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Lecture.76 燃え尽き症候群〜バーンアウトシンドローム〜

講師:根本裕幸

燃え尽きているのは心なので、仕事にせよ、恋愛にせよ、あらゆるジャンルにこれは存在します。
Keywords
燃え尽き症候群
ガス欠
我慢
評価
幸せ

ある日、目が冷めて会社に行こうと思ったが体が動かなかったんです。
なんとか起き上がって支度をするものの気力がなく、会社に何とか向かったもののやる気が無くて一日ぼーっとしていたように思います。
「体調が悪いのかな。最近忙しかったし。そのうち治るだろう」と思っていましたが、その後しばらくたっても気力は戻らず、何もする気になれませんでした。
何とか会社には行けているものの、ミスは多く上司に叱られ、また「最近、元気ないですね」とか同僚に言われる始末です。
ほんとに情けなくなってだんだん焦って来ましたが、どうにもなりません。
夜も眠れず、食欲も日によってあったりなかったり。
家族のこともあるし、働かなきゃいけないんだけど、どうしたらやる気が戻るでしょうか?

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大学に入ることだけを考えて3年間、勉強を頑張ってきました。
特に何がやりたい、というわけでもなかったけど、いい大学にさえ入れば何とかなるだろうとも思ってました。
したいことや欲しいものもあったけど、我慢するのが当然と思っていました。
親も厳しかったし、たくさん期待してくれてるのが分かりました。
それに応えなきゃ、と思ったんです。
成績が少しでも落ちると激しく自分を責めていたと思います。
それで第一志望ではなかったけれど、自分でも納得できる大学に入ったんです。
これからは何でも好きなことができるぞ!と思って楽しみにしていたのですが、受験が終わった頃から気が抜けたようになってしまって、表に出られなくなってしまいました。
何がしたいのかもわからなくなってしまって、毎日家にこもってしまいます。

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今から思うといい母親にならなきゃ、と考え過ぎていたんだろうと思います。
子どもを虐待したり、死なせてしまった親のニュースを聞くたびに、私は絶対そんなにはならない!って思ってました。
育児書もかなり読みましたし、インターネットで色んなお母さんの奮闘記を見て、色んな情報を集めました。
頑張って仕事をしてる主人のこともありますし、子育て以外にも家のことも完璧にしようと思ってました。
でも、あるとき子どもがジュースをこぼしたのを見て、思わず子どもを殴ってしまいました。
いけない!と激しく自分を責めました。
でも、それも仕方がないことと後で思い返して、ごめんなさい、しました。
でも、大きくなるに連れ、力も強くなるし、だんだん疲れを感じるようになったんです。
ふと気がつけば家の中がぐちゃぐちゃになっていました。
片付けなきゃ、と思うんだけど体が動きません。
それ以来、何に対しても気力がなくなり、どうしていいのか分かりません。

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優しくしなきゃって思ってたのかもしれません。
今の彼女と付き合う前にいろいろ話を聞いていて、彼女がとても苦労を重ねてきたし、恋愛でも辛い思いをしてきたので、俺がそうじゃない面を教えてあげよう、とかカッコつけてたのかもしれません。
だから、結構わがままにも付き合いましたね。
そのときはわがままって思わなかったんですよ。
しんどそうだし、彼女もすごく気を使ってるように見えたから、受け入れてあげなきゃ、包んで上げなきゃ、とか思ってたんだと思います。
仕事が忙しくて会えないときがあって、そのときに彼女1,2回浮気したことがあるんです。
そのときもなぜか責める気にはなれませんでした。
なんだか放っておいた自分が悪いような気がして。
それで2年くらい付き合ったし、そろそろ結婚話も出るようになったんです。
僕もそれは望むところだったのですが、それ以来、彼女に会いたくなくなっちゃったんです。
彼女と会ってるときはまだいいんだけど、だんだん会うのが面倒になってしまったんです。
今ではどうやって別れを切り出そうかばかり考えています。

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2年くらい前に彼と別れた後に「もう男なんていらん!」って真剣に思いました。
だってろくなこと無かったんですもの。
尽くしすぎるのがいけないのかな・・・。
いつも好きになりすぎちゃうのかもしれないです。
浮気する人もいれば、不倫だった人もいるし、年下の彼は体だけが目当てだったみたい。
ちょっと結婚をほのめかすと逃げて行くんだもん。
何がいけなかったんでしょう?
最後の彼はいい感じで付き合ってきたんだけど、だんだん距離が開いてきて、電話しても無視されるようになって、メールで「別れる」って一言だけいれてくるんですよ。
もうほんとにいやになっちゃって。
あたしには幸せな恋愛なんてないんだ・・・って思うようになっちゃいました。
どうしたらいいんでしょう?

