無理をすることから生まれる弊害~隠している自分を愛でよう~

誰にだって、人には見せたくないものがあるものです。これが親子関係などで繋がりが深い関係になるとなおさら、いろんな思いや感情が絡んで見せたくない思いが強くなることもありますよね。

自分を見せることが出来ないだけであればいいのですが、自分の見せることが出来ない関係性の中では、無理をしていることもしばしば…。無理をしている状況が続くとしんどくなるばかりです。今回の心理学講座では、自分を見せることが出来ないことで生まれた焦りやパニックの解消法をお届けします。

◎リクエストを頂きました◎
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私は子供の頃、学校での悩みを母に言えませんでした。心配されると不快で。思春期に鬱・不登校になった時は全部なんでも言っていて、次にそれが過ぎると、体調不良を親に言い難くなり、ギリギリまでたいした事がないように振る舞います。

親戚の前でも元気な自分を演じ、しんどいため今は何年も会いに行っていません。親戚の前で泣けないので祖父の葬式にも行きませんでした。

家族の前では、素直に優しく丁寧には振る舞えません。
将来、親が年寄りで介護せねばならなくなった時は、素直になれないしどうしよう、介護は嫌だ、とも随分昔から思ってきました。

それに恋愛で失恋した後は、親の前で落ち込んだ感じを出さないように頑張らねばならないのでそれが恋愛する上での負担です。そのために一人暮らしをしたい。
体調不良(生理)の時、親が横にいると、少し頭の中がパニックになります。
この焦るような気持ちを、なくすにはどうしたらいいでしょうか?
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リクエストいただき、ありがとうございます。
誰にでも、周りの人に見せたくない側面を持っていますよね。
それを見せないために頑張ったり、無理をしたりすることも多いのではないでしょうか?
今回は、リクエストを基に無理をすることから生まれる弊害について、心理的にお話ししていきたいと思います。

 心配されるときに感じるもの

誰かに何かを伝えられないとき、何かを見せたくないとか、隠したいという気持ちがあります。
リクエストの例であげてみると…、

○ 学校の悩み
○ 体調不良
○ 泣き顔
○ 素直な気持ち
○ 落ち込んでいる姿

などにあたります。
これらを自分が嫌っていて見せたくないと思っていることもあれば、これらを見せた時に感じる感情が嫌で見せたくないと思うこともあります。
また、自分が隠している要素は人からは愛されないと感じている場合もあります。

では、心配されたときに感じた不快感はどこから来るのでしょう??
心配されたときに不快を感じる場合、相手を心配させた自分を責めていることが多いんです。
親が子供のことを心配するのは、ごくごく自然なことであり、あなたのことが大切な存在であるからなんですが、目の前で自分のことを心配している親の顔を見ると、親をこんな心配そうな顔にしたのは自分だと感じ、自分のことを責めてしまいます。

そもそも、子どもは親の幸せを願い、笑顔にしたい生き物ですから、親の顔を曇らすような材料になるものを隠し、表現することをやめてしまいます。親の笑顔が見ることが出来るのなら、どれだけしんどくても、ひた隠しにしようとするのです。
そのくらい、子どもから親へ注がれる愛情も深く強いものがあるのです。

 焦りやパニックを作るもの

人は、距離によって感じる感情が変わります。
仲の良し悪しとは関係なく、繋がりが深い人間関係(家族や友人など)ほど、その感情の感度は大きなものになります。ですから、つながりの深い間柄で見せたくない気持ちを隠すためには、それを隠すだけの大きなエネルギーを要します。

見せたくないものが体調であれ、心理的なものであれ、弱っている自分やネガティブな感情であれば、ただでさえ弱っていますし、隠すことが出来るだけの大きなエネルギーを必要としますから、隠しきれなくなることを察知して、距離をとるという方法で窮地を回避しようとします。

距離がとれるうちはいいのですが、距離が取れない場合もありますよね。
そんなときに出てくるのが、
隠したい自分(弱っている自分やネガティブな自分) VS こうあるべき自分(平然としている自分)
との葛藤なんです。

平然を装えるうちはいいのですが、こうあるべき自分よりも隠したい自分の部分が優勢に傾いたときに、何としてでも隠したい自分を表に出さないように死守しなければならないように感じていますから、隠したい自分とこうあるべき自分との強い攻防が焦りやパニックという心理状況として現れます。

 焦りやパニックから解放されるために出来ること

そもそも、焦りやパニックは、○○であるべきといった義務や役割で自分を追い込むことから生まれる感情です。
まずは、自分を追い込んでいる義務や役割から自分を解してあげることが大切です。
そうしていくと、隠したい自分とこうあるべき自分との葛藤や攻防がなくなるので、その分だけ楽になります。

しかし、残るのは絶対親には見せてはならぬと思って隠し続けていた自分です。
見せてはならぬと思った自分が残ってしまったら、本末転倒ではないかという声が聞こえてきそうですが…
本来、見せてはいけならぬと思って隠し続けていた自分の多くは、愛情や助けを求めている部分なんですよね。

ですから、隠してきた部分を隠すのではなく自分の中にあるしんどさや弱さ認めること、ケアしてあげることで、しんどさから解放されます。

 隠していたものを見せるということ

見せることが出来ないことがあなたの中の苦しさを作っているのであれば、もう一つの解決方法は隠してきた部分を親に見せるということが一つの解決の糸口となります。

隠してきたものを見せるということは、今まで貫いてきたタブーを破ることになりますから、とても大きなチャレンジなります。

しかし、見せることが出来て初めて隠してきた部分が日の目を浴び、相手に受け入れられたり、愛されたりする機会を得ることができるのです。

よかったら、お試しくださいね。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

宮本 恵

人間関係の築き方・コミュニケーションのスキルアップ・個性を生かすことを得意とする。 お客さまのテーマを多角的な視点でとらえて分析することにより、新たな視点や心の気楽さを持つことが出来ると定評がある。ゆるぎない安心感の基盤を基に行うカウンセリングは、心のうちを語りやすいと評価が高い。