「好き」を表現する

こんにちは。
社長の平です。

私たち日本人は、自分の感情を表現することがたいへん苦手で、かつ、 表現したとしても、その表現方法がまわりからはわかりにくいという困った国民性をもっています。

たとえば、ふつうに考えれば、大好きだと表現するには、べつに難しく考えず、「大好きだ」と言えばいいだけの話でしょう。

ところが、とくに恋愛感情をもつ相手に対しては、「好きだ」という気持ちを隠し、それどころか、まるで嫌いであるかのようなそぶりをしてしまうことはよくありますよね。

自分の好意をあまりに見せないようにした挙げ句、「あなた、彼のことが嫌いなの?」と身近な人に言われてしまったなどという人も意外と多いのではないでしょうか。

ところで、コンパなどで出会って、メール交換をした人から、後日、「もし、よかったら‥‥」という謙虚なお誘いメールが届くことがありますよね。

こんなときは、ぜひとも、大げさなぐらいに喜びの感情表現を入れた返信をしてあげてください。もちろん、あなたが気に入った相手だったら、というのが前提ですが。

じつは、「もし、よかったら‥‥」とか、「たまたま、きみの近所に行く用事があるので‥‥」というような遠慮深いメールを書くとき、その人の心理には、あなたへの好意をうまく薄めて表現して、バレないようにしなくちゃという思いが隠されていることが多いのです。

あなたにしても、コンパなどで出会って、とてもタイプだと思う人を誘うときは、遠慮がちなメールを書いたりしませんか?

このような遠慮がちなメールを送る人に共通の特徴は、相手がちょっとでも忙しそうであったり、ちょっとでも嫌われているようなニュアンスを感じたりすると、すぐに撤退してしまうところなのです。

好きな人に傷つけられるのはいやなので、相手の様子をうかがって、なにかを感じとると、傷つく前に去ってしまうことが多いのです。

だからこそ、あなたにとって大事だと思う相手からの遠慮深いメールには、大げさなぐらいに反応してあげてもらいたいわけです。

あなたの好意が確認できれば、彼のメールも徐々に本心や感情が見えてくるものに変わっていきます。これは、男女を問わず、弱気なタイプの人に共通の特徴なので、あなたのほうから思いきり好意を表現してあげ
ないと、二人の関係はなかなか前には進みません。

また、よくあるのが、ほんとうは彼をデートに誘いたいのだけど、彼はきっと仕事で忙しいだろうと遠慮してしまうケースです。

こんなときは、「最近、お仕事はどうですか。やっぱり、忙しいんでしょ」などと、デートのデの字もないようなメールを送ってしまいがちです。彼も彼で、たしかに仕事は忙しいので、「そうですね。けっこう残業続きで、イヤになっちゃいます」などという返事を書いたりします。

すると、この返事を読んだ弱気なあなたは、「とてもじゃないけど、デートになんか誘えない」とあきらめてしまうでしょう。じつは、彼は「こんなに忙しくて、仕事ばかりでうんざり。素敵なきみとデートして、気分を発散させたいなぁ」と思っているかもしれないのですが‥‥。

双方のコミュニケーション不足により、ほんとうの気持ちが伝わらないのですね。

このように、間接的な表現ばかり使い、けっして本音を伝えないがために、ほんとうはおたがいに好意をもっていたにもかかわらず、うまくいかない恋愛というのが日本人の間にはとても多いのです。

私はそういう人たちには、必ずこういうアドバイスをします。
「人を好きになることは、悪いことでもなんでもないんですよ。あなたがもし、異性から“あなたは素敵ですね”と言われたとしたら、それがあなたのタイプではない人だったとしても、悪い気はしないでしょう?」

「おつきあいに発展するかどうかはさておき、“あなたはとても魅力的で、私の好きなタイプです”ということを伝えるのにはまったく問題ありません。逆に、それをしないことには、まったくなにも始まりませんよ」
これを理解していただいてもなお、恥ずかしいがために、なかなかそれができない人が多いのが実情なのですが。

このタイプの人々の多くは、男女関係だけでなく、好きな食べ物や行きたい場所、いま、いちばん欲しいものをはじめ、「自分の好きなものへの気持ちが明確に表現できない」というパターンをもつことが多いようです。

逆説的に言えば、あなたが好きな食べ物や行きたい場所、欲しいものをはっきり口に出して言えるようになればなるほど、大好きな人に「好き」という勇気も湧いてくるといえそうです。

まずは、好きなものを「好き」という練習をすることが、恋愛上達へのカギになるかもしれませんね。

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。