我慢しない関係を創るために(2)~我慢のルーツを見つめなおそう~

我慢しないかんけいを創るために、今回はそのルーツを探って見ましょう。

過去の関係性を振り返ることは勇気のいることですが、同時に発見もたくさん出てきます。

前回は「我慢してることに気付くこと」を趣旨としたお話をさせていただきました。
今回は自分がどんなシーンで我慢しているのか?そんな例を紹介したいと思います。
ここに挙げるのが全てではありませんが、日常の中にはこんなにたくさんの我慢があるんだ、ということを知っていただければ幸いです。

また、自分自身が知らないうちにしている我慢について振り返るきっかけになれば嬉しいです。

●我慢を覚えるルーツ

○親子関係での我慢

私達は小さい頃、我慢することばかりだったと思ってもいいでしょう。
欲しいと思ったものが10個あって、それが1つでも手に入ったとすれば、あなたの家はかなり裕福で、甘い家庭だったのではないでしょうか。
なんせ、子どもの欲求というのは大人から見れば理不尽なものが多いわけです。

お母さんが「晩ご飯、何が食べたい?」って聞いたら、子どもは「えーっと、えーっと、ハンバーグとカレーとスパゲティとオムライスとメロン!!」なんて平気で答えます。

仮にお母さんが「じゃあ、ハンバーグカレーね!」と言ってくれたとしても、スパゲティとオムライスとメロンは我慢することになります。
子どもにとっては「えーっ、じゃあ、スパゲティはー?」と不満の一つも言いたくなるかもしれません。

もちろん、こんなかわいらしい例ばかりではなく、様々な角度から私達は我慢することを覚えてきました。
もちろん「躾(しつけ)」として我慢させることは親心としては必要でしょう。
親から見れば子どもからの要求というのは無理なことが多く、心を痛めつつ、我慢させてしまうことだってあります。
大人になれば理解できるそうした気持ちも子ども心にはなかなか理解できませんね。
「欲しいと思ってはいけないんだ・・・」と欲求を全て押さえ込んでしまうケースもあるでしょう。
あなたがもし「我慢しなさい!」の一言で押さえられた経験が多いとしたら、それだけで我慢する癖をつけてしまっているかもしれません。

◎そこで、あなたの幼少時代のご両親との関係を思い返して見ましょう。
もし、今あなたのご両親や兄弟と良好な関係を築かれているのならば、
思い切って小さい頃の自分の様子を聞いてみてもいいでしょう。

きっと今の自分に繋がる何かが見つかることと思います。

○兄弟姉妹間の比較・競争

兄弟がいると「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」とか「お姉ちゃんは大きいからいいの。あんたはまだ小さいんだから我慢しなさい」とか、やはり躾かもしれませんが、我慢してしまう(させられてしまう)ことも少なくないでしょう。

もちろん、我慢することは、ある程度必要なことですが、あまりに我慢する癖がつきすぎると問題です。
すなわち、もしあなたが小さい頃、「お兄ちゃんなんだから・・・」などの理由で我慢してきたとすれば、今の生活に何らかの影響を与えていると思ってみてもいいでしょう。
例えば「大人なんだから、これくらいのことで怒ってはいけない」なんて強く思っていたり。

そんな兄弟との関係から今の対人関係やパートナーシップに与えた影響を見つめなおしてみてください。

○コンプレックス

思春期になると性的な成長を始め、特に肉体的なコンプレックスを感じやすくなります。
そうするとそれまでは快活にしていた自分が、急に恥ずかしさを感じて周りの目を気にするようになって、自分を隠してしまうようになります。
これも我慢の一種で、「本当は元気に走り回りたいんだけど・・・こんな私がそんなことしたら皆の注目浴びてしまう・・・」などという感覚が動いてるわけです。

特に体型や顔かたちなど目に見える部分でコンプレックスを感じると、激しい自己嫌悪を作りますので、自分を押さえて隠すようになり、特に男女関係に自信が持てなくなっていきます。

