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Lecture.182 「ごめんなさい」が言えない心理
講師:根本裕幸
「ごめんなさい」というコミュニケーションが持つ大切さや、それができない時の心理と対処方法をご紹介。
Keywords
罪悪感
無価値感
競争
言い訳
許し

私達は「しまった」と思ったり、「申し訳ないなあ」と思ったりしたことがあっても、素直に「ごめんなさい」と言えなくなるときもあります。

一言「「ごめん」と言えないばかりにその場の空気が濁ってしまったり、関係性が悪くなってしまう経験をされたこともあるでしょう。
反対に自分のパートナーがこの言葉を言えないために、強い憤りを感じて不信感を募らせたり、何らかの復讐や当て付けをしてしまったことがある方もいらっしゃるでしょう。

今回はこの「ごめんなさい」が言えない心理について取り上げます。


●罪悪感が作るプライド

「ごめんなさい」というのは自分の非を受け入れ、相手に謝罪するコミュニケーションの一つです。
「申し訳ない」とか「すまん」というのも同じですけれど、このコミュニケーションは自立的な人にとっては、自分が相手よりも下になるような印象を持ちます。

もし相手との間に競争があり、主導権争いをしていると、このコミュニケーションは「負け」を認めるような屈辱感や惨めさを伴います。
ですから、たとえ自分が「悪かった」と思っていても、「ごめんなさい」という言葉は禁句になってしまいますよね。

こうした競争心理は「自立」の持つ問題の一つで、パートナーシップをはじめ、対人関係全般に起こるものです。

そして、罪悪感が強い分(悪かったと思う気持ちが強い分)、この謝罪の言葉が与える影響力も大きく感じます。
つまり、「もし、ここで非を認めてしまったら、自分はとんでもない罰を受けなければいけないんじゃないか?」という怖れが非常に強くなってしまうんです。

そうすると、事の大小よりも、自分が感じている罪悪感の大小によって「ごめんなさい」が言えなくなってしまいます。
ですから、人によっては飲み物をこぼして相手の服を汚してしまったり、待ち合わせにちょっと遅れたときですら、この言葉が出なくなります。

しかも、この罪悪感はその出来事だけでなく、過去の経験も由来するものです。
すなわち、今回は飲み物をこぼしてしまったわけですが、過去に自分が申し訳ないと思っているものがあればあるほど(罪悪感が強ければ強いほど)、些細なことでもこの言葉が言えなくなってしまうのです。

外からは見えないけれど、心の中では何度も何度も「ごめんなさい」を言い、そして、それ以上に酷く自分を責めているものです。


●無価値感が作る怖れ

「ごめんなさい」自分の非を認めて謝罪する言葉ですから、一般的には罪悪感に関する問題として扱えますが、一方で、無価値感から言えなくなってしまうこともあります。

無価値感は「私なんて愛される価値なんてない」という感情ですから、そこで自分が悪いことをしたと認めてしまうと、もっと愛されなくなる、もっと粗末に扱われる、もっと軽く見られる、そんな怖れが強くなってしまうわけです。
いわば「嫌われる怖れ」から「ごめんなさい」が言えなくなってしまうわけですね。

そうすると「ごめんなさい」という言葉は、相手と自分の距離を広げてしまうように感じますから、特に好きな相手、大切な相手になればなるほど言えなくなります。

実は罪悪感と無価値感というのは、表面化する態度や感じている感情こそ違えど、このレベルで見ると実質的には同じものと言えそうです。

●逆切れと言い訳

そうすると、罪悪感であれ、無価値感であれ、自分が謝罪の言葉を禁止してしまっている分だけ、いっぱい言い訳を考えたり、逆切れして相手を責めるようになってしまいます。

「お前がそんなところに飲み物置くからあかんねやろ?」と相手に押し付けたり、「時間通りに出たんだけど、電車がなかなか来なくて・・・」と先に言い訳が出てきたりします。

でも、そんなときは自覚している/していないに関わらず、酷く自分自身を攻撃してしまいます。
逆切れは、自分自身をこれ以上責められなくなったときに起こるんですね。
相手とすれば変な言いがかりを付けられたように感じますし、また、言ってる本人も内心「俺はなんてこと言うてるんだ・・・」と思いながらも、あふれ出したその攻撃的な感情は止まりません。
それが暴言、暴力になることだってあります。

また、言い訳は「犯人探し」という心理の一つで、自分以外の誰かが悪いことになれば、自分が責められずに済む心理を利用しています。
つまり、「私が悪いんじゃなくて、遅れた電車が悪いのよ」という形になるんです。
でも、やっぱりその裏側では遅れた自分を酷く責めているものですよね。
決して人には言わないけれど。

