お母さん、そしてお父さんは本当に忙しいものですね。
私が子どもの頃には、「もっとゆったりしたらいいのに」とか、「なんでいつもバタバタして、難しい顔ばかりしているんだろう」と思っていました。
親になると、どうしても自然と役割が一つ増えてしまうように思います。
子の親であるという責任感はもちろんのこと、自分は親としてどうだろうと周りと比べてしまって、これでいいのかってことも何度も考えしまいそうです。
それでも毎日の仕事や家事、学校の準備や送迎。
気付けば一日があっという間です。
そんな中でも子どもを思い切り遊ばせてあげたいという思いは、いつも持っていらっしゃると思うんですね。
それはただ子どもを遊ばせてあげているのではなく、もっと別の見方もあるのではないでしょうか。
今日はそんなお話です。
子どもと行く場所が、親の心を動かす
・子どもがいるからこそ見る世界
お母さんもお父さんも日々忙しいそんな中、子どもに「今日はどこ行くの?」って聞かれると、少し迷いながらも出かけることって多くなると思います。
動物園、公園、虫取りやアニメ映画…。
お父さんもお母さんも日々疲れてて、それでもやっぱり子どもと出かける場所を考えるんですよね。そして実際に行くと、周りにいるのは親子連れがやはり多いと思います。
ふと思いませんか?
子どもがいなかったら、きっと行かないだろうところ。
でも子どもと一緒に行くと、思いがけず自分も楽しんでいるんですよね。
それは、ただ、「子どものため」だけじゃなくて、親自身が世界をもう一度体験する機会でもあるかもしれません。
・忘れていた感覚が、ふいに蘇る
キラキラした目で、お花や虫、動物を見つめる子どもを見て、
「自分にも、こんな時があったなぁ」って気づくことってありませんでしょうか。
私は息子が5歳の時、「ドラえもん」の映画に行きました。それが人生で初めての「ドラえもん」の映画です。私の子ども時代には、漫画とTVアニメくらいで、まだ映画はやっていなかったんですよね。でも成長するに従って、こういった子ども向けと呼ばれるアニメからは遠ざかって観ることに興味すら失っていました。
だけど、息子と一緒に初めて「ドラえもん」の映画を観に行って、オープニングの曲と歌詞にいきなり泣かされました。まだ本編すら始まっていないのに。
子どもの頃の純粋にこういったアニメが大好きだった頃を思い出したのかもしれません。
大人になって忘れていた純粋な好奇心や感動が、子どもとの体験で呼び戻されることって、結構皆さんあると思うんですよね。
遊ぶことで癒される「こころの中の子ども」
・インナーチャイルドってなに?
心理学では、自分の中に「小さな頃の自分」。または、「小さな頃体験した記憶を抱えている自分」というのが、今でもこころに存在していると考えます。
これがインナーチャイルドなんですね。
過去に感じた寂しさや満たされなかった想いというのを、私たちはみんな多かれ少なかれ抱えているものです。
その頃の感情や記憶というのは、それが自分にとって楽しかったことであれ、悲しかったことであれ、強く残っている場合、今の自分の感情に影響を与えていることは多いものなんですよね。
・子どもと過ごすことで満たされる想い
子どもと遊ぶ中で、「自分もこうして欲しかった」と感じる瞬間というのがあるかもしれません。
それは、今の自分が、過去の自分を癒しているとも考えられるんですよね。
「私もこうして欲しかったんだ」
「私もこんなふうに、たくさん笑ってお母さんと過ごしたかった」
過去の自分の感情の傍で、今の自分が寄り添ってあげているような感じです。
そんなふうに、子どもとの遊びの時間と言うのは、時に楽しく、時にしんどく感じることもあるかもしれませんが、親にとってのこころのセラピーになることは、意外と多いんですね。
“特別なこと”より、“一緒にいる”が宝物
・一緒に笑える時間がこころをつなぐ
子どもはおもちゃやお菓子をせがむものです。
親からのプレゼントだって嬉しいでしょう。
家族で行く旅行は、日常からかけ離れた楽しい出来事であることは間違いないと思います。
だけどね。
そういった思い出よりももっと大切なものがあるよね。
「一緒に笑った」という記憶。
それが、子どもにとって、『愛されていた証』になるのではないでしょうか。
・“もっとちゃんと…”って思わなくていい
「ちゃんと相手してあげなきゃ」
「もっと有意義な時間にしなきゃ」
お母さんもお父さんも、子どもが出来たら皆さん自分の子どもの頃以上に、子どもには幸せになって欲しい。そう願うものです。
だからこそ、子どもに対しては、自分の目が結構厳しいんですよね。
こうしてあげなきゃ、こうすべき。
それではどんどん窮屈になっていくし、苦しくなってしまうと思います。
ただ一緒に過ごすことそのものが、親子のこころにちゃんと残るものなの。
完璧になんてならなくていい、目指すところはそこじゃなく、ただ、今日の小さな笑顔を大切に出来ればそれが一番だと私は思っています。
子どもと遊ぶことは、「子育て」だけでなく、「自分育て」でもありますよね。
親子で一緒に過ごす時間が、子どもの心を育て、親のこころも少しずつ癒していく。
そんな温かい循環が、きっと皆さんの家庭の中にもあると思います。
今回の私の記事が、子育て中の皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。
次週は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。