チャンスは向こうからやってくる

我々人間の成長において、はじめは、親に100%依存するところからスタートです。
生まれてしばらくは、自分では何もできないので、親を頼って成長していきます。しかし、そのうち、自分ひとりで服を着たり、トイレに行くというように、自分一人で出来ることが徐々に増えていきます。学校に行くようになり、親と関係なく、外で友達と遊ぶこともできるようになっていきますね。

そして、さらに成長していき、大人になったら、就職して経済的に自立していくこともありますし、親元から離れて、一人暮らしを始める場合もあります。

さて、この成長の流れは、ビジネスにおいても全く同じです。我々人間は、みな、働いた経験が全くないという時代があります。

正社員にしてもアルバイトにしても、いずれの場合であっても、働いた経験がゼロの状態から働き始めるわけです。

そのときは、ビジネスの現場では、我々は「赤ちゃん」と同じです。働いた経験が全くないのですから、顧客からの電話を取ることも上手くできないかもしれません。

はじめは、先輩や上司に教えてもらいながら、だんだんと仕事を覚えていきます。そして、次第に、先輩や上司に細かく指導されなくても、自分で考えて、自分の判断で仕事を進めるようになっていきます。

ある程度仕事の経験を積んでくると、後輩や部下が出来る場合もあるでしょう。そうなると、自分は先輩として、上司として、部下を指導していくことになります。

さて、我々は、人間の成長でも、ビジネスでの成長でも、真っ直ぐに右肩上がりで成長していくということは、まずありません。どういうことかというと、人間の成長でも、ビジネスでの成長でも、我々は、その過程において、必ずなんらかの失敗をしているからです。

人間の成長でいえば、学校に行きはじめると、仲のいい友達もできるかもしれませんが、仲の悪い人もいたりして、人間関係で悩んだりすることもあるでしょう。

思春期になって異性を意識し始めると、人によっては、自分の容姿にコンプレックスを持つ場合もあるかもしれませんし、その頃には、進学や受験で悩むこともあるかもしれません。

もっと分かりやすいのは、いじめにあった経験があるとか、親が過干渉であったなどですが、いずれにしても、多かれ少なかれ、我々は成長の過程において傷ついてきているのです。

そして、これはビジネスでも全く同じです。はじめは経験ゼロですから上司も教えてくれますが、ある程度経ったら、早く仕事を覚えて、一人前になることを求められます。

しかし、成果が出ないとか、そもそも仕事が好きではないとか、職場の人間関係が悪いなど、ビジネスの成長においても、我々は様々な傷を持っていることがあります。

さて、我々は、人間にしても、ビジネスにしても、その成長過程において、無意識にたくさん作りだしているものがあります。それは、

「ルール」

というものです。

我々が成長していく過程において、多かれ少なかれ我々は傷つきます。そうすると、もう傷つきたくないため、

「こうすれば上手くいく」、「こうしておけば、問題にはならない」

というような「ルール」を、たくさんたくさん、無意識に作り出していくのです。

傷つきたくないための「ルール」ですから、基本的には必要なものであり、また、その「ルール」に基づいて上手くいくこともありますので、「ルール」が一概に悪いとはいえません。

でも、そうすると、こういう現象が起こることがあります。

「ルールを破る人を見るとイライラする」
「ルールから外れた仕事のやり方なのに、なぜか自分より上手くいっている人がいる」

ここで、十分成長して一人前になったのに、我々は人とぶつかったり、人を妬んだり、逆に自分を否定したり、自己嫌悪になったりしてしまいます。

しかし、実は、今がチャンスなのです。それは、

自らの「ルール」を手放し、さらに成長するチャンス

です。

傷つかないように無意識に作った「ルール」は、今までは役に立ってきました。しかし、十分に成長した今は、逆に、「自分の成長を縛るルール」になっているかもしれません。

我々が進んでいくうえでなにか行き詰まりを感じたとしたら、

「もしかしたら、自分のルールを手放すときかもしれない」

と思ってみてください。そして、行き詰まり感がビジネスでも人生でも、こう思ってみてください。

「チャンスは向こうからやってくる。自分はそれを素直に受け取ろう」

今まで頑張ってきたので、自分で何とかしたくなるのは理解できます。チャンスを受け取るだけなのですが、自分が経験したことがない世界なので、とても怖いのです。

でも、勇気を出して、チャンスを自ら作り出すのではなく、向こうから来るチャンスを素直に受け取るということに意識を置いてみてくださいね。

みなさんが知らなかった、新たな世界が開けるかもしれませんよ。

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この記事を書いたカウンセラー