なくならない自信の作り方(1)~自信はどこからやってくるのか?~

新年度が始まり、新しく入社された方や転勤や配置換えなど、新しい事を覚えたり、環境の変化があったりと、春はめまぐるしい季節です。
そしてその春も過ぎ、変化にも少し慣れてきた今頃は、張り詰めていた緊張が少し緩みやすくなるため、同時に疲れも感じやすい時期でもあります。
そして、こうした時期にカウンセリングの中でよく扱うキーワードが『自信』自信がない・・・
自信がある!
自信がなくなってしまった。
少し自信がついてきた。私達は普段の会話の中でもよくこの「自信」という言葉を口にしたり、耳にすることがあります。
しかしその中で出てくる「自信」というものは、とても流動的で不確実で儚いものであることが多いようです。
例えば何かを褒められたら、そこでは新しく「自信」が生まれたり、
例えば何か失敗をしてしまったら、そこでは今までの「自信」がなくなったり、
例えば同じ分野で自分以上に上手にできる人がいれば「自信」が揺らいだり、
例えば誰かと比べて自分の方が優位に立っていると安心して「自信」を感じたり。

自信はすなわち「自分を信じる」と書きますが、自信をなくしてしまってからだと新しく積み上げていくのにはとても時間がかかるように思える「自信」。
けれども積み上げた物が崩れていくのは一瞬のように感じる「自信」。
言葉遊びではないですが、「自信」と「自身」は本当に繋がっていて、自分を信じれなくなると、私達は自分自身をも見失ってしまいます。
逆に自分らしくイキイキと自分自身を表現出来ている時には、私達は意識しなくとも自信に満ちあふれています。

では、流動的に変化する「自信」ではなく、もっと根本的に自分を信頼出来て、そして簡単にはなくならない自信の作り方はないのでしょうか?
あなた自身にも、またあなたが誰かを育てる立場ならばその相手にも使える
【なくならない自信の作り方】
をシリーズで考えていきたいと思います。

●自信はどのようにして作られるのか?

「自信はどこからやって来るのか?」

そう質問した時に、多くの方は

「何かに成功した時」
「何かをやり遂げた時」
「誰かに誉められた時」
「今まで以上の成果が手に入った時」

というような答えをよく連想されるようです。

だから自分に自信をつける時には、「何か目標を立ててその目標を達成するというプロセスを繰り返す」という事を私達はよく行いますし、実際に自己啓発系の本にもそのように書かれているのを目にします。
そうして1つずつ成功体験を積み上げて行く分だけ、私達はより自分の力や価値を信じ、それが自信に変わっていくのだと思われています。

確かに、上記の「成功体験を積み上げる」というのは自信形成の上でとても意味のあるものです。
それは私達があかちゃんの頃から自然と行われている事で、ハイハイからつかまり立ち、そして歩けるようになるプロセスでもこの小さな成功体験をつみあげてきました。

ではどうしてそれだけたくさんの成功やそれだけの経験値を通じて積み上げてきたものが何かの拍子に簡単になくなってしまうように感じるのか?

そこには「解釈」や「思い込み」といった、私達の心の中の”自己イメージ”が作用するからなのです。

あなたが「自分に自信がある」と思えはあなたの中に自信が存在し、
逆に「自信がない」と思えばあなたの中から自信はなくなってしまう。

自信の有無を左右しているのは、他の誰でもなく、あなた自身だと言うことなのです。
言い換えれば

『自信とは、あなたがあなた自身に対して持っている自己イメージである』

と言えます。
あなたが自分に対して「私はこういう人間だから」と、どういう風に”解釈”しているのか?
どういう風に”思い込んで”いるのか?
自信の源は、そこにあります。

●あなたは今、どんな「解釈」をしているのか?

「目の前に水が半分くらい入った容器があると思って下さい。」

そうイメージしてもらってから、「その容器は何ですか?」と質問すると、多くの人は「コップです」と答えてくれます。

では、その同じ容器に水の変わりにペンがたくさん刺さっている所を思い浮かべてもらうと、どうなると思いますか?
それはコップではなく「ペン立て」と呼ばれます。
ペンの変わりに花を生けてもらうと、それは「花瓶」になります。
中に土を入れて種を蒔けば「植木鉢」に。

同じ容器であっても、その使われ方は使う人の”解釈”によって変化し、かつ限定されるのです。

これは私達の「自信」にも同じ事が言えます。

あなたが、自分をどのように捉え、どのような存在だと”解釈”するのか?によって、自身の価値や評価、役割や存在意義は違って見えてくるのです。

自尊の欠如やネガティブ思考、何かに対する恐れや不安、悲観的な発想や否定的な思い込み・・・。
こうしたものはどこからやって来るのか?

それは全て私達の「思考」です。
マイナスの”解釈”に囚われてしまっていると、恐れや不安から行動が制限され、新しいチャレンジができなくなってしまいます。

「自信を持ちたい!」「自信をつけたい!」と思うのであれば、まずは日常の出来事や今日の自分自身に対して、あなたがどんな”解釈”をしているのか?を見つめなおしてみましょう。

あなたにとって自分のモチベーションを下げてしまう思い込みはないか?
あなたにとって自分の能力を引き出しにくくしている思い込みはないか?

【なくならない自信の作り方】の最初のステップは、
『今、自分はどのようなイメージを自分に持っているのか?を知る事』です。

良くも悪くも、自分が自分に対して持っている「今」の自己イメージが分かれば、それを書き換えていくことができます。

あなた自身をもっと自由にしてくれ、もっとあなたの才能を引き出す自己イメージに書き換えていくにはどうすればいいのか?という自己イメージの書き換え方についてのお話は、次回に続きます。

—–

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、対人関係、自己啓発、ヴィジョン、ビジネス心理を得意とし、”少しでも楽に・簡単に・シンプルに”をモットーに、分かりやすい心理分析と日常的に無理なく取り組める提案を行っている。 その人本来の輝きや、問題の先にあるヴィジョン(幸せな未来や才能)を引き出すカウンセリングが好評である。