前回のコラム「バレンタインの思い出」にたくさんの反響をいただきました。
ありがとうございます。
 カウンセラーの中でも受けが良く、「ホワイトデーも書かない?」といわれて書くことになりました。
 しかし、もともともらったことがあまりない私です。
 ホワイトデーのネタがあるわけがありません。
 ですので、もう一つバレンタインのネタでいきます。
 これは震災の年の2月のバレンタインのことでした。
 当時付き合っていた彼女がバレンタインをくれるといってきたんです。
 しかし、震災の直後でしたので、無理はしないようにいったのですが、彼女は
 「だからこそバレンタインあげる意味があるんじゃないの!」
 とかなり意気込んでいました。
 そしてバレンタインの日。
 彼女からバレンタインを受け取りました。
 ところが、彼女がうかない顔をしているんですよ。
 普通だったら心配になるじゃないですか。
 で、きいてみたんですね。
 「どしたの?失敗でもしたの?」
 「いや、そんなわけじゃ、ないんだけどね・・・。」
 何か言いにくそうな表情が、不安をかき立てます。
 とりあえず、あけてみました。
 そしたら、中にはチーズスティックが入っていました。
 でも、見た目は普通です。
 そしたら、彼女が言います。
 「本に書いてある通りに作ったんだけどね。なんでかね〜?」
 「何?」
 「24本作れるはずが、12本しかできなかったのよ。」
 「あの、それって、材料が途中で無駄になったとか・・・。」
 「ない!」
 「消耗したとか・・・。」
 「それもない!」
 まさか、まさか・・・。
 恐る恐る口に入れてみます。
 そして、食べてみた私の第一声は、
 「あの、これ、カ○リーメイト?」
 でした。
 「あ、やっぱり濃い?」
 濃いなんてもんじゃありません!
 はっきり言って2本食べる気にならないくらい、とてつもなく「重い」味です。
 「あの、もしかして、思いっきり、こねた?」
 そしたら彼女が身を乗り出していってきます。
 「だって、本に書いてある通りに作ったんだよ!
 体重を乗せて、しっかりこねましょうって。
 もしかしたら腰も入っていたかもしれないけど・・・。
 机もみしみしいってたし、20分くらいやったし・・・。」
 私はあぜんとなりました。
 なぜなら、彼女は普通の人とちょっと違い、背筋と胸筋が以上に強いんですよ。
 彼女はその昔、柔道をしていたし、陸上部で男子用の砲丸を投げていたし、高校の時は弓道部でがんがん弓を引いていて、私の友人が彼女を見て、「剛腕ね〜ちゃん」とあだ名を付けたくらいですから、はっきり言って「鉄の胸筋」といってもおかしくありません!
 私は言いました。
 「あのね、本に書いてあることは、普通の女の人用に書いてあることで、君が同じことしたら圧縮されるに決まってるやないかい!」
 「だって〜〜。」
 あとで父親に食べさせたら、1本も食べることができませんでした。
 まさに「おそるべし」カロリーメイ・・・もとい、チーズスティック!
 いやあ、自覚がないって怖いですね。
 彼女は自分が相当力持ちであることに全く自覚がありませんでした。
 悪気があったわけではないので、もちろん怒ったりはしませんでしたけど、さすがに震災直後でしたので「非常食?」とまで思いましたね。
 皆さんの中でも、自分が普段していることに自覚がない場合、相手に驚かれたり引かれたりすることはありませんか?
 これは、自分の価値や評価を正しくしていないからこんなことがおきるんですよ。
 皆さんも、しっかりと自分というものの自覚を持ちましょうね。
 自分を過小評価してしまうと、こんな面白くてわけのわからないトラブルが起きるかもしれませんからね。
 ちなみに、この彼女は、現在の私の妻です。