出口のない

相談者名
むつき
ひと恋しくて、出口がなくて、毎日ネットをみててこちらを発見しました。
おじゃまします。
カウンセラーさんのコラムなど読ませてもらってすごくじーんとしました。
同時にすごいなと・・思いました。
わたしは少しの失敗で動けなくなるのに、前に進もうとする推進力のようなものがどの方の文章からも伝わってきて、しかもすこぶるやさしくて(カウンセラーさんですもんね・・)わたしは今動けないかんじなので、そのことについて書かれてる文をたくさん読ませてもらいました(検索システムすごくいいですね!)「動けない自分を責めてる」というお話は心あたりがありました。
冷静に考えたら、心理的にそういうことになってるならそのまま受け入れればいいだけのことだと思うのですが、なんか自動思考のように責めてるんですよね・・。
何でなんだろう?と思います。
でも同時にこれくらい落ち込むくらいじゃないとダメじゃないかっていう思いもあります。
それくらいじゃないと自分は軽卒な行動ばかりするからって。
なんであんな軽卒でバカば行動繰り返してたのか自分ながら信じられません。
あんな日々をまた重ねるくらいなら一生の三分の一くらい費やしても、心が落ち着くまで何もしないでじっとしていたいって思いました。
でも進めって急き立てる自分もやっぱりいるみたいで・・。
これからゆったりと穏やかに生きて生けるように環境と考え方などを整えて行きたいと思っているんですが・・・。
とりとめのない考えばかり浮かんで自分の中に溜まるばかりだったので書かせていただいて少し整理できました。
ありがとうございました。
カウンセラー
大谷常緑
むつきさん、こんにちは。
HPやコラムをご覧頂き、ありがとうございます。

ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。

さて、動きたいのに動けない、また動けない自分を責めておられるとのこと、毎
日何となくイライラするような感じの日々を送られているのではないでしょうか?
そんな毎日はとてもしんどいですね。こんな感情から抜け出したい、などとまた
焦りを感じることもおありかと思います。
“冷静に考えたら、心理的にそういうことになってるならそのまま受け入れれば
いいだけのことだと思うのですが、なんか自動思考のように責めてるんですよね
・・。”とご相談にお書きいただいているように、自動的に色々な感情が上がっ
てきてしまうのが自然で、とても厄介ですね。
人間の意識は、頭で考えてわかる顕在意識と、頭で考えてもわからない無意識か
ら出来ています。顕在意識は、意識のうちの4~12%程度と言われていて、残
りが無意識となりますから、圧倒的に無意識の力が強く影響を与えているのです
ね。
むつきさんがおっしゃっている自動思考のように責める気持ちは、実は、無意識
のなせる技で、癖のようなものなのです。おそらく、むつきさんはずっと昔から、
ご自分を責める癖をお持ちになっているのではないかと思います。
これは癖ですから、いいとか悪いとかではなくて、例えば、右利き、左利きの様
なものなのです。
むつきさんが長年慣れ親しんできたこの癖が、今はがまんできないぐらいとても
辛くなってきていて、これを止めたい、と思っておられるわけですよね。しかし、
右利きの人が急に左利きに変われないように、すぐにこの癖をパッと止められる
訳ではありません。
しかし、徐々にですがこの癖を止める事ができます。
その秘訣は、2つあって、先ず一つは焦らないことなのですね。そして、もう一
つはこの癖を手放すと決意する事です。
先ず最初の「焦らないこと」についてですが、焦ることは自己攻撃につながりま
す。未だ出来てないとか、もたもたしているとか、あるいは人より劣っていると
か、人によって様々な感情を伴いますが、ネガティブなエネルギーで自分を責め
る行為なのですね。元々、自分を責めることを止めたいのに、焦れば焦るほど自
分をまた責めてしまうことになってしまうのです。ですから、どこかで深刻にな
らずに「また癖が出た。まぁ、いっか」という自分への許可を与えることがとて
も大切なのですね。
次に、「癖を手放す」についてですが、ここで「癖を止める」のではなく、「癖
を手放す」との表現をした事には意味があります。
「止める」というのは、どちらかというと、力で切り離したり、抑え込んだりす
るイメージがあると思います。感情を抑え込んだり、切り離したりした場合、一
時的にはあたかもうまく止められたようになる場合もありますが、その根が残っ
て心の奥底で沸々としています。やがてまたその根が成長してきてどうにも抑え
られなく場合があるのですね。
一方「手放す」には柔らかい、自由なイメージがあります。感情は、とてもデリ
ケートで、例えてみれば、赤ちゃんのようなものです。赤ちゃんを扱うときに、
力で抑え込んでも赤ちゃんはこちらの思い通りにはなりませんよね。却って逆効
果になることすらあります。感情は、赤ちゃんを扱うように優しく扱ってあげる
事で初めて解き放たれるのですね。だから、「手放す」というたおやかな感じな
のです。
さて、「癖を手放す決意」がなぜ必要かというと、むつみさんが意識しておられ
るかどうかは別として(おそらく、意識されていない、真相の心理の中に埋もれ
ているのではないかと思いますが)心のどこかで「癖を手放すのが嫌」という気
持ちが強く働いているからです。先ほども書きましたが、人間の顕在意識よりも
無意識の力が圧倒的に強い訳ですから、顕在意識の中にこの決意を置いておく事
で、初めて前に進むことができるのです。

ところで、ご相談からは、「動くと軽率になってしまう私」を感じておられるよ
うに読めましたが、過去に結果的に軽率と思われる行動で失敗したと感じておら
れるのだとすれば、それは、むつきさんが満たされていない欲求(ニーズ)を満
足させたい強い思いが支配的になったからではないかと思います。ニーズがある
こと自体は決して悪いことではありませんが、ニーズが行動を支配的にしてしま
うと、問題を生じる事がよくあります。このニーズが一体どんなものなのか、そ
してそれが満たされていないと感じる事が真実なのか、むつきさん自身で「私は
どうしてこう感じるのだろう?」と自問自答を繰り返されるのも問題解決の一つ
の方法かと思います。しかし、お一人でここを進むのは難しい面もありますので、
これをチャンスと捉えて、カウンセラーの電話カウンセリングをお受けになるこ
とをお薦めします。
きっと、出口が見つかると思います。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。