かたづけられない女

相談者名
kirin
かたづけられない女です。
とは、いっても部屋の中は、できるだけすっきり物が
ない状態にしています。だから、他人がみてそうと
気づかれることはまずありません。

ただ、その場その場の興味に次々と飛びついてしまって
家事や約束などがあとまわしになってしまい
いつもぎりぎりにとりくんで、直後は物が散乱しています。
なんとか間に合わせたあとに、まとめて片付けるのですが
すごい徒労感です。

時間の余裕があるなしにかかわらず、いつもぎりぎりまで
手をつけられません。
いままで間に合わなかったことは、滅多にないのですが
ゆとりをもって、ゆっくり行動できません。

あと書類や、メモ類、思い出の品の類、引き出しのなかも
全然整理されていなくて、見直してなんとかしたいと思っていても
なかなかとりかかれません。

昔からずっと、この調子です。なんとかしたいのですが。

カウンセラー
高橋大
kirinさん、はじめまして。高橋 大と申します。
ご相談ありがとうございます。

すっきり物がない状態であり、かつ他人がみても気づかれないような状態である
にもかかわらず、かたづけられない、ということですね。すると、少なくとも言
える事として、他人の目線とkirinさんの感じ方に差はあるのかもしれません。
もしかしたら、他人にとってみてはkirinさんが「かたづけ上手のキレイ好き」
と写っているかもしれないのですから。

とは言うものの、大切なのは自分がどう感じるのかであり、他人の観点ではない
と思います。ただ多くの他人が言う共通の意見は一般論として真実を含んでいる
こともあるという事実を見過ごすのも不自然です。
まずは、徒労感があるとはいえ、最終的に片づけることができているということ
を、肯定的に捉えてみてください。

多分kirinさんにとっての一番の問題は、片づけられないことではなく、そうい
った状況になるたびに徒労感などのネガティブな感情を感じてしまうことではな
いでしょうか。結果的には部屋はかたづいているわけですから。

時間の流れを通して状況を想像すると、まず興味が飛び移るという時点では、な
にか不安や焦りのようなものを感じていらっしゃるのかもしれませんね。

多分ここには二つポイントがあって、一つは物事をやりきった実感がないこと、
そしてもう一つはご自覚されているか無意識かはわかりませんが、完璧にやるこ
とが念頭にあることが影響しているようです。
実際は、物事もちゃんとやってらっしゃると思うのですが。

意識的にできることとして、この時点では無理のない目標を決める習慣を付ける
ことは効果があると思います。

例えば「午前中は寝室を掃除する」などと決めると良いでしょう。これが「夕方
までに家事をする」といった漠然とした決め方だと、うまくできずに焦ってしま
うので注意してください。

次に起きている状況は、やることがぎりぎりになっているということですね。
間に合わなかったことは滅多にないということですから、kirinさんは間に合わ
せることに大切な価値を感じているわけです。そして時間がぎりぎりなのですか
ら、その状況でkirinが感じていらっしゃる感情は、時間通りに行うという大切
な価値を阻むような状況に対する「怖れ」です。

怖れを原動力にすると、瞬発力はあるんです。でも持久力はありません。だから
kirinさんは徒労感を感じていらっしゃるのだと思います。

かつてどこかで、怖い人、物、出来事などが理由で行動していた時期などがおあ
りではないでしょうか?そういった経験が怖れを原動力にするというパターンに
なった可能性があると思います。それを手放すことにより、kirinさんのぎりぎ
りまで片づけられない状況は収まっていくことでしょう。

きっかけを作るヒントは二つ。
書類や思い出の品は、過去の出来事や気持ちが形になったもの。特定の出来事に
限らず、「昔のことを思い出すこと」自体に苦手意識をお持ちではないでしょう
か?その克服は今回の問題の解決につながると思います。自分史を書いてみる、
などもいいと思います。

間に合わないことは滅多にないんですよね。ということは、kirinさんは心のど
こかで「できる!」ということに自信があるはずなんです。
自信があることを、どこかでカムフラージュしていませんか?

一人で取り組むのが難しいな、などと感じた時、うまくカウンセリングを活用し
てみてください。

ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己イメージの変革・男女関係・人生の目的 を探す、などの分野を得意とする。 心の力学をわかりやすく説明する理性的な側面と、多くの臨床経験を通して培った直感的な把握能力をもってするカウンセリングに定評がある。 長期的な支持を受けることも多く、長い目で見守るスタンスを重視している。