●今できること、今できないこと

僕がいつも考えていることです。
カウンセリングのときも、日常生活の中でも。
特に何かしんどい状況にあって自分を失いそうになるときには、意識的にこのことを考えます。
そうすると地に足が付くような感じで心が落ち着いたりします。
カウンセリングを受けに来られる方の中には本当に深刻で、一刻の猶予を争うようなケースもありますし、息を長くじっくり、慎重に進めて行きたいケースも、色々あります。
でも、カウンセラーになった当初は何がなんてもこの限られた時間に何とかせなあかん、と気合いばかりが先走ってた時期もありました。
そう思ってるときって、こちらも焦ってしまうばかりで結果的に何も出来なくて、後から「なんでやろー・・・」って悩んでしまうこともありました。
あるとき、このタイトルの気付きに至りました。
「今できることしかできひんねや・・・」と。
あまりに当たり前のことですが、得てして気付きってそんなものではありませんか?
他にも「自信って自分を信じるってことなんや」って気付いたときもそうでした。
「案外、物事ってシンプルに出来ているんだなあ」「先人の知恵って素晴らしいなあ」と、シンプルゆえに思わず感動してしまうものです。
この「今できること」っていうのは、クライアントさんにとって「今できることってなんだろう?」って考えることでもありますし、僕がクライアントさんに「今してあげられることってなんだろう?」ということでもあります。
例えば「主人が浮気をしていて・・・」というご相談。
これには本当に色んなケースがありますが、多くの場合、奥様がより魅力的な「女性」になることが求められています。
そして、その魅力でもう一度ご主人を惚れさせることが目標になることが一番多いんですね。
でも「魅力的になろう」といったところで、すぐに魅力的になれるものでもありません。
でも、魅力的にならなきゃ旦那は戻ってこない、と思えば自然と焦ります。
そして、焦って頑張ろうとすると最初の1週間はいいんだけど、1ヶ月も経てば大抵は疲れてしまいます。
で、ついついその疲れた顔をご主人に見られてしまい「お前、何も変わってないやんけ」と一蹴されて、再び絶望の淵に追い詰められてしまうわけです。
人は自分が良かれと思ったものを選択して年輪を積み重ねていますから、その流れを変えようと思えばそれ相応の覚悟と根気が必要です。
僕が「これではあかん、変えなきゃ!」と思って意識的に自分を変えたことが大きなもので3回ほどあるのですが、最短でも3,4ヶ月かかりました(僕が知ってる方の中にはもっと早くやってしまう方もたくさんいらっしゃいますが・・・)。そして、そんな自分が定着して自然になるには1年くらいの年月が結果的には必要でした(「自然」になる、というのは、昔の自分を振り返ってみて、懐かしく思うときです)。これは執着を手放したり、欲しいものを手に入れるまでの期間も思い返せば同じくらいかかりました。
でも、これを読んでる皆さん。「そ、、、そんなにかかるのか・・・」と絶望しないでくださいね。執着を手放すことも含めて、自分を変えようと頑張ってるときは日々いろんな変化があります。
上がったり、下がったりしながら、徐々に良くなっていきます。
例えば1週間経った後でも1週間前の自分とはちょっと違うなあ、なんて気付けたりしますし、ほんの一日で前よりもよくなったなあ、楽になったなあ、と感じることもできます。
体系化することの好きな僕は、これを4つの段階に分けています。
第一段階は「勢いのステージ」。「変わろう!」と思って、自分を変えることに一生懸命取り組む時期です。
このときの勢いや思いは後々とても影響しますが、この時期にはやる気がみなぎっているので少々の苦労も厭いませんし、気合によってはめちゃくちゃ頑張る事が出来ます。
第二段階は「見せ掛けの変化期」。第一段階で頑張った成果が少しずつ出てきます。
例えば、先の浮気問題では、旦那がこちらを振り向いてくれたり、頑張っている姿を認めてくれたりします。
執着なら「あ、手放せたかな?」って感じることでもあります。
また、しばらく会わなかったちょっと存在の遠い友人に「変わったね」って言われたりもします。