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気がつけば・・・という感じなんです。よく言われますけど。
結婚した当初はしなきゃいけないものって感じもあったし、それはそれで達することもできたし、求められたら応えてました。
自分から求めることはほとんど無かったと思います。
主人は結構盛んな人で、週に何回か求められて、最初はそれに応えてましたが、だんだんそれも苦しくなってきて拒んだら半ば犯されたようなときもありました。
夫婦ですから仕方ないのかもしれませんが・・・。
でも、あんまり好きじゃないのかもしれません。
それ以来拒む回数が増えてきて、そのうち主人の方もあんまり求めて来なくなって、気がつけばすっかりセックスレスです。
無くなれば無くなったで欲しいような気もするのですが、いざ求められたら、やっぱり拒んでしまうかな?とも思います。

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相談コーナーから切り抜いてきたようなご相談の数々なのですが、これは実際に面談でお受けした実話です。

それぞれに特定のプロセスがあって、問題のジャンルも異なりますが、どれも燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)と言えるものです。
一般に言われているのは仕事に関してが多いと思うのですが、燃え尽きているのは心なので、仕事にせよ、恋愛にせよ、あらゆるジャンルにこれは存在します。

何が燃え尽きてしまったかというと心のガソリン。
かつては満タンだった心のガソリンも使うたびにどんどん減って行ってやがてはカラに限りなく近づいてしまいます。
要するにこの状態はガス欠のようなものとも言えますね。

心のガソリンとは何かというと、やる気だったり、情熱だったり、好きという気持ち、意欲、愛情、優しさ、安らぎ、責任感、夢、等々、僕達を動かす様々な感情です。

車ならばメーターがあって、ガソリンが少なくなればガソリンスタンドに行けば(お金さえ払えば)いくらでも燃料を補給してくれます。
でも、心にはメーターもなく、またガソリンスタンドも街中にあるわけではありませんね。
自分で自分の心をチェックしながら(これがメーター)、自分の心を満たせる何か(これがガソリンスタンド)を見つけてあげる必要があるんです。

最近、エッセイの中で僕や他のカウンセラーが、心に余裕を持つこと、ホッとできる時間を作ることなどのお話をさせていただいているのですが、それくらい今の生活の中で、それを見出せない方が多くいらっしゃるように感じているからかもしれません。
(エッセイや講座のテーマはリクエストに応えることも多いのですが、その多くは最近感じていることや直感的に選ばれるんです)

そんな燃え尽きちゃった方々への僕なりのアプローチをお伝えしたいと思います。

●何を我慢しているんだろう?

「〜しなければいけない」という観念を、たくさんお持ちかもしれません。
「やるほかないし、仕方ない」という諦めを、たくさんお持ちかもしれません。
このどちらも僕たちの感情を抑圧してしまう方法です。

確かに会社や社会生活の中では、そうしたルールも必要かもしれません。
でも、それが1日ずっと、1週間ずっと続いてしまうと、やがて心がどんどん麻痺してしまい、ガス欠になっていきます。

だから、何を我慢しているのかをまずは思い巡らせて見ましょう。

でも、これはちょっと勇気が要るかもしれません。
だって、自分が我慢していることに気付いてしまったら、もう我慢できなくなって、今の生活が続けられなくなる恐れを持ってしまうから。
この恐れはとても強い力を持っていて、あなたの毎日を思い切り束縛してしまいます。
この恐れから、焦りや不安、期待が芽生えますし、感情的な抑圧もより強いものになってしまいます。

