社内で噂話をされているように感じるとき、自分を客観的に見ることで感じ方が変わる

社内の人たちが自分のことを噂しているように感じる、自分のことを悪く言われているように感じてしまうことはありませんか?
そう感じていると、気になって仕事に集中できなくなり、会社にも行きたくない気持ちになることがあります。

*****

人に噂話をされていると感じたり、まわりの人がよそよそしいと感じれば、嫌な気持ちになるでしょうし、不安や恐れを感じると思います。
何か失礼な物言いをしたのかな、態度が横柄だったのかなど、自分の言動を振り返ったり。
自分の中に噂話をされる理由を探すことがあります。

誰しも人から悪く思われたくはありませんから、そう思われないように必要以上に周りの人に気を使うかもしれません。
また、そのことが気になって仕事に意識が向かず書類の提出が遅れてしまったり。
緊張して、いつもならしないミスを繰り返してしまうことだってあります。

前の職場では、周りの人たちが自分の噂話をされたり、悪く言われているように感じたことがなかった。
社内の人間関係も特に問題はなかった。

だけど、現職場では自分のことをひそひそ話しているように感じてしまう。
陰でコソコソ話をされているように見えてしまう。
よく考えると転職をするたびに、似たようなことが起きているとしたら?

実際に噂話をされている場合もあるかもしれませんが、何度も同じように感じることがあるとしたら本当に自分のことを話題にしているのでしょうか。

*****

人は耳に入ってきた情報を自分に必要なものと不必要なものに分け、話の内容が自分に関係していると脳が認識すると、脳が必要な情報を選択し入手しようと意識していると言われています。

会社全体の忘年会や創立記念パーティなど大勢の人が集まると、みんなの話し声で賑やかだと思います。
騒がしい中でも、自分が話している相手の声は聞き取れたという経験はありませんか?

例えば、Aさんが犬(チワワ)を飼っているとしましょう。
Aさんは、帰宅後や休日には愛犬と遊んだり、公園を散歩させています。
ある日、仕事関連の食事会に出席。同僚と話をしている最中に、他の人たちの会話から、「犬を飼っている」、「チワワ」、「公園に散歩」といった言葉が聞こえてきました。

これは、自分が犬を飼っているからであり、飼っている犬種がチワワであること、日頃から愛犬を散歩させていると認識しているから、騒がしい中でも情報として耳に入ってきたのでしょう。
人と話している最中でも、少し離れた場所であっても、自分が興味のある話や自分の名前などが自然と聞きとることができるようなのです。

これは、カクテルパーティ効果と言われ、イギリスの認知心理学者エドワード・コリン・チェリーが提唱され選択的注意と呼ばれています。
人は多くの情報の中から、自分の関心があるものや自分に関連する話題を無意識的に選択していると言われています。

けれど実際は、自分に関係のない会話が行われているのに、まるで自分のことを話しているように聞こえてしまい周りの人が自分の悪口を言っているように感じてしまうことがあるのです。
Bさんの話をしていても、心理的には自分の名前にいれ変わっていることが考えられます。
自分に必要な情報を無意識に選択しているとしたら、自己嫌悪からくる思い込みが影響しているのかもしれません。

*****

人より仕事が遅い、上手に話せない、自分と話しても面白くないと自分を嫌悪しているとそれが周りの人に投影され、自分と同じように自分を嫌うに違いない。
嫌われる自分はみんなが噂し悪口を言われるはずという思い込みを持つことがあるのです。

自分を好きになれればいいのですが、なかなか思うようにいかない時は、
自分を客観的に見る、嫌悪していることそのまま受容してあげるといいかもしれません。

そして、人から悪く言われる理由はあるのか、
なぜ自分のことを言われているように感じてしまうのか、
と自分に聞いてみてくださいね。
客観的に自分を見ることで、自分のことを噂されていると感じる感情や不安な気持ちが減っていくと思います。

 

この記事は「使えるビジネス心理学」としてメルマガでも配信しています
メルマガ詳細
この記事を書いたカウンセラー

About Author

様々な困難を自分の中に受け容れ、乗り越えた経験に基づく懐の深さは、ジャンルを問わず幅広い世代から支持を得ている。感性と直観を活かし、「言葉で表せない気持ちを言語化してくれる」と定評がある。「しなやかに生きる」をモットーに、自己価値の見直し、自己実現に向けたカウンセリングを提供している。