自分が独身の頃、自分の親をすごいと思ったことはほとんどありませんでした。
親ってうざい。親子ってめんどくさい。
あの頃の私にとって、親からは早く離れたかったし、特に父親とは縁を切りたかったほど嫌いだったから、すごい人たちとか立派だなぁとか、そんな目で見たことはありませんでした。
でも今は、自分も親になり、あの頃の親の大変さを思い知りながら生きています。
今日は、子どもにとっての私たち親 というのを考えていきたいと思います。
立派なお父さん、立派なお母さんってどんな人?
・親になるとつい完璧を目指してしまう
子どもが生まれると多くの方が、「お母さん」「お父さん」という役割を担いますね。けれどその肩書きに、「立派でなければならない」「ちゃんとしなくてはいけない」という重圧を感じている方も少なくありません。
なぜそんなふうに気負いすぎてしまうのでしょうね。
家事も育児も完璧にこなして、いつも笑顔で、子どもにとって理想の存在でいる。
それは確かに素敵なことかもしれません。けれど私たちは、誰しもみんな、いつもそんなに余裕があって生きているわけではありません。その理想像に向って努力する姿勢は素晴らしいと思いますが、そこを頑張りすぎると、こころは苦しくなってしまいますね。
・子どもにとって親は?
親というのは、自分より何もかも出来てすごい人。
それが幼い頃の私たちのイメージだったと思います。
だけど成長する過程で見る、「立派なお父さん、お母さん」というのは、
何もかも出来る完璧な人 ではなく、
自分を大切にしてくれる人 だと私は思っています。
例え彼らがいろんなことで失敗したとしても、すごく悩んだり落ち込んだり、時には怒るようなことがあったとしても、その後に、「どうしようか」って向き合ってくれる姿勢が、子どもにとって、すごい人…というよりも、そんな立派さを求めているのではなく、一緒にいて得られる安心感。親にはそんな部分を欲しているんじゃないかと私は思っているます。
親としての役割でなく、「私個人」も大事にする
・子どもの前で弱さを見せてもいい
多くの親御さんが頑張りすぎてしまうのは、“親として” という子どもへの愛情が強いからだと思うんですよね。でもそうやって自分を頑張らせすぎてしまうと、
「今日も私一日頑張ったなぁ」って。
そんな声かけすら自分にはしなくなると思います。
だからそこまで一生懸命になり過ぎないで、子どもの前でも弱さを見せてもいいと思うんですね。
「こんなことを言ったら子どもが不安になるかも」
「こんなこと、親が子どもに言うべきではない」
つい自分の弱さを隠したくなることもあるかもしれません。でも大人だって悲しい時や辛い時があるということを知るのも、子どもにとっては大切な学びのひとつです。
疲れた時は疲れたと。
悔しい悲しい時は、その感情を。
自分の素直な気持ちを子どもに伝えて、そして大事なのは、
どう親がそれを乗り越えていくのかを見せること。
それは、子どもが自分の感情を受け止める力を育む手助けにもなると思うんですね。
・役割の部分だけじゃない、自分自身も大切に
お父さんやお母さんである前に、一人の人間としての自分がいます。
時には「親として」ではなく、「私」としての時間を持つことも、子どもや自分への愛情のバランスを取るには必要だと思いますし、それがこころの余裕につながると思うんですね。
立派なお父さん・お母さんというのは、
子どものために頑張る人 ではなく、
子どもと一緒に成長していく人 ではないでしょうか。
うまく行かない日も、自信をなくしてしまうような日もあると思います。
でも、大丈夫。
そのたびに立ち止まって、自分の気持ちを見つめながら、悩んでも考えても、日々自分なりに進んでいくの。それはもう十分立派なお父さん・お母さんです。
だからどうか。
ご自身にも優しい眼差しを向けてあげることを、忘れないでくださいね。
今回の私事の記事が、子育て中の皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。
次週は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。