ここでは主に表面的な部分(態度、言動、考え方)が変わっただけで、内面的にはまだまだ古い自分が残っているところでもありますが、ついついいい気になってしまうこともしばし(僕はたいていここで騙されていい気になって、後でひどい目に会いました)。
今度はこの状態をうまく自分の中に取り込んでいくことが大切で、安心したりするとすぐに前の自分に戻ってしまいますから用心が必要なところです。
第三段階は「忍耐期」。ここが一番辛いところ。表面的・外面的には変化したものの、内面の変化がまだついてきていないために現実と感覚のギャップに悩まされたり、昔の自分と変化した新しい自分が葛藤をもたらしたりします。
例えば、自分ではもう手放せたと思っていた過去の恋人のことが急に懐かしくなったり、一度はこちらを振り向いてくれた旦那が再び浮気相手の元に走ったり、あるいは旦那は戻ってきたけど、今度はこちらが浮気したくなってしまったり、中には激しいハートブレークを伴うこともあります。
ここで、諦めてしまうと無気力になってしまい「もうええわ・・・」と変化そのものを投げ捨てたくもなりますし、カウンセラーに対して「お前、ええ加減なことを言いよったなー」と言いたくなる時期でもあります・・・。(これは僕も僕の先生に言いたかったし、逆にクライアントさんから言われたりもしました(苦笑))
僕たちは変化することってすごく恐いことなので、この状態は自分の心が最後の抵抗、断末魔の雄叫びを上げているようなものと思ってもいいでしょう。ここはじっくりと忍耐強く、変化することを選択し続けることが求められます。
逆に言えば「本気で変わりたいのか?」という問いが次から次へと投げかけられるような時期でもあります。
第四段階が「定着期」。忍耐を抜けると徐々に今までの頑張りが報われる時期が来ます。
例えば、身近な人に「お前変わったなあ」と言われたり、旦那が本当に戻ってきたり、執着が手放せて新しい素敵な人と巡り合えたり、そんな時期です。
問題によっては「奇跡だ!」と感じる場合だってあるでしょう。
これはここまで頑張ってきて、変化することを選択し続けた結果、内面的にも外面的にも変化が定着し始めた事を示しています。
そんな各プロセスのその時々で「できること」もあれば、「できないこと」もあります。
魅力的になろうとするのも、自分の今の価値を受け入れることは「今できること」。
でも、新しい魅力を身に付けるのは「今はまだできないこと」になります。
でも、「今すぐに」手に入らないだけですから、『それを手に入れよう!』と目標にしてみることは「今できること」になります。
でも、「できない・・・。じゃあ、ダメだ」と思ってしまったとしたら、そこで終わってしまいます。
自分にも周りにも何も変化は起こりませんし、問題もまだ存在しつづけます。
「できないこと」を受け入れること、認めることってけっこう大変ですよね。
自分の限界を感じて惨めになったり、情けなくなったり。
あるいはプライドが邪魔して強がってしまって無理しつづけてみたり。
でも、何もできないと思っても、案外探してみれば今できることはたくさんあるものです。
助けたい人がいる。でも、自分にはそんな力はない・・・。
じゃあ、その人を見捨ててしまうしか仕方ないのでしょうか?
いいえ。
その人のために祈ってあげることはできるんじゃないでしょうか。
その力のある誰かに助けを求めることもできるでしょう。
そして、そのできることにベストを尽くしていたとしたら、やがてはそれが自信となり、成長となっていくものです。
今できることにベストを尽くし、今できないことは目標にする。
そうすれば、自分を責める必要もなくなります。
責めるよりももっと大切なことがそこに見つかるから。
これはとってもシンプルな方法で、楽に、簡単に自分を成長させてくれるものだと思っています。
なかなかすぐには上手く出来ないかもしれませんが、それも当たり前。
地に足を付けた毎日がやってきますよ。
ぜひ、お試しあれ。
根本裕幸

この記事を書いたカウンセラー

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