認めることができない欠点との付き合い方

相談者名
きび
 いつも心理学講座を読んで勉強させていただいております。
4年前に抑うつ状態に陥りましたが、休職と部署異動の指示を経て現在も同じ会社で働いてます。その時に、広汎性発達障害・特発性過眠症など自身が持つハンデを知ることが出来ました。
さて今回相談したい事は、過去の抑うつの件でなく、今を生きる為に自身の欠点をどう受け止めるべきかという事です。
現在の部署は、割込業務が非常に多く、期限内に終われない事が多々あります。ところが、特発性過眠症の為、毎日少なくとも2時間、体調が悪い時は6時間居眠りしてしまいます。さらに、睡眠発作中は起こされても3分以内に再び眠ってしまいます。場所も状況も関係なく運転中や電話で会話中でも眠ってしまいます。そのため、業務がズルズル遅れ、計画通り終わる見通しも立たないので予定を書けず、先行きが見えない恐怖が先走り、計画を約束できない状態になります。
心理学講座では、己の欠点をと受け入れる事が大事だとよく書いてあります。確かにハンデを知り自身で納得し、「欠点を責め立て過ぎてはいけない」と思えるようになりました。しかし、社会一般から見て、居眠りが許されるかと言えば答えは明らかにNOです。計画が立てられない事も同じくNOです。認めるべき部分が社会的に明らかにNOである場合は一体どの様にその欠点とお付き合いするといいのでしょうか。
復職した頃は、障害についてもある程度理解があったので、欠点も業務の遅れも強くは言われなかったです。しかし、ここ1年は障害についても忘れられ、誤解と精神・根性論で片付けられる事がほとんどです。(気持ちが無いから平気で寝る・平気で遅れる)広汎性発達障害もうつ・甘えと勘違いされ、「だから何?人間最後は気持ちだ。気持ちさえあれば何とでもなる」で片付けられます。精神論を否定する気はないですが、無理なものは無理と言える雰囲気が全く無い状態は正直辛いです。
更に最近では、業務の遅れについても厳しく問われ、1時間単位で何をして何分何%業務が遅れたか毎日報告しなければなりません。勤続年数と業績・勤務態度の悪さ(居眠り)を考えても仕方ないとは思うのですが、だんだん4年前の環境に戻っている感じが歪めません。今は、長くても2週間で「このまま進んだら4年前の繰り返しだ」と歯止めがかりますが、この先が非常に不安です。
カウンセラー
中原謙一
きびさん、始めまして
私は中原謙一と申します。
よろしくお願いいたします。

読ませていただいて私が感じたことなのですが、まだその職場はきびさんの病状について、まったく理解されていない感じがあります。
きびさんの中で、以前休職や部署移動などで自分の病気に対して、会社が配慮してくれたと思っているのかもしれませんが、おそらくそれは「うつ」に対する対処のみで、きびさんの実際の病気に関してはまったく理解されていないか、誤解されたままの状態で今日まで来ている感じがあります。
もし会社がきびさんの病気について深い理解があるのであれば、まず今の職場には回さないでしょう。

そもそもきびさんがうつ状態に陥った原因は、人と自分を比べてできていない自分に腹が立ち、自分を追い込んで人並みにできるように自分自身を厳しく扱った結果だと私は感じています。
今回の件で4年前に戻ってしまうのではないか、という懸念もおっしゃるとおりだと感じます。
4年前は自分で追い込んだ可能性がありますが、今回は環境がきびさんを追い込んでいますからね。

本来、きびさんがすべきことは、一般社会に溶け込もうとすることではなく、一般社会に「みんなにとっての当たり前ができない人がいる」ことを啓蒙することかもしれません。

上司に対しては、正直何を言っても無駄でしょう。
このタイプの方は自分以上に権威、権力のある人から言われないと動きませんから、上司に理解を求めるのであれば、社長や部長など、より権威のある人にまず理解してもらって、トップダウンの形で理解を求めていくことでしょうね。

さて、ここからが本題ですが、きびさんの根本的な問題は、「当たり前」に関する意識なんですよね。
今上司がきびさんに対してしていることは、以前きびさんが自分自身にしてきたこととたぶん同じなんでしょうね。

気付いてくださいね、あれくらい、自分に厳しかったんですよ。

「ああ、自分は昔こんな封に自分を追い込んでいたのか」

と、昔の自分を省みるいいチャンスでもありますよね。

その厳しさの元は「できて当たり前」という観念から来ています。
しかし、今のきびさんには理解できますよね。
「社会にとっての当たり前が、自分にとっても当たり前とは限らない。」
この逆も同じで「自分にとっての当たり前が、みんなにとっての当たり前とは限らない」ということです。
上司はここがまったく理解できないわけです。

きびさんが社会とうまく付き合っていこうとお考えであれば、この「当たり前でない」ことをひとりでも多くの方に理解してもらうことです。

そして、きびさんの中ではまだ「当たり前」になっている部分があります。
もしきびさんが「当たり前でない」と感じられるようになったのであれば、「欠点を責める」ことは意識しなくてもやらなくなります。

できないことはどれだけがんばってもできない。
たとえほとんどの人ができたとしても、できないものはできない。

これこそが当たり前です。
自分が自転車に乗れるからといって、すべての人が自転車に乗れるとは限らないわけですよね。
自分を含むほとんどの人が読み書きができるからといって、すべての人が読み書きができるとは限らないんですよ。
できないことはできないとはっきり答える。そして、病気について正しく理解してもらう。
これが一番必要なことですね。

まずはきびさん自身が「当たり前ではない」ことをしっかりと受け入れることです。
そのうえで、周りの人に、できれば理解してくれそうな人から、少しずつでも、この「当たり前ではない」ことを理解してもらうことが、時間はかかりますが、みんなが傷つかないやさしいやり方といえるかもしれませんね。

ひとりでも多く理解者を増やすこと。
それがきびさんが社会と上手に関係を築いていくポイントでしょうね。

あと、きびさんと同じようなことで悩まれている方は社会にはたくさんいます。
そういった方たちが団体やコミュニティーを作っていることもありますので、きびさんも1人で抱え込まずに、協力者を探すことも忘れないでくださいね。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

きびさんの人生に幸多からんことを、心よりお祈り申し上げます。

ありがとうございました。

中原謙一

この記事を書いたカウンセラー

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