あなたは、人生で何度お引越しをしましたか?
2025年夏、東京面談ルームが代々木上原から代官山に引越しをしました。
東京面談ルームは、これまで泉岳寺、御殿山、代々木上原と移転してきて、今度は代官山への引越しです。
代々木上原の旧ルームは15年以上稼働していた場所で、私がカウンセラーになってからは初めての移転です。
◆時代の変化
引越しには、どんなイメージがあるでしょうか?
新天地への出発と思う人、以前の生活を手放して気分一新と思う人、あるいは夢破れての撤退を思い出す人もいるかもしれません。
私にとって今回の引越しは、「時代の変化」と思えるものでした。
コロナ禍でオンライン化が進み、ZOOMで面談カウンセリングが可能になったのは画期的なことでした。
こんなに急速に、誰もが瞬時に映像付きで話せるようになるなんて、思ってもみませんでした。
顔を合わせて話すのに移動しなくていい、移動時間も交通費も宿泊費もかからない、直前・直後に別のことができる、面談後に一休みで横になることすらも可能です。
ありがたいことに、今では私の面談カウンセリングの8割ほどがZOOM面談をご利用くださっています。
まるで、江戸が明治になったような、戦前と戦後のような、コロナ前とコロナ後も、価値観ががらっと変わった時。
100年後に歴史的な転換点と言われる変化の時を、私たちは過ごしたのでしょう。
そんな時代の変化の象徴として、今回の面談ルームの移転があるような気が私はしています。
時代の流れのような大きな変化は、個人がコントロールできる範囲を超えていて、抵抗してものみ込まれてしまうことがほとんど。
抵抗するよりは、流れにのる方が上手くいくものなのかもしれません。
そして、古い価値観を手放し、変化をうけいれていくためには、気持ちの折り合いをつける必要がありそうです。
◆捨てる人 vs 残す人
引越し作業は、残すモノと捨てるモノを選別する作業でもあります。
一緒に作業した友人は、ビックリするくらいポイポイと捨てていました。
めちゃくちゃ潔かったです。
モノの手放しを通して、友人が心理的に切り替えが早い理由を知れたような気がしました。
正直なところ、私は「え、それも捨てちゃうの?」ととまどうことが何度もありました。
なぜなら、私はモノを捨てるのが苦手だからです。
これからも使えるモノを、歴史を語れる品々を、残せるなら残しておきたい派の自覚があります。
これが夫婦だったら、家族だったら、価値観の違いでケンカをしたかもしれません。
しかし、今回はいわば職場の引越しです。
「新しい面談ルームを作る」という成し遂げたい目標がありました。
だから、譲れるところは譲り、譲れないことは議論しながら作業を進めました。
そして、「まだ使えるから」とモノを残すことは、捨てる決断を後回しにしているだけなのかもしれないなと思うようになりました。
今回の引越し作業があったからこそ、実感として感じられました。
この引越しは、私にとって手放しの強化レッスンとなりました。
◆引越しの悲喜こもごも
引越しは、
・馴染みの場所に関する喪失
・モノにまつわる過去との対話
・取捨選択での価値観の棚卸し
・理想と現実のギャップの受容
・心機一転のリセット
・新しい環境での期待とストレス
など、大きく気持ちが動く転機であり、自分と向き合う時間になります。
どんな気持ちが出てきたとしても、まず受容すること。
「そう感じているんだな」と、ただ受けいれてみることを大切にしていただければと思います。
私の場合、旧ルームで荷物を全部運び出してから、がらんとしたお部屋のひとつひとつに「今までありがとうございました」と頭を下げた時、ちょっぴり寂しくなりました。
そしてまた、新ルームでカーテンの取り付けが終わった時、居場所が始まる感覚を感じました。
代官山ルームとともに、カウンセリングサービスももう一度はじまりを迎えるのでしょう。
もしよかったら、代官山の面談ルームでお会いできたら嬉しいです。
ただひとつ、あらかじめお伝えしておきたいのは、昭和レトロ感を楽しみにお越しくださいませ。
古き良き昭和感の名残りが随所に溢れる建物です。
ちなみに、私が関わっているもうひとつの場所も、今月末に引越しです。
1ヶ月の間に2つの引越しをするなんて、すごい偶然です。
2025年の夏は引越しの夏。
もしかしたら、心の中も新しいステージへの引越しを求められるタイミングなのかも、などと考えています。
この記事をお読みくださった皆さまも、よかったら一緒に「より良き心地の場所」へ、心のお引越しをしてみてはいかがでしょうか。