こうした言い訳や逆切れは聞いてる相手も気分悪いですけど、言ってる本人はそれ以上に最悪な気分になるものです。

そして、お互いの関係も悪化していくように感じてしまいます。

●抑圧された「ごめんなさい」

言えなかった「ごめんなさい」は誰でも多少なりとも持っているものだと僕は思っています。
・迷惑かけてごめんなさい
・優しく出来なくてごめんなさい
・大切にできなくてごめんなさい
・良い子じゃなくてごめんなさい
・悪いパートナーでごめんなさい
・愛してあげられなくてごめんなさい
・傷つけてごめんなさい
・助けてあげられなくてごめんなさい
・受け取れなくてごめんなさい
などなど、自己嫌悪の数だけ、心の中には「ごめんなさい」が渦巻いています。

それを認めてしまったら、一気に噴出し、最悪の気分になり、更に周りの人たちに嫌われてしまうと思いますから、こうした気持ちはどんどん潜在意識に抑圧されていきます。

そうすると、酔った勢い、寝言など意識があまり動いていない状態で、吹き出てきます。
皆さん自身や周り方に、酔った勢いで、訳もなく「ごめんなさい」って泣き崩れた方もいらっしゃるかもしれませんね。

セラピーをしていると、そうした潜在意識に抑圧されてきた「ごめんなさい」がたくさん出てきて、自分でも何を言ってるのか分からないくらい混乱してしまう方もいらっしゃいます。

突き詰めれば“何”に対して「ごめんなさい」じゃないんですよね。
罪悪感も無価値感も感情として、ただ心の中に存在するのみです。
何かがあって「ごめんなさい」ではなく、ただ「ごめんなさい」なんです。

そうした感情を解放していくと、どんどん表情が変わっていきます。
苦しそうな、あるいは涙でぐちゃぐちゃの表情にどんどん光が差して来る様子が見て取れるときも少なくありません。

それくらい「ごめんなさい」という謝罪の言葉は「許し」「癒し」のパワーがあるんだ、と感じさせられます。


●「ごめんなさい」は自分を許す言葉

そんな風に謝罪の気持ちは相手に許しを求める言葉ではなく、自分が自分を許す言葉です。
「いまさら謝ったって、もう遅い。許してもらえるわけがない」
と思っているとしたら、相手はともかく自分自身はその罪悪感に捉われてしまっていることに気付きましょう。
つまり、「もう自分は許されない」として、自分で自分を許せなくなるのです。

これは自分自身を縛り、どんどん追い詰めていく状況を作り出します。

もし、あなたが半年前、1年前と比べて窮屈な気持ちを感じるのであれば、あなたは誰かに「ごめんなさい」を言っていないのかもしれません。

今、少しリラックスして自分の心を見つめてみましょう。
誰に「ごめんなさい」を言い忘れているのでしょうか?
もし誰か思いついたとしたら、心の中でその人を思い浮かべながら、声に出して「ごめんなさい」と言ってみて下さい。
自分の心がすっきりするまで何度でも何度でも。
どんな感情が出てきても構いません。

そうするとさっきまでより解放され、自由を感じられる自分に出会えるはずです。


●「ごめんなさい」が言えない相手に

もし、あなたの大切な人や関わりのある人の中に、こうした「ごめんなさい」が言えない相手がいらっしゃるとしたら、気分が悪いなりに、彼らをそうした内面を理解し、許してあげようと思ってください。
もちろん、理解してあげるには、自分に余裕が無ければできません。

しかも、その相手はあなたに対して、そうした謝罪の姿勢は示さない(示せない)わけですから、理解し、許してあげるには感情的な抵抗を強く感じるかもしれません。

でも、実は相手も同じ感情を持っていることに気付けます。
相手は謝罪することに強い抵抗を感じているわけですから、そこでは“抵抗”という同じ感情をお互いに感じているのかもしれません。

そうした相手を受け入れ、理解する姿勢を示してあげると、相手から見たあなたは徐々に“敵”ではなく“味方”になっていきます。
そうすると少しずつ心を開き、謝罪や感謝の言葉や態度を示してくれることもあります。

「そんなの待っていられへん!」って感じてしまう場合もあろうかと思いますが、そこは、あなたがその相手との関係性をどうしたいのか?にかかってくると思ってください。

もし、良い関係性を築きたいのならば、ぜひ、そうした理解と許しを積極的に進めてみて欲しいと思います。

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