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Lecture.716

無気力は自己更新を求めるサイン

講師:大塚統子
何事にも気力がわかないとき、私達の心は燃え尽きています。心のエネルギー源になるポジティブな感情が感じられなくなり、無感覚・無感情で、心はあきらめや絶望に支配されています。無気力の行き詰った閉塞感は「全部がイヤ」という破壊願望に誘惑しますが、心理的にはまったく新しい自分を求める「生まれ変わりの願望」が強くなっていると理解します。
やる気を奮い起こすには、義務や役割や規則に縛られた「古くなった自分のやり方」を手放し、今までと違うやり方・発想を取り入れていく必要があります。その過程では、自分自身を失うオソレや変化への抵抗と疑いが出てくるでしょう。自分のやり方を変えるには、信頼して助けを求めること、自分を否定するのをやめて自分と現状を肯定していくこと、ネガティブな感情と向き合って封印した自分の願いに出会うなどの方法があります。
Keywords
燃え尽き 生まれ変わりの願望 自分のやり方 自立 助けを求める

◎リクエストを頂きました◎
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気力が全くわきません。うつ病ではありませんが、仕事もプライベートも全体的に気力がわかず、毎日ガソリン切れみたいな状態です。こんな状態から抜けるにはビジョンを持つことだと言われましたが、気力なさすぎでビジョンも思いつきません。こんな重い荷物みたいな自分をどうしたらいいでしょうか。
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○新しい自分への招待状

仕事にもプライベートにも気力がわかないとき、心は消耗して燃え尽きている状態です。「ガソリン切れ」の言葉通り、情熱や喜び、使命感・充実感・達成感・成功感など、やる気のエネルギー源になるポジティブな気持ちが感じられないために、心がエネルギー不足を起こしています。

心がエネルギー不足のとき、私達の心は虚しさやうんざり感で溢れているか、あるいは無感覚・無感情で、あきらめや絶望に支配されています。生まれてきた意味・生きていく意味を見失って、「疲れ切って何もしたくない。すべてを投げ出したい。」という誘惑に駆られる場合もあります。これは、一見破壊願望のように見えますが、心理的には、「まったく別の新しい自分になりたい。」という「生まれ変わりの願望」の現れと理解します。

「どうにも気力がわかない。」とき、「今のやり方ではもう限界ですよ。新しい自分に進化しましょう。」というメッセージがやってきています。

○自分のやり方を手放す

私達は子供時代(依存時代)に「愛してほしい」と望んで「思うように愛してもらえない」と落胆し傷つきます。それは辛いので、傷つかないために「人に甘えない」「自分に厳しくする」「辛くても我慢する」「とにかく頑張る」と自立していきます。そして、自分なりの考え方・自分のやり方を確立します。

ところが、この自分の考え方・やり方に頑固になると、「〜すべき」という義務、「彼氏(彼女)だから」といった立場による役割、自分が決めたルール(規則)などに縛られてがんじがらめになります。オソレが動機になる「やらねばならない仕事」が増えて、遊びや自由さや楽しさがどんどん心からしめ出されていきます。ここまでくると、かつては役に立った自分のやり方が、逆に自分を苦しめるものになっていきます。

自分なりに工夫して築き上げた自分のやり方を変えようとすると、こだわってきた自分自身が無くなってしまうオソレや、今までの自分が無駄になるような無意味さを感じるかもしれません。

でも今、限界の閉塞感を感じているのなら、今までと違うやり方・違う発想を取り入れることが新たな希望や可能性をもたらすでしょう。

○自分を更新する方法

古くなった自分のやり方を変えていくための方法をいくつか紹介します。

●助けを求める

もし、あなたが自立して多くを一人でがんばってきたのならば、誰かに助けを求めてみましょう。自立の次にあるのは「助け合う・共に生きる・誰かと一緒にする」相互依存のステージです。

助けを求めようとすると、ずっと一人でがんばってきた人にとっては、「一人でできない自分が情けない。」「人を頼ると自分がダメになる。」「自分以外を信じられない。」「自分がやった方が早い。自分でした方が思い通りにできる。」などと抵抗が出てくることがあります。

自分が変わることには不安がつきまといます。だって、絶対にいい方向に変わる補償はありませんから。知っている自分でいる方が取り扱いに慣れているし、これ以上悪くなるよりはましなのでは、と変わらない理由を探そうとします。

それでも、「もう一度人を信じよう。」「自分のダメさよりも、助けてくれる人の優しさを見よう。」と自分の殻を破る勇気が、古いやり方の限界を超えさせてくれるでしょう。

●自分を肯定する

「もうこれ以上がんばれない。」ほどにがんばってきた自分を感じてみましょう。ボロボロになって、それでもがんばってきた自分。目立つ成果は出ていなかったとしても、自分がどんなふうにがんばったのか、どれだけ踏ん張ってきたのかは、自分はよく知っているはずです。

これまで「がんばれていない。」「ぜんぜんダメ。」と自分を否定してきたのなら、それをやめることが自分のやり方を変えることです。現状をすべて肯定するところから変化は始まります。

●感情を取り戻す

自分の気持ちを後回しにして「やらなきゃいけないこと」を優先してきた結果、自分の望みは叶わないものとあきらめていないでしょうか。静かな怒りと共に、呑み込んだ夢や希望はありませんでしたか。感情がまったく動かないような感覚になっていませんか。

本当にしたいこと・望むことのビジョンを思い描けないとしたら、それを覆い隠しているイカリや絶望などのネガティブな感情と向き合う必要があります。

悔しさや悲しさを押し殺すために心のエネルギーを費やしていると、人は無気力になります。感じたくないから封印してきた気持ちですが、思い切って感じていけば感情は動き出します。感情が動けば、新たに気づくこと、あきらめの奥に隠れていた自分の願いを発掘していけるでしょう。

過去に強く願ったからこそ、叶わないのが辛すぎて望むのをあきらめたのだとしたら。あの時の自分の気持ちを、今の自分で受けとめてみましょう。自分の心が動いたら、あの時とは形を変えた願い(=ビジョン)に出会いやすくなるでしょう。

(完)

関連する講座へのリンク集
7.いい恋をするために知っておこう!私たちの成長のプロセス〜人の成長プロセス Part2 『自立』〜
76.燃え尽き症候群〜バーンアウトシンドローム〜
85.デッドゾーンを越える為に〜あの山を越えた向こうに見えるもの〜

137.諦めの心理学〜怒りと絶望とデッドゾーン〜
290.デッドゾーン理論
391-1.デッドゾーンの心理学(1)〜自立の最終段階〜
532-1.頑張りすぎていませんか?(1)〜頑張らなくていいの?〜
671.「いきづまり」を感じる時〜自己肯定でモチベーションを取り戻す〜
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