「本当はこうしたい」「もっと別のやり方があるのに」などと感じながらも、つい黙ってしまうことはありませんか?
「もっと自由に発言できたら楽しいのに」「もっと気楽に話し合えたら、良いアイデアが集まるのに」などと思っていませんか?
「意見を言いたくても躊躇してしまう」状況を「改善したい」と思っている方は少なくありません。
今回は「言いたいことを安心して言える職場」を作るために大切なのは「心理的安全性」のお話です。
●心理的安全性とは
心理的安全性とは、「ここでは安心して自分の意見や気持ちを伝えられる」と感じられるかどうかです。
もし、誰かが意見を言った時に、「そんなことはダメ」と否定されたり、「その程度のこと」と呆れられたり、意見を言ったことに対して叱責されたりといったことが続いたらどうでしょうか。
「何を言ってもどうせ否定されるなら、何も言わない方がいい」と思うのではないでしょうか。
逆に、「その意見、面白いね」「なるほど、そういう考えもできるね」「みんなで実現させたいね」といった反応が返ってきたらどうでしょうか。
「気がついたことを積極的に伝えていこう」「何かあれば、相談しよう」と思うのではないでしょうか。
安心して意見が言える、この安心感こそが「心理的安全性」です。
心理的安全性の高い職場では、自然と笑顔になり、生き生きと仕事に取り組めるようです。
●心理的安全性がある場を作る5つのヒント
では、どうすれば心理的安全性を高めていけるのでしょうか。
明日からでも実践できる、5つのヒントをお伝えします。
1)リーダーの「弱み」を自己開示
「完璧で強くなきゃいけない」と思うリーダーは、頼りになります。
しかし、いつも完璧だと、周りに「ミスしてはいけない」「自分では役に立たない」とプレッシャーを感じさせてしまうでしょう。
むしろ、「昔こんな失敗をした」「〇〇が苦手で、ちょっと教えて」「力を借りられないか」と、リーダーが完璧ではないを見せてくれると、周りの人は「完璧じゃなくてもいいんだ」「自分も相談していいかも」「自分が役に立てることがある」と感じやすいでしょう。
「弱みを見せたらつけ込まれる」と身構えたくなる人もいますが、むしろ弱みを見せる方が「人間味があって付き合いやすい」と思われるかもしれません。
2)聞く姿勢を大切に
誰かと話す時、相手が「ちゃんと聞いてくれている」と感じると安心するでしょう。
それには「聞く」姿勢が大切です。
例えば、興味を持って聞くと、
・相手の話の途中で、話を遮らない
・「あいづち」や「うなずき」で反応する
・「〜と思ったんですね」「〜と感じたんですね」と相手に寄り添う言葉をかける
といったことが自然にできるでしょう。
「聞いてもらえる」と思えると、安心して話せるので、本音や活発な意見が出やすいでしょう。
3)失敗をチームの団結に
人は誰でも失敗するものです。
もし、誰かが失敗した時に頭ごなしに叱ってしまうと、相手は萎縮して心を閉ざしてしまうでしょう。
「なぜ失敗してしまったんだろう?」「どうすれば、次はうまくいくかな?」と、みんなで一緒に考える姿勢が大切です。
失敗を「誰かのせい」と責めずに「みんなの学びのチャンス」と捉えることで、「新しいことに挑戦しても大丈夫」と勇気を持てるチームになるでしょう。
4)違いを尊重する
同じような意見ばかりだと、新しいアイデアは生まれません。
むしろ、いろいろな考えがあるからこそ、良いものが生まれるわけです。
たとえ自分の意見と違っても、「そういう考え方もあるのか」「面白い視点だね」と、まずは相手の意見を尊重していきましょう。
意見が違うことは、敵対することではありません。
「当然」「普通」を打ち破って、「意外」「発見」を得る機会です。
意見の違いを楽しめる余裕があると、ちょっとしたことも言い出しやすい雰囲気となるでしょう。
5)問いかけと承認をセットで
「どう思う?」「何かアイデアはある?」と問いかけられると、考えて発言するきっかけになります。
そして、出てきた意見やアイデアには、「よく言ってくれた」「なるほどと納得するよ」「その着眼点はいいね」「〇〇のことをよく考えられている」など、肯定的なフィードバックをしていきましょう。
相手の意見や、発言に至る考慮の姿勢、言い回しの工夫など、承認することは必ずあるはずです。
小さなことでも「素晴らしい」と伝えていくようにすると、「貢献しよう」という意欲を引き出せるでしょう。
●安心して発言できる職場に
「心理的安全性」のある職場は、誰か一人ががんばるのではなく、所属するみんなで作っていくものです。
「丁寧に聞いてみよう」「温かい言葉をかけてみよう」ちょっとした雰囲気作りで、安心感のある職場にしていってくださいね。