心の力が引き起こすこと2

こんばんは

神戸メンタルサービスの平です。

今回は、前回「心の力が引き起こすこと」の続きです。

中学校3年生になる寝たきりの息子さんを持ったお母さんの話の続きです。

そのお母さんはあるできごとを思い出しました。

それは、息子さんが幼稚園のときの運動会でのことです。

そのころ、息子さんは走るところまではいかないけれど、何とか歩ける状態でした。

息子さんは「お母さん、ぼくもみんなと一緒にかけっこがしたい」と頼んだそうです。

それまでは病気のこともあり、運動会はほとんど見学だけで参加していなかったのですが、病気の進行のこともあり、ひょっとして来年は無理かもしれないと思ったので、幼稚園の先生とも相談して、みんなと一緒に走らせてもらうことになりました。

かけっこは4人一組で走るのですが、当然、ほかの3人は先に行ってしまい、息子さんは後ろから、よちよちと歩くように進んでいたそうです。

ところが、ほかの3人も後ろにいる息子さんのことが気になるので、後ろを見ながら走っていたそうです。

そして、ゴールの手前で3人がピタッと止まり、息子さんの方を向いてまるで「がんばれ」というように手をたたきはじめたそうなのです。

運動会の会場は急に雰囲気が変わり、会場全員が手をたたき始め、その声援の中を息子さんがゴールしたそうです。

しかしながら、当時、お母さんはこのできごとをとても恥ずかしいことと認識したため、ゴールした息子さんを抱いて逃げるように観客席に戻ったらしいのです。

お母さんは、今振り返るととても愛情にあふれた温かい経験であったと思ったので、そのときの3人の友達にお礼の手紙を書いたのだそうです。

手をたたいてくれた3人の園児のうちの1人は、とてもぐれており、髪の毛も金髪だったらしいのです。

彼のご両親はそのことにとても頭を痛めていらしゃったのですが、そのお母さんからの手紙を読んだ瞬間にあのできごとを思い出し、うちの息子にもこんな時代があったんだ、ととても大きなインスピレーションを受けられたそうです。

そして、そのぐれている息子さんにその手紙を見せたところ、彼もそのことを覚えていたそうです。

そして、その彼が、わざわざ会いに来てくれたそうなのです。

息子さんの病状は今でも変わってはいないのですが、お母さんにはとても変化があったそうです。

心の力というのは不思議なもので、それが夢であろうが、現実であろうが、シュミレーションであろうが、区別がないのです。

このとき、お母さんは「決して息子を自分の苦しみにはしない。息子を何とか自分の喜びにしたい」と心に決めたそうです。

この出来事をみなさんの恋愛に置き換えてみてください。

私たちは、彼がいないとか、大好きな人にふられてしまったとか、離婚してしまったとかいうとき、私たちは心の力を総動員して未来をとてもつらくてひどいものにしてしまうことが多いようです。

「一生彼ができなかったらどうしよう」とか「私を愛してくれる人はもう今世では現れないのかもしれない」などと考えてしまい、あなたの表情をくもらせ、せっかくのあなたの魅力をあなたの心の中に閉じ込めてしまって、あなたの魅力が表現できないことになってしまうことがよくあるようです。

しかし、もしあなたが「最高のパートナーと出会って、信じられないくらいラブラブで、最高に幸せになったら・・・」と考えれば、今のあなたに笑顔が戻ってくるのです。

未来はどうなるのか誰もわかりません。

あなたの心がよりよい未来に向かって開かれているときに、あなたの今の表情が明るく変わり、あなたの一番のすばらしさが、あなたのまわりに表現されることによって、あなたはよりすばらしい未来を今引き寄せることができるのです。

バカげたことかもしれませんが、まだ出会っていないあなたのパートナーのために、「もし、そんな最高の人と出会えたらどんなにうれしいかしら?」と想像し、今、喜んでほしいのです。

最高のパートナーと出会ったとしたら、あなたはその人に向けてどれだけうれしそうな表情をしているのかを想像してみてください。

その表情こそが、あなたにとっての最高のパートナーをゲットする秘訣になるかもしれないのです。

 

来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。