“違い”を統合する力は、私たちに優れたバランス感覚を養ってくれます。
こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
われわれ人間のタイプにはいろいろとありますが、右脳派と左脳派という切り口での分け方もできます。
右脳的な物事のとらえ方と左脳的な物事のとらえ方はどうも真逆で、理解しあえない関係性のたとえとしてしばしば使われます。
右脳派と呼ばれる人たちは、感覚派と呼んでもよいでしょう。感覚や感情的なことなど、情に重きをおくタイプです。
たとえば、ていねいに扱ってもらったとしても、そこに心がこもっていなければ、右脳派の人たちにとってはなんの意味もありません。
「あの人は慇懃無礼で‥‥」などという表現を使うのも右脳派に多いようです。
一方、左脳派と呼ばれる人たちは理論派とも言い換えることができます。
感情を排除し、非常にリベラル(寛容)な人が多いのが特徴です。
左脳派の人たちにとっては、好きか嫌いかということよりも、なにが正しいことなのか、どうすべきかということが優先事項となります。
とくに理系男性にこのタイプは多く、左脳派の特徴が強すぎると、ロボットのような冷酷な人と思われることもあるようです。
そして、よくあるのが、右脳派の女性と左脳派の男性の組み合わせです。
まったく違うわけですから、コミュニケーションは必ずしもスムーズにはいきません。しかし、「人は自分にないものをもっている人に惹かれる」という魅力の力学のとおり、まったく違う二人なのにおたがいに惹かれあうことが非常に多いのです。
つまり、右脳派の彼女は、冷静かつリベラルな左脳派の彼に、「感情に振り回されず、いつも的確な答えを用意してくれる、とても頼りになる人」という魅力を感じるんですね。
左脳派の彼は、すぐに泣いたり、笑ったりと感情表現豊かな彼女のことを「カワイイ。おれが守ってやらなければ」などと思います。
自分はめったに感じない感情に触れさせてくれる、とても奇特な人に感じるわけです。
しかし、いろいろな違いがありますから、それが不和の原因になることもあります。
たとえば、二人で休暇をとってリゾート地に行くというとき、右脳派の彼女は海の見えるベランダ付きのスイートルームあたりに泊まりたいわけです。
ところが、彼は「たかだか寝るだけなのに、なんでそんなに高い料金を払わねばならないんだ」と思うんですね。
たしかに、寝てしまえば同じかもしれませんが、寝る前と寝起きの気分ははるかに違い、その気分が大事だという彼女の感覚が彼には理解できないのです。
また、彼女が好きなブランド品のバッグや靴に関しても、彼には「なぜ、そんなに高い値段を出さねばならないのか」と理解することができません。
彼にとっては、高性能な品質のものが、高いコストパフォーマンスで手に入ることが、デザイン性やブランドといった価値観よりも勝っているわけです。
こんなとき、相手のことを理解しようとせずに、自分の感覚や価値観に固執してしまうと、二人の違いは救いようのない戦いのタネとなってしまいます。
そこで、右脳派の女性は左脳派の彼に、人生の優雅さやロマンチックさなどをぜひ、教え込んであげてください。
反対に左脳派の男性は右脳派の彼女に、客観的にものごとを見たり、冷静に判断することを教えてあげるといいでしょう。
それができると、双方がものすごくレベルアップします。
しかも、世の中にはあなたのパートナー以外にも、右脳派の人、左脳派の人がたくさんいますから、パートナーを受け入れることで、日常的に出会う自分とは違うタイプの人たちも受け入れられるようになってきます。
“違い”を統合する力は、私たちに優れたバランス感覚を養ってくれます。
リーダーシップや政治の世界では、「清濁併せて飲む」という表現が使われることがありますが、まったく違うものを受け入れることは、あなたの人間としての器を大きく成長させてくれるようなのです。
まずは、あなたのパートナーを理解することからスタートしてみてくださいね。
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!