子どもとスマートフォン

人の生き方というのは時代によって様々のようですね。
私はバリバリな昭和生まれですから、SNSやAIで回っている今の時代というのは面白いものですが大変です。
自分が常識だと学んで来たことが今は非常識なこともたくさんありますからね。
だけど、平成終わりや令和に生まれた子どもたちは、今の世界が常識であって、それを自然と受け入れていますから、親である私たちは、未来に向かって変化していく世の中を理解していく必要があります。スマートフォン(以下スマホ)はそんな未来に向けての最先端かもしれません。

私たち親とスマホと子どもにとってのスマホ

・親にとってのスマホ

今や誰もがスマホを持っていてもおかしくないものですね。
すごく高級なものですが、持っていないと生活に支障が出るというかたも多いのではないでしょうか。
それは大人だけでなく、子どももそうですね。
私の子どもは17歳ですが、小学生の高学年でも持っている子はクラスに何人かいて、中学生では仲のいい友だちが持っていたため、友だち関係で必要不可欠になり、息子にも持たせました。
今は学生のほとんどの子が持っているのではないでしょうか。

大人の場合は、お給料や支払いなど、お金関係から何から何まで便利に使いこなしている場合が多くて、自分の身近な場所から手放せなくなっていると思います。
それだけじゃなく、スマホの便利さ楽しさは、遊びの部分も多いですよね。
写真や小説、映画や漫画、買い物やそしてゲームと、本当に何でも出来ちゃいます。
だからこそ手放せなくて、ほぼ毎日使ってしまいますね。使っている時間も一日計算すればかなり長いのではないでしょうか。
必要不可欠なものであるし、使えば使うほど生活は便利になり、また楽しさもたくさん備わっていて、今というのは昭和時代の私の生き方からすると、かなり世界が広がったと思います。

・子どもにとってのスマホ

子どもにとってのスマホというのは、コミュニケーションや話題づくり、そして娯楽でもあり、学びの場でもあるかもしれません。
Youtubeでお勉強をしたり、ネットを活用して試験対策もするでしょうね。

私たちの時代に使っていた、計算機や辞書やスケジュール帳、メモ用紙、筆記用具など、そういったものすべてはスマホで賄えます。
ということは、子どもにとっても全てがスマホだけで済んでしまうものなんですよね。
大人同様、今後は更に、子どもにとっても重要で手放せないものになっていくんだと思います。

 

スマホを使う子どもと親の心配

・親の心配事

小さな子どもがスマホでゲームをしている姿は、今は何処にでも見られます。買い物をしていると、ベビーカーの中で赤ちゃんが見ていることもありますね。
それを昔は抵抗感があったものですが、今の時代はそれがこの時代の当たり前で合って、そういう時代なんだと思います。
だけど私たちは親になって思います。
スマホゲームをなかなかやめられない我が子。
Youtubeを延々と見てしまう我が子。
どこぞの誰と繋がっているのか我が子のプライベートが全く見えない時。

子どもにとっても必要だからと与えたのはいいけれど、一方でそんな不安も感じてしまいますね。
それを何とかしようと親もいろいろ頭を抱えながら考えます。
それこそネット検索をして、他の親はどうしているのか調べたり、いろんな子育ての本を読んだり、人に聞いたりね。
だけど、それらのやり方で上手くいく場合もあれば、我が子には何一つ役に立たないということだって多いはず。
人それぞれに家の環境下も違います。
お母さんが仕事を持っている、持っていないというのもあるし、おじいちゃん、おばあちゃんがいる、きょうだいがいるというのも関係があるよね。
塾に行ってるとか行っていないとか、大人しい子だったり活発な子だったり、本当に人それぞれで全然違ってきますから、こういったやり方があるというのは、実際には人それぞれです。
だけど、いろんなことを試したけれど、我が家は全くどうしていいのか分からない。
私も実際にそうでした。そんな状況の方は、きっと私以外にもかなりたくさんおられると思います。
カウンセリングの現場でも、こういった悩みは親御さんには多いものなんですよね。

・スマホを使う子どものこころ

子どもにとって、スマホは本当に便利なアイテムですね。しかも私たち大人が持つよりも、ずっといろんな機能を使いこなしていて、彼らにとってこれはまるでおもちゃのようです。あれも出来てこれも出来て。カメラ一つとっても知らないやり方をたくさん知っています。その上ゲームが出来てマンガが読めて、テレビじゃなくともいろんな動画で最先端の世界情勢まで知っています。
おもちゃのようだから、きっといつまでも触ってしまうんでしょう。
そして親はそれに困っても、子どもは全く困らない。
むしろ、親がなぜそこまで怒るのかが分からない場合もあると思います。
・目が悪くなる。
・姿勢が悪くなる。
・睡眠がしっかり取れない。
・家族と会話をしなくなる。
そんな親の…大人の心配など、子どもの彼らには幼い子ほどわからなくて当然です。
ただ面白いからずっと触ってる。楽しいからいつまでも見てしまう。
そんな子どもに対する親の不安ってどうやって解消されるのでしょう。
また、そんな子どもへの注意喚起ってどうするのでしょうね。

 

