心の幸せは、人とのつながりから

若い頃って、幸せになるために必死ではなかったでしょうか。
仕事をがんばって評価されること。
自分を磨いて素敵に見せること。
高価なブランド物を手に入れて、少し背伸びをした自分を演出すること。

「何者か」になれば幸せになれる。
かつて、わたしも、そう信じていました。

でも、最近感じている幸せは、もっとずっとささやかなものです。

土曜の夜、友達から突然「明日、海行かない?」と誘われました。
2歳の娘を育てている友達は、子どもをどこかへ連れ出したい様子でした。
夫に話すと「友達の旦那さんも行くならいいよ」との返事。
その旦那さんも「久しぶりに会いたい」と答えてくれて、結局、友達夫婦と2歳の娘、私たち夫婦で、都内から1時間半ほどで行ける材木座ビーチへ行くことになりました。

小さな女の子にとっては、初めての海。
波に足をつけて笑い声をあげるその姿を見ているだけで、胸がじんわりと温かくなります。
友達夫婦と過ごす時間。
夫が楽しそうに笑っている姿。
このささやかなことに、心から「幸せだな」と思いました。

けれど、この幸せを感じられるようになるまでには、わたし自身、ものの見方、とらえ方の変化が必要でした。

以前の私は、誘われても素直に喜べず、
「どうして急に?」
「わたしの都合は考えてくれないの?」
などと文句が出たり、夫にも、「誘われたんだけど」と伝えることさえ気まずく感じていました。
夫を誘うこともできず、「きっと断られる」「迷惑に思われる」と勝手に決めつけていたのです。

これは、私が抱えていた“心のクセ”でした。

「大切にされない」
「断られたら傷つく」
「迷惑に思われる」
という思い込みが、私の行動を制限し、結果的に本当は欲しかった“人とのつながり”を遠ざけていたのです。
わたしは、心理学を学びながら、それを少しずつ手放していきました。

「素直に受け取る」
「気持ちをそのまま伝える」
「断られても気にしない」
そんな小さな実践の積み重ねが、今の気楽なつながりをつくってくれました。

結局のところ、
心の幸せは、人との関係の中でしか得られない。

だからこそ、どれだけ物を手に入れても、一人でがんばっても、心は満たされないのです。

幸せとは、大きな出来事ではなく、日々のささやかなやり取りの積み重ね。
そこに安心感や居場所を見つけたとき、人は幸せを感じられるのではないでしょうか。

そして今、ようやく私はそのことを実感しています。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

誰と付き合ってもうまくいかない―不毛な恋愛を繰り返し離婚も経験した元・依存女子。心理学を学び自立した経験から、こじらせ恋愛体質の卒業/依存からの脱却/超自立男性との向き合い方など幅広い悩みに寄り添う。現在は超自立男性と50代で再婚、自分らしくしなやかなパートナーシップを築いている