Tomyさん、ご相談、ありがとうございます。  ご結婚を考えているけれども、将来自分が子供を持ったとき、なぜか自分が虐待をしてしまうのではないか、そんな恐れがでてくるのですね。  未来への不安は、ある側面から見れば自然な気持ちでもありますので、すべてを拭い去ることは難しいかもしれませんが、打開策が見えるだけでもずいぶんとラクになるものです。  一緒に見ていきましょうね。tomyさんは、何度も、小さな男の子をたたいてしまう夢を見ているとのこと。  そんな夢を見た後、tomyさんはどんな気持ちだったでしょうか。  きっと怖かったのではないでしょうか。  それは、小さな男の子の恐怖かもしれません。  もしかしたら、自分の中にある暴力的な要素に対して不安だったかもしれませんね。 夢というのは、自分の中の深い部分を表すといわれています。  そして、これはtomyさんの夢ですよね。  ということは、登場人物はすべてtomyさんを表します。 小さな男の子はtomyさんです。  もしかしたら、tomyさんにとって、この小さな男の子のような部分を、嫌ったり、あっちにいけ、と言ったりしているのかもしれません。  小さな男の子、というとtomyさんはどんなイメージでしょうか。  例えば、無邪気さ、やんちゃな、元気な、行動的な、向こう見ずな・・・。  ご自分の中にある、そんな部分を嫌っているのかもしれませんね。  そして、ずっとこんな風に扱ってきたのかもしれません。 また、たたいている大人も、tomyさんです。  暴力で象徴されるものは、セクシャルエネルギーです。  セクシャルエネルギーというのは、セックスといった性的なもののみでなく、生命エネルギー、つまり、イキイキさというものでもあります。  多くの場合、性欲で代表されるように、思春期から高くなります。  非常に大きなエネルギーなので、急にそんなエネルギーが自分の中から湧いてくると、扱い方が分からずに恐れてしまうことが多いのです。  エネルギーそのものは中立的ですが、こころの中での恐れの要素が強くなると、暴力的になってしまいます。  思春期には、一時的に暴力的になったり、破壊的な行動をしたくなるのは、こうした心理からです。  しかし、こうした現象は必ずしも起こりうるというわけではありませんし、暴力にしてもどこまでが許容範囲なのか分かってくると、安心して落ち着いてきます。  エネルギーの正しい使い方が分かってくるようになると、周囲に貢献できる形に変わってきます。  それが、多くの場合、20代後半から30歳くらいでしょうか。 また、恐れが強くなるのは、思春期だけではありません。  私たちにとって、一番怖い瞬間、それは実は、しあわせになる一歩手前なんですね。  tomyさんの中で、結婚して、子供を持つことで、しあわせになることを知っているのかもしれません。  実際に、結婚式の前日の晩に喧嘩するカップルは非常に多いのです。 では、こうしたことを踏まえて、どうしたらいいのかを見て行きましょう。  虐待やいじめをしてしまうケースのほとんどは、自分がかつての被害者であったことからきます。  ですから、自分を被害者にしないように心がけてみるのはどうでしょうか。  つまり自分を大切にする、ありのままに受け入れていくということです。 Tomyさんの小さな男の子のような部分を愛してあげる。  Tomyさんの中から出てくるエネルギーを生命力、イキイキさに変えていくことを意識する。  そして、結婚して子供をもつことに対して、しあわせになることに対して、腹を決めるといいますか、覚悟を決める。  そんなことを意識してみてもいいのかもしれません。 母親にとって、子供は文字通り、分身であり、一心同体の時代もあるわけです。  ですから、自分を大切に扱える度合いだけ、子供のことも大切にしてあげられるのです。  もともと自分が好きな要素は愛することができますが、懸念されるとすれば、自分が嫌っている部分、自己嫌悪の部分なんですね。  いかに、自分の自己嫌悪を愛することができるか、受け入れることができるか、それによって、子供ができたときにそんな部分も愛してあげられる自信につながります。 言うのは簡単ですが、実際には難しいな、と思うかもしれませんね。  もちろん、完璧にしなくてもいいのです。  こんな話を聞いたことがありますか。  子供は親を助けるために生まれてくる、と。  私は本当にそうだと信じているのですよ。  なぜなら、子供というのは非力でありながら、非力ではありません。  彼らは、非力であることで、直接的に助けるわけではなく、親に親自身を愛させるようにして、親を助けるのです。  子供ができたら、親は自分を粗末に扱うことはできません。  自分に何かあれば、子供は生きていけないと思うからです。  子供ができたら、母親は質のいいものを食べますよね。  自分がいいものを食べなければ、いいお乳は出ないからです。 これは、子供がもたらしてくれるギフトであり、子供の愛かもしれません。  そう、子供をまるごと愛したいと願うのなら、自分も愛さなければなりませんね。 子供は本当の非力ではありません。  強い愛情を持っています。  実際、親が犯罪者であろうと、どんな人間であろうと、子供は親を嫌いになることはできません。  どんな親でも、親として受け入れてくれる強い愛を持っているのです。  どんな子供も、あなたに与えられるもの、天からの授かり物です。  tomyさんのところにきてくれたら、tomyさんに自分を愛することを教えてくれるために自分の元にきてくれた、そんな風に子供からの愛を受け取って欲しいと思うのです。 また、虐待というのは、母親(父親がするなら父親)のSOSのサインです。  つまり、母親がいっぱいいっぱいになっているときです。  そんなときに、SOSを発することができる場所をたくさん作っておくのもいいかもしれませんね。  このカウンセリングも、頭の片隅にいれておいていただけたら、と思います。  子育てはひとりでするものではありません。  必ず、周囲の協力があります。  将来tomyさんの元に来てくれるかわいい子供のためにも、そうした協力を受け取ってくださいね。 まだ、おなかの中にも来ていないわが子を思うtomyさんは、すでにいいお母さんですよね^^  そんなtomyさんの優しさをもって、しあわせへの一歩を進んでください。  ご相談、ありがとうございました。  |