◎あなたが思春期(中高生時代)に、どんな過ごし方をしてきたのか?
改めて振り返ってみましょう。

特に小学生時代と中学以降で、周りへの接し方が大きく変わった方は要注意です。
案外それまでの無邪気な私が本当の自分で、思春期以降、自分らしさをすっかり失ってきたのかもしれません。

○同級生や先輩・後輩との接し方

学校というのは社会生活を学ぶ場でもありますから、学校での人間関係はそのまま大人になった時の社会との関わり方に結びつく場合も多くあります。
特にいじめられた経験がなくても、周りの人に気を使ったり、人間関係に敏感になったりすると、やはり自分自身を押さえて表現しないようになります。
そこでは色んな気持ちを我慢するようになるんですね。
面白いギャグを思いついても「すべったらどうしよう・・・」と控えてしまうような感じです。

また先輩後輩の関係が厳しいクラブ活動などを経てくると、目上の人に意見を言えなくなり、それが高じて「自立」の人(上司もそうですが、彼氏・彼女などでも出てきます)に対しても我慢することが多くなります。

「自分よりもついつい周りの人を優先してしまう」要因になってしまったりします。

こうした観点から自分を見つめなおしてみると、今の対人関係への影響を見て取れると思います。

○失恋などのハートブレイク

大好きだった人に振られたり、自ら関係を断ってしまった経験は、心に大きな痛みを遺します。
振った方、振られた方、両者に抱える痛みがあるわけですが、自分なりに「どうしてこうなってしまったんだろう?」って理由を考えます。

でも、そこで出てくる結論というのは、たいていは自分自身を責めるものであることが多いんですね。
仮に相手がすごく悪い男だったとしても、「あんな最低な男を選んだあたしって・・・」と自分を責める方向に向かったりします。

そうして自分を責めるようになると、次はそんな痛みを背負わなくて済むように自分を押し殺すようになっていきます。
例えば「わがままを言い過ぎて彼に嫌われた」と失恋を解釈したら、次の恋愛では「言いたいことを我慢する癖」を身に付けやすくなります。

◎失恋の経験は痛手が大きいほど何度も何度も考えるものですが、改めて、
過去のハートブレイクを見つめなおして、それ以降、自分が我慢するように
なったことを探して見てください。

○主導権争いの敗者

大人になると少なからず両者が自立していますから、どちらが関係性の主導権を握るかの主導権争い(パワーストラグル)が生まれます。
その結果、勝った方が自立側として主導権を握り、負けた方は依存に落ちてネガティブな感情を感じまくることになります。

依存側は一般に弱いとされるので、相手に頭が上がらなくなり、言いたいことも、したいことも我慢せざるを得なくなります。

これは親子関係もそうですが、依存側は特に我慢することばかりで、常に不安や怖れを抱きます。

◎ここではあなたが依存側にいた関係(今がそうなら、今の関係も含めて)を
見つめなおしてみましょう。
あなたは何を感じ、何を我慢してきたのでしょう?

●パートナーシップを見つめてみる

今回は過去の自分自身を振り返り、どんな関係性の中で、どんな我慢をしてきたのかを振り返っていただきました。
そんな風に私達は様々な局面で自分の感情を押さえています。

たとえ相手との関係をうまくしようと思う気遣いであったとしても、過剰な我慢はお互いの関係をかえって悪化させてしまうものです。
そして、自分が我慢していると「私ばかり!」となってしまい、相手の状況が見えなくなってしまうわけです。

さて、最後に具体的にあなたのパートナーシップを見つめましょう。

(1)あなたが今の関係性(パートナーがいらっしゃる方にはパートナー)に対して、我慢していることを探してみてください。

(2)(1)が出来たら、その数と同じだけ、パートナーが自分に対して我慢しているだろうことを想像して書き出してみましょう。(1)で25個見つかったら、ここでも25個探してみることです。

こうした自分自身を見つめた上で、いよいよ次回は関係性に着目していきましょう。

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