キャリアの節目や、日々の忙しさの合間に、ふとこんな気持ちになることはありませんか?
「このまま進んで、本当にいいんだろうか?」
「私が本当にやりたいことって、何だっけ?」
転職や昇進など、大きな選択肢を前にしたとき。
あるいは、なんとなく今の働き方に違和感を覚え始めたとき。
「自分がどうしたいのか」がわからず、心の中で足踏みしてしまうことがありますよね。
■ 迷いの背景には、「自分を後回しにしてきた心」がある
「本当にやりたいことがわからない」と感じる方の多くは、これまでの人生で、まじめに、誠実に、誰かの期待に応えながら歩いてこられた方です。
「任されたことをきちんとこなす」
「成果を出すことが自分の価値」
「まずはやるべきことを優先する」
そんな風に、頑張る自分でい続けてきたからこそ、気がつけば「自分の本心」や「本当の楽しみ」を後回しにしてきた……という方は少なくありません。
たとえば、
・昇進の話が来たのに、なぜか心が浮かない
・転職したいけれど、次の一歩がなかなか見えてこない
・安定はあるけれど、この仕事をずっと続けていけるか不安
こういった“なんとも言えない迷い”の根底には、「本当は違う選択肢を望んでいる自分」が眠っているのかもしれません。
■ 心のケアが、選択の道を整えてくれる
こうした迷いに向き合うとき、思考だけで答えを出そうとすると、かえって混乱してしまうことがあります。
でも、焦らずに「自分の心の状態」に目を向けていくことで、次第に霧が晴れるように、見えてくるものがあるのです。
ここでは、自分らしい選択へとつながるための3つのステップをご紹介します。
1. 感情にやさしく耳を傾ける
たとえば「転職したい気持ちはあるけど、不安で動けない」とき。
その不安を「こんなに優柔不断でダメだな」と責めてしまうと、心はますます固く閉じてしまいます。
けれど、「私は今、不安を感じているんだな」とその感情に気づき、受け止めてあげるだけで、心の中の緊張が少しゆるむことがあります。
感情を整理することは、思考をクリアにする準備でもあります。
まずは、“今の自分”をまるごと受け止めてあげることから始めてみましょう。
2. 小さな楽しみの中に、自分らしさを見つける
「やりたいこと」がわからないときは、いきなり大きな目標を探そうとせずに、“心が動いた瞬間”を拾っていくことがおすすめです。
たとえば、
・会議でアイデアを出している自分が、なぜか生き生きしていた
・後輩にアドバイスをしていたとき、心が温かくなった
・週末に読んだエッセイに、妙に心を打たれた
こういった小さな「心の反応」こそが、あなたらしさのヒントになります。
「私は、どんなときに少し前のめりになってる?」
「“やらなきゃ”じゃなく、“やりたい”と感じたのは、どんな場面だった?」
そんな問いを自分に向けてみると、価値観の輪郭がふわりと浮かび上がってくることがあります。
3. 他人と比べず、「自分の軸」に戻る
周囲のキャリアと自分を比べて焦ってしまうのは、とても自然なこと。
でも、誰かと同じように進まなければならない理由なんて、本当はどこにもないのですよね。
キャリアにおいても人生においても、大切なのは「何を選ぶか」以上に、「どうありたいか」。
・どんな働き方が、自分にとって心地いい?
・どんなときに、自分らしさを感じられる?
・どんな風に、誰かに関わっていきたい?
こうした“内側の軸”に立ち戻ることで、他人の評価ではなく、自分にとって意味ある選択ができるようになります。
■ 迷いは、あなたを前に進ませる準備期間
迷っている自分を責めるのではなく、
「私は今、大事な選択に向けて整えている途中なんだ」と理解してあげること。
心の声に耳を傾ける。
自分の価値観を思い出す。
そして、自分のペースで一歩を踏み出す。
それだけで、前に進む力は確かに育まれていきます。
◆ まとめ
「やりたいことがわからない」と感じるとき、私たちはつい思考で答えを出そうとしてしまいます。
けれど、あなたの中には、すでにたくさんのヒントが眠っています。
・感情に寄り添う
・小さな楽しみを拾う
・比較ではなく、自分の軸に戻る
この3つを意識してみることで、やりたいことは“思い出す”ように見えてくるものです。
どうか今日も、自分に優しく。
そして、少しずつ“本来のあなた”へと戻る時間を持ってみてくださいね。
参考になれば幸いです。