店が持てる、という段階になってリーマンショックで上がダメになっちゃって資金の目途が立たなくなったし、恋愛もいい感じで付き合えてる、と思っていたら、ある日突然別れを告げられる、なんてことが何度か繰り返されてるんです。今回だって、お互いの親に挨拶するところまで行きながら、なぜか親同士が揉め始めて結婚が流れちゃったんです。もう、さすがに何で!?と神様を恨みたくなりました。」

話を聞けば、大学受験の時も直前まで行くつもりだった遠方の大学に「家の都合」という事情でNGが出て、結局地元の大学に志望を切り替えたこともあったそうです。

リーマンショックも、親が揉めることも、家のお金の都合も、どれも彼女自身には直接関係ないように見えるので、すごくフラストレーションが溜まりますよね。

「でも、それって私が引き寄せてるんですよね?」

ホームページを隈なく読んでこられた彼女は、そう言ってくれました。
(話が早いです(笑))

そう、自分としては無自覚なのですが、彼女が潜在的に持っているストーリーが引き起こしてるパターンとして見て行くことができます。

そして、彼女の人生を振り返ると、お父さんとの関係が浮かび上がってきました。
元々は会社を経営していて裕福だったそうなんですが、彼女が物心がつく頃に倒産し、生活は一変。
そして、その後はアルコールに溺れるようになって、元々の持病もあって高学年の頃に亡くなってしまっていました。

元々彼女はパパっ子だったみたいですね。
会社が順調だったころの写真を見ると、すごい笑顔で写ってるお父さんと彼女がいました。
彼女の記憶の中では暴れてるお父さん、泣いてるお母さん、辛い自分(や妹)の思い出が濃かったにもかかわらず。

そして、お父さんを失った時は、その直前の数年があまりに激しかったので、悲しい、寂しいより、少しほっとした印象を持っていました。
それよりも長女として、お母さんを支えなければ、という意識の方が強かったようです。

しかし、気丈に生きていた彼女の心には、大好きだったお父さんが凋落していく姿を見てショックを受けたり、いなくなってしまったことで大きな大きな喪失感があったりしたのでしょう。

つまり、彼女が「うまく行きそうになる直前で大切なものを失う経験」というのは、お父さんを失った経験から出て来たのではないでしょうか?

さて、そんな彼女のマインドを癒して行くことにしましょう。
潜在意識の中にある彼女の物語は、「私の大好きな人、大切なものは時と共に失われていく、そして、私の手には入らない(残らない)もの」という形を取っています。

ならば、その誤解は原因であるお父さんに解いてもらうほかありません。

潜在意識のいいところは「時間」の概念が無いことです。

皆さんも、普段は思い出さない何年も前の思い出を何かの拍子に、まるで先日の出来事のように思い出したこと、ありませんか?

だから、彼女はお父さんと向き合っていく(お父さんの普遍の愛を感じて、受け取る)上で、時間を気にする必要はありません。

彼女はちょうどアルバムに残されていた小さい頃、お父さんに抱っこされている写真を持ってきてくれていたので、その写真を一緒に見ながら瞑想していくことにしました。

お父さんの腕に抱かれている感覚。
その肌の感覚。
声。
お父さんの力強さ。

そういう感覚を“想像(イメージ)”していきます。

そうして、蘇ってきたのはその時の嬉しい思い、パパのことが大好きだったんだ、という思い、そして、そんなお父さんがいなくなって悲しい、という思い。

「パパ、大好きよ」

そんな言葉をかけてもらいました。

クサい演出ですが、「パパも大好きって言ってるのが聞こえる?」と言うと、彼女は涙ながらに「ウン」と。
お父さんの愛が字空間を越えて彼女の心に届いたのです。

お父さんの愛を20数年ぶりに感じた瞬間でした。
その後は涙腺が崩壊してしまった彼女。
お葬式でもあまり泣かなかった分、今、その時が訪れたようでした。

そして、最後にお父さんの願いを受け取ってもらいました。
すべての父親にとって子供に願うことは一つしかありません。

「幸せになって欲しい」ということ。
そして、今も天国から応援しているということ。

これは実際にさせてもらったセラピーの一部です。
自分でも信じられないくらい涙が出た、と彼女は語っていました。

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