こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
すごく惚れっぽい女性がいました。
彼女は結婚願望が強く、できるだけ早く結婚し、できるだけたくさん子どもを産み、そして、良き妻、良き母になりたいと思っていました。
しかし、恋はするものの、長続きすることがありませんでした。彼女の望む「結婚して家庭をもちたい」と考える男性とは真逆のタイプの男性と恋に落ちることが多かったのです。
その理由の一つとしては、彼女はどちらかというと恥ずかしがり屋で、積極的な男性でないとなかなか恋が始まらなかったということがあげられます。
積極的な男性の多くはプレイボーイ・タイプで、結婚のことはあまり考えていなかったのです。
また、彼女には一つ大きなパターンがありました。
男性の愛に対し、ファンタジーが強く、リアリティが少ないということです。
それは、彼女のおとうさんが出張が多く、多忙な人であったことに起因しているようでした。
いつも憧れているのに、ふれあいが少なかったため、ファンタジーがふくらんでいったわけです。
そして、彼女は数年にわたり、私どものセミナーに通い続けたわけです。私どもの受講生の間には、「週末はメンタルで」という言葉があります。
メンタルとは私ども神戸メンタルサービスの略称ですが、彼女もそんな生活をしていた一人であったわけです。
その彼女がとある男性と恋に落ち、私に相談に来たのです。
数年のメンタル生活で物事を客観的に見る目を身につけていた彼女は、「この彼と私はとても相性がいいし、話がよく合うものの、彼は結婚して家庭をもち、子育てをしたいと考える男性ではない」と感じていました。
とくに彼女が強く感じていたのは、彼は「自分を愛してもらいたい」と思う男性であり、「自分のまわりの人を愛したい」と思う男性ではないということでした。
彼女には非常に強い結婚願望がありましたが、その中心には「自分の人生の中に欠けているものを満たしたい」という強い欲求がありました。
しかし、彼女はあるとき、その欠けているものを満たすことに一生懸命になっている自分に気づいたのです。
気づいてからまもなく、彼女はその欠けている部分を人を使ってではなく、自分で満たすということができるようになりました。
そして、その経験があったがゆえ、他者についても、「この人は以前の自分のように、人を使って足りない部分を埋めようとしている人なのか、それとも、人を愛したいと思っている人なのか」ということを見分けられるようになったのです。
このときの彼について、彼女は「彼はとてもいい人だけど、このままこの恋を続けていっても、私の欲しいものは手に入らない」とよくわかっていました。
その時点で彼女は30歳を過ぎていたこともあり、彼とは深入りしないということを選択。
「いい友だち」の関係で終わらせました。
そして、彼女はその次に出会った男性と結婚したわけですが、家庭的で彼女にとって理想のタイプといえるそのだんなさまは、なんと前述の彼から紹介されたというのです。
彼曰く、「俺みたいな男じゃなくて、もっと落ち着いていてさ、人生を楽しむということは下手かもしれないけど、人を大切に守っていくような、そんな男がおまえには必要なんだな。だったら、いい人がいるよ」。
で、紹介されたのが、現在のだんなさまだったわけです。「昔の私ならつきあうことがなかった。このタイプの人を受け入れるのに、数年かかったということね」と彼女は笑いながら話します。
たしかに、このタイプの男性を愛せるようにならなかったとしたら、いまのようなアットホームな結婚は手に入ることはなかったでしょう。
ファンタジーにまどわされず、リアルに自分や相手のことを見ることができるようになったからこそ、彼女のいまがあるといえそうですね。
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!