こんにちは。
心理カウンセラーのおだにひろみです。
「SNSを見ているだけなのに、なぜか肩がこる」
「閉じたあと、理由はわからないけれど、どっと疲れている」
そんな声を、耳にすることがあります。
「自分が弱いのかな」と思ってしまうこともあるかもしれません。
でも、SNSで心がざわつくのは、それだけ人の投稿や雰囲気にちゃんと反応しているからです。
「デジタルデトックス」という言葉を、聞いたことがあるでしょうか。
今回は「スマホをやめる」「SNSを断つ」という話ではありません。
「今の自分にとって、ちょうどいい距離感を選ぶ」という視点から、SNSとのつきあい方を考えてみたいと思います。
◆なぜ、見ているだけで疲れるのか
SNSをながめていて心が落ち着かない、見終わったあとにため息が出る。
そんな感覚に心当たりはありませんか。
(私は、あります!)
誰かの幸せそうな投稿。
がんばっている報告。
キラキラした言葉たち。
それを見て「いいね」を押しながら、なぜか自分だけが取り残されたような気持ちになる。
でもそれは、あなたの心が弱いからでも、SNSに向いていないからでもありません。
SNSはとても便利です。
けれど同時に、誰かの何気ない日常や、うまくいった報告、小さな悩みまでが、無意識のうちに次々と流れ込んできます。
画面の向こうには、それぞれの暮らし方や価値観、さまざまな人生があります。
私たちの脳は、それらを単なる情報としてではなく、どこか人間関係の一部のように受け取ってしまうことがあります。
いつの間にか、比べたり、善し悪しをつけたり、自分の価値まで重ねてしまうこともあるのです。
「私はこれでいいのかな」
「もっとがんばらなきゃいけないのかな」
「みんな楽しそうなのに、私は…」
そんな小さな緊張が、じわじわと心の中にたまっていきます。
実際には何も起きていなくても、心はずっと対人関係の中にいるような状態。
それなら、疲れてしまうのも自然なことです。
◆つながれる人ほど、疲れやすい
人の心は、そんなにたくさんの「誰か」と、同時につながり続けられるようにはできていません。
現実の世界なら、「今日は会わない人」「今日は聞かなくていい話」と、距離を取ることができます。
けれどSNSには、その「間」がほとんどありません。
人とつながりたい。
誰かにわかってほしい。
それは、とても健全な欲求です。
「つながりたい気持ち」そのものが、あなたを疲れさせているわけではありません。
ただ、常につながり続ける状態では、心の回復が追いつかなくなることもあります。
つながる力がある人ほど、疲れやすいのかもしれません。
やさしい人ほど、ちゃんと受け取ろうとしてしまいますから。
比べようとしているわけじゃないのに、なぜか比べてしまう。
気づくと、自分が足りなく見える。
他人と比べてしまうのは、自分の立ち位置を確認しようとする自然な反応です。
問題は「比較」そのものではなく、それが終わりなく続いてしまう環境のほうかもしれません。
心には、反応しなくていい静かな時間も必要です。
◆私自身の変化
かつての私は、ほぼ毎日のようにSNSを使っていました。
専業主婦で、子育て真っ最中。
転勤族だった私は、SNSに何度も助けられてきました。
画面を開けば(当時はパソコンでした)、知っている誰かがいてくれて、ほっと安心できたのです。
あのころの私には、確かに必要な場所でした。
けれど、子どもたちが成長し、自分の時間が少しずつ増えていく中で、感覚が変わりはじめました。
楽しかったはずなのに、どこか少し気を張っている。
誰かの整えられた投稿を見ると、自分も整えなければいけない気がする。
そして、SNSにアップするために写真を撮り、大切な人との時間を「誰かに見せる前提」で過ごしていることに、ちょっと寂しさを感じるようになりました。
(しかも、デジカメで撮ってからパソコンに取り込む手間ひま!)
「この瞬間を、ちゃんと味わいたい」。
その思いが、だんだん大きくなっていきました。
自然とSNSから距離を置くようになりました。
やめたわけではなく、「いつもそこにいなくてもいい」と思えることが増えたのです。
流れてくるものに、ただ反応するのではなく、見たいものを自分で選ぶ。
今の自分に合わないものは、あえて見ないようにする。
そうしてみると、人と会う時間も、空気を感じる瞬間も、好きなことに没頭するひとときも、前よりずっとていねいに味わえるようになりました。
もし、かつて楽しめていたものに、前ほど心が響かなくなったなら。
それは、あなたの「今」がちゃんと更新されているサインなのかもしれません。
◆今の自分に合う距離を選ぶ
SNSが悪いわけでも、離れることが正解なわけでもありません。
今の自分に合う距離は、そのときどきで変わっていくものです。
離れられない自分も、興味が薄れてきた自分も、どちらもまちがいではありません。
大切なのは、「今のあなたの心がどう感じているか」。
それを一番よく知っているのは、あなた自身です。
もしSNSがしんどいと感じたら、すぐに答えを出さなくても大丈夫。
自分にそっと聞いてみてください。
「今、見たい?それとも、休みたい?」
「これは心地いい?モヤモヤしていない?」
そうやって自分に問いかけることは、誰かを切り捨てることではなく、自分を大切にすることです。
SNSに疲れてしまうのは、それだけ人の気持ちを感じ取れる力があり、つながりを大切にできるあなただからです。
ときには、流れてくる情報から少し離れて、今の自分の感覚を確かめてみてください。
心は、ちゃんと休めば、ちゃんと回復します。
また必要なときに、必要な人と、つながっていけます。
絶え間ない情報から少し離れて、今の自分にとってちょうどいい距離を選んでみてください。
あなたの心のペースを、あなた自身が尊重してあげてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。