●自分を認めてあげましょう

頑張っている自分を自分で認めてみようと思ってください。
思春期以降、僕達は“数字”という悪魔に追いかけられてしまうのかもしれません。
偏差値や点数、成績、売上、計数目標、はたまた、自分の体重やウェストのサイズなどなど。

これらの数字は雄弁に現状を語ってくれるものではありますが、これで自分を束縛してしまっては意味はありませんよね。

これは僕たちの心が持っている「評価されたい」「認められたい」という願望が作り出しているものですね。

でも、成長していくと認められるのはほんの一握りの人材で、むしろ「出来て当たり前」「頑張るのは当然」という風潮もあるお陰で、なかなか自分自身を認めてもらう機会にはめぐり合えません。
だからこそ、数字などの客観的な指標を頼りにしてしまうのも僕たちの弱さなんだろうと思います。

今日は、そうした指標はちょっと横において、自分自身を客観的に見つめる時間を作ってみてはいかがでしょうか。
ちょっと想像してみて下さいね。

今目の前に大きなスクリーンがあって、あなたは今から始まる映画を特等席で見ています。
そして、カタカタとフィルムが始まり、そこには今のあなたの日常が映し出されています。
どんな表情で毎日を過ごしている主人公(=自分)がいるでしょうか?
その主人公は何を悩み、何を苦闘し、そして、何を頑張っているのでしょう?
その主人公にあなたから送りたいメッセージは何でしょうか?

●あなたにとっての幸せって何だろう?

自分に自信が持てないと、数字や周りの人からの評価に自分自身の価値を置いてしまいます。
これは心にとってはとても辛いことですね。

自信を付けることももちろん大切ですが、その前に、まずは自分にとっての幸せ、私にとって大切にしたいものを、改めて見つめてみましょう。

「私の幸せ」
これが今のあなたにとっては何よりも大切なものかもしれません。

これを思い浮かべることも勇気が必要かもしれませんね。

●あなたの欲しいものはなんでしょう?

欲しいものを欲しいということ。
これはとても勇気の要ることかもしれません。

「俺、こんな人生送りたいんだよね」
誰かにそう話すことも、とても勇気のいることかもしれません。

だからこそ、チャレンジのしがいがあるテーマだと思いませんか?

「欲しいって言ったって、手に入るものじゃないから虚しくなるだけ」
これが人生を本当につまらないものにしてしまう秘訣ではないかな。
そう思った時に、気付いて欲しいことがあるんです。
欲しいって言わなくても、今のあなたは既に虚しさに包まれていませんか?

「これ以上しんどくなる可能性があるなら、もう求めない方がいい」
そう思われるかもしれません。
とても悲しい気持ちが心に詰まっているみたいです。
その気持ちを誰かに聴いてもらってはいかがでしょう?

普段持ち歩いているスケジュール帳の余白ページにこう記してみましょう。
「私の欲しいものリスト」

人、モノ、行動、なんでもOKです。
ただ、思いつくままに、思いついた時にそのリストを作って見てください。

これはあなたの心にわくわく感を作り出してくれる効果があるんです。
そして、この1週間以内にできることは全部やってみよう、と思ってみてください。

●最後に

実際の面談の中では最初の我慢しているものはなんだろう?というところを一番重視することが多いですね。
そうしてあの手この手で、いっぱいいっぱいな今の心を楽にするような方向で話を進めていきます。
一番シンプルな方法としては、ファッションを変えてみることをお勧めすることが多いです。
変化が一番わかりやすいですから。
ミニスカートを履いてみる、時計や財布を変えてみる、靴を買ってみる、下着を変えてみる、等々、結構皆さん恥ずかしながら、楽しみながらチャレンジしてくださってるようです。

でも、燃え尽きてしまったときは、後の前向きなチャレンジにはなかなか踏み切れないことが多いですから、心をほぐしていったり、楽にすることを最優先にしています。

我慢していることを吐き出したり、辛い気持ちを伝えることで、心に余裕ができますから、面談の最後に僕が感じた価値や魅力、才能をいくつかお伝えすることが多いですね。
そうして、自分自身を取り戻していくことをテーマにします。

知らず知らずの内に心に蓋をしてしまい勝ちな毎日ですから、日ごろからここで紹介したようなことを思い浮かべて、心を大切にしていただけたらな、と思っています。

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