子どもと親のスマホ対策

・親が出来ること

ここでお伝えさせて頂くことは、同じく我が子がずっとスマホを触っていて、不安になってしまっていた私の実体験にもよるもので、これが読んで下さる親御さんの参考になるか分かりません。
ただ、カウンセラーとして、子どもへの向き合い方という観点からも最近すごく思うようになりました。それはね。

『深刻にならないこと。』

です。
確かに子どもがずっと触っているのは不安です。
どこぞの誰と繋がってるか分からないのも不安かもしれません。
何度も何度もガミガミ怒って言ってしまうことだってあると思います。それでもやめられない子どもだってたくさんいます。
だけど、何事も親が、そのことに対して深刻になればなるほど子どもはあまり親の心配に目を向けないものなんですよね。
ただ、うるさい。
の可能性もあります。
そうすると、親は更にそれを大きな問題として深刻に考えるようになっていき、でも一方子どもはそうでもない。もしくは逆に、ひどくそんな自分を責めて、その逃げ場としてスマホを更に手放せなくなってしまうことだってありますね。

いろんなことをして、それでもダメだった我が家の場合は、親である私が降参しました。
どんどん深刻に考えてしまっている自分に気づき、そんな未来の心配をしても、今を生きている子どもにはなかなか分かりにくいものなんですよね。

言い過ぎたと反省することもあったし、でも我が子の隠れてスマホを手放さない姿を見て怒ってしまったことだってあります。
だけど、そうやって怒られながら、自分で正しい使い方をしていくのが子どもではないでしょうか。そこにはある程度、自分の子どもを信頼することも必要なんですよね。

そう思えた後は、息子が勉強中にこそっとYoutubeを見ていたとしても、「息抜き動画もほどほどにしなよ。」程度で済ませています。
いつまでもゲームやっている時も、目薬を渡して「休憩くらいしなさいな。」で終わらせています。

・成長した息子のスマホの使い方

小さい頃は子どもはスマホにものすごく興味を持ちます。目まぐるしく変わる画面とあざやかな色。スマホの世界というのは外の世界とはまた別の世界が広がっているのですから、好奇心旺盛な多くの子どもが夢中になってしまって当然なのでしょうね。
そして買い与えて自分で使うようになると、今まで親からしか見せられなかったものが自由に見れるようになる。自分で好きにいろいろ使いこなせられる。
だから我が子も夢中になって手放せませんでした。時間制限をしてもどうやったのかそれでも触れるようだったからもうどうしようもなかったです。
だけどね。
そんな我が子でも、高校生になるとあれほどしなかった勉強を自らするようになりました。学校では私が思った以上に頑張っていることも分かりました。ガミガミ怒ってしまっていた私の知らないところで、そのスマホで上手にお友だちと繋がって、みんなで楽しくコミュニケーションをしていることにも気づきました。

スマホは今でもほとんど手放せず、寝る前に見ることも時々あるようです。
だけど・・・。
親である私たちもやってるんですよ。だからあまり子どもにも言えません。そこは自覚しないといけないなとも思いましたし、それでもやることはやるようになっています。

家庭によっては、“うちは劇的に高校生になったらほとんど使わなくなった”なんて、羨ましいお話もありますが、我が家はそうではありません。
今も使い方や頻度はあまり変わっていませんが、やることをやるようになって来た。なるべくこれはしない方がいいんだろうな。ということは分かるようになって来た。そんなわずかな変化です。
でもそのわずかが私には大きな成長に思えます。
だからやはりあまり深刻に考えないでおこうと思えるようになったんですよね。

 

深刻に生きない姿勢

私たち日本人は真面目で一生懸命な人種でお国柄だと私は思っています。
私たちの親世代であればあるほど何事にも深刻になり過ぎるように思います。
私たちのお父さんお母さん、そしておじいちゃんおばあちゃんは、その時代背景によって、厳しい生き方の人が多くて、今よりも必死にならざるを得なかったんだと思います。
特にお父さんは、戦争がなくなっても社会で戦うようにして生きているのだから、どうしても深刻になりやすく、会話を楽しむことや、楽しく遊ぶことをあまり知りません。
そんな親の生き方を見て育っている私たちなので、私たちも自分が親になると、どうしても深刻になりやすいのかもしれません。
慎重になって、不安になって、そのまま先のこと先のことを考えてしまう。
だから子どもに対しても、つい不安な未来を考えすぎて、今の間に何とかしないとって。
特にそういう姿勢は子育てには出やすいと思います。
大切な我が子だから、子どもが小さい頃に、出来るだけいろんなことを教えていきたい。ミスがないように、困らないようにって、完璧を目指してしまう部分です。
だけど、子どもは感情いっぱいお気楽に生きています。
生活上の大事なルールは教える必要はありますが、このお気楽な部分は人生を楽しむために必要な部分。親ももっと肩の力を抜いてもいいかもしれません。
自分も子どもの頃にきっとそうだったから。
深刻に考えることなく力を抜いて、子どもが楽しそうにしているのをある程度見守っていければいいですね。

今日のこのお話が、子育てで迷う親御さんにとって、少しでも何かのヒントになれば嬉しく思います。

次週は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。