人を動かす心理アプローチ

15年ほど前、心理学に興味を持ったきっかけはセールスマンとしてどうすれば人を動かすことができるのか?という興味からでした。その後、カウンセラーとして活動をしながら、セールスマンのマネジメントと育成を担当している今、「人を動かす」ということについて、いくつかの答えを見つけることができたように思っています。

今日は、そんなテーマについて。

ビジネスに効く心理アプローチとしてご紹介したいと思います。

人を思うままに動かす。

何とも魅力的なトピックスだと思いませんか?それとも何だか嫌な感じがするでしょうか?

私たちの中にはきっと、「他者をコントロールしたい」という潜在的な欲求と、「他者にコントロールされたくない」という抵抗感とが共存しているのです。

なので、「人を動かす」というキーワードに惹かれるし、嫌な感じもするのではないでしょうか。

以前の私は、セールスマンとしてどうにか人を動かしたい、と強く思っていました。

そうすれば成績はもっとあがるし、部下や後輩たちを一人前に育てることができると考えていたからです。

そんな気持ちから、心理学を学び、カウンセリングスキルを身につけてきたわけですが、心について知れば知るほど、当初の自分の考え方が、人を動かすうえでいかに非効率的であるかに気づかされました。

なぜなら、部下を動かそうと、躍起になって指示、命令を繰り返すほど、部下の半分はモチベーションが低いままパフォーマンスの低い行動を繰り返し、残る半分は黙って従うけれど指示がなければ何もしなくなります。

結果、モチベーションが低い部下を常に叱咤し、指示待ち部下をつきっきりでフォローしなければならないということが起こります。

つまり、「部下を動かそう」というアプローチは、チームのパフォーマンスを50%ダウンさせ、自分の労力を200%消耗させたわけです。

非効率、という理由がここにあります。

では、どうすればチームメンバーを有効に動かすことができるのか。

まず、見なおさなければならないのは、「動かす」という考え方です。

人は誰でも、動かされたくはないし、自分の意思で動きたいと考えています。

「どうすれば部下を動かすことができるのか?」という考えから、「どうすれば部下が動きたくなるのか?」という考え方にシフトチェンジすることが大切。

そこで、考え方を変える最も簡単なアプローチは、言葉選びを変えること。

人を動かすから、「人が動きたくなる」、部下を動かすから、「部下が動きたくなる」へ、表現を変えるだけでも随分と関係性は変わってきます。

言葉を見なおしたら次は関わり方です。

指示型アプローチから、提案型アプローチへと関わり方を変えることです。

例えば、翌日に控えたプレゼンテーションの準備について確認したい、というような場面では、「明日のプレゼンには、資料10部とプロジェクターを用意しなさい」よりも、「明日のプレゼンに必要なものを報告してくれるか」と言った方が、自分で考えるクセもつくし、
信頼されているようでモチベーションも高まりやすいものです。

信頼は自主的な行動を促すうえでとても重要。信頼を感じると人はその信頼に応えたくなるし、自分の行動に自信を持つこともできます。

また、自主的な行動を部下に促すなら、興味と関心を向けてみることも効果的です。

人は、興味と関心を向けてくれる相手には自然と関心を抱くものですから、あなたが部下に興味を示すほど、彼らもあなたの求めていることに関心を示すはず。

そうなれば、「やってみよう」と彼らが考えるケースも随分と多くなるわけです。

対人関係を育むには対話がいちばんですが、ここでは話すよりも、聴くことが大切。

部下の話をよく聴くことができる上司というのは、部下が自然と動きたくなる上司と言えます。

忙しくしていると、ついつい適当に聞き流してしまいやすいものですが、そんな態度が続くと、気づいたら誰も言うことを聞かない、なんてことにもなりかねません。

優秀なプレーヤータイプの上司ほど、陥りやすい罠です。

心当たりがある方は注意が必要ですね。

人を動かす心理アプローチをテーマに、部下が自然と動きたくなる関わり方について考えてみました。

初めて部下を持ったという時には、思った以上にうまくかない関係性に悩まされることもあるかもしれません。

けれど、そんな時こそ、自分の中にある人との関わり方のクセを見直すチャンス。

隠れた関係性の「型」を見つけ、意識しておくことで、問題が起こりやすい状況を予測しすることができるようになります。

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この記事を書いたカウンセラー

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