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Lecture.628

わからないと言えず、ごまかしてしまうとき 〜わからないことを笑えるゆとりをもつ〜

講師:土肥幸司
「わからないことがあると、ごまかしてしまう心理」についてリクエストを頂きました。私達はその状況に対し、きちんと理解できていない、うまく対応できないと感じたとき、自分自身を守るために適当にごまかし、対処してしまうことがあります。その要因はわからないと叱られた、うまくできないと認めてもらえなかったという幼少期の苦い経験に基づいていることが多いのです。
もしも、あなたが「また、ごまかしてしまった」と後悔したり自分を責めているとしたら、わからないことをすなおに認める勇気が必要なのかもしれません。今回の心理学講座では「ごまかさず、まっすぐに人と関われるようになるため」の考え方、受け止め方についてお伝えさせて頂きます。
Keywords
罪悪感 防衛 役に立ちたいという思い 認める 繋がり

◎リクエストを頂きました◎
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いつも勉強させていただいております。
人から何か問われて、自分は本当は知らないのに「知らない」「わからない」と言わず、何か適当なことを言ってごまかし、その場を切り抜けてしまおうとする心理とはどういうものなのでしょうか?
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●わからないことは、いけないという思い

あなたが何か質問やお願いをされて、答え(応え)られなかったとしたら、どんな気持ちになりますか?
おそらく、多くの方が「バツが悪い、答えられなくてカッコ悪いな〜、申し訳ない」と感じるのではないでしょうか。

・わからないことは、いけないこと

私達は子どもの頃から教育やしつけを受けてきました。そして、「いろいろなことを覚えてきた(知識を得てきた)」んですよね。分からないことを学び、理解できるようになったのです。
周りの大人(親や先生など)は私たちが上手くできるようになると認めてくれました。質問に答えられれば「すごいね」「あなたは優秀ね」と褒めてくれ、それが嬉しくてもっと勉強に励んだという方もいらっしゃると思います。
その反面、うまく答えられないと、「ダメな子ね」と叱られ、居残りで勉強をさせられたり罰を受けた方も多いのではないでしょうか。

そのような経験を通して、私達の心の中に「分からないことは、いけないこと」という思いが植えつけられ、人から問われたとき、何か言わなければいけないと思ってしまい、「わからない」とは言えず、適当なことを言い、ごまかしてしまうのです。

●ごまかしてしまうときの心理

・防衛本能が働く

前項では「私達はわからないことに対し、罪悪感を感じ、それを補うための言動がごまかしである」ということを説明させていただきましたが、それとは別に、単純に「分からない、知らないこと」に対しても私達は怖れをもっているようです。

例えば、あなたが山で遭難し空腹で倒れそうなときにキノコをみつけたとします。空腹に堪えられないので、そのキノコを食べたいのだけど、もしかしたら毒キノコかもしれない。
そのような怖れがあれば、あなたがキノコに対しての知識がない分、より一層不安になるでしょう。その不安がつよければつよい程、私達は安心したいがためにすぐに答えを見つけようとするのです。
「このキノコはいつも食べている山菜そばに入っているものと同じだから、大丈夫だろう」とか「今まで一度も見たことがないし、怪しい形をしているから、きっと毒キノコだろう」...と

誰かとのやり取りの中でも同様で、知らないことがあっても知らないという不安でパニックに陥らないよう、無意識に防衛本能が働き、「これは〇〇なんだ」「〇〇はこうであろう」と答えを出そうとします。そのように気持ちを整理することで混乱している状況から早く抜け出そうとし、何でもいいから答えようと適当なことを言ってしまうのです。それが周りからみると、ごまかしているように感じてしまうんですよね。

・役に立ちたいという思い

ただ、一見、ごまかしはいけないことのようにも思えますが、もしかしたら「やさしさの裏返し」なのかもしれません。誰かに何かを問われたときに本当は全然、分からない。でも、「何とかこの人の役に立ちたい」「期待に応えたい」という思いがつよい人ほど、必死になり答えを探そうとするでしょう。懸命に役に立てる言葉を見つけようとするでしょう。
例え、訊いた側からすると、ズレた答えであったとしても、その裏には「やさしさや様々な配慮」が隠れているのかもしれませんね。

●わからないことを認め、伝える

もしも、あなたが「いつも、ごまかしているな」と感じていたら、「わからないとすなおに認め、表現すること」から始めてみましょう。
わからないと強調する必要はないと思いますが、それを言えたら、とてもラクになります。

わからないことがあっても、決して悪くはないのです。
本当はよく知らないのにスラスラと答えている人を見ると、要領がいいな〜とは思いますが、あまり心に響いてこないし「この人、信頼できなさそう」という印象を与えてしまうこともあります。
でも、すなおに分からないと言ってくれたら、「何か伝えたいな、サポートしたいな」と思えるし完璧じゃない分、人間味を感じられるんですよね。

肩肘張らず、ごまかさずに生きている人を見ると、自然体でいいなと好感をもてるし、こちらまでリラックスできるのです^^

●おバカを笑えたら幸せ

もしも、あなたが誰かに「あなたは無知ですね」と言われたとして...

「そんなことはない」と分からない話題に首を突っ込み、ムキになって見解するより
「そうですね。私は無知でおバカですから」...と笑って言えたとしたら

そのほうが幸せなのかもしれませんね^^
互いの力が抜け、垣根もとれるし、相手を近くに感じることができるでしょう。

そして、「わからない、知らない」という状況をネガティブに捉えず「まだまだ覚えられるんだ」という発想をもつと人生は楽しくなってきます。
すべてが分かってしまったら驚きや新鮮さがなくなり、退屈になってしまいますよね。

「わからない」がたくさんある...というのは、楽しいことなんです^^

ごまかさずに、すなおに表現していきたいですね。

(完)

関連する講座へのリンク集

156.罪悪感の心理学4〜何もしていない、という罪悪感〜
182.「ごめんなさい」が言えない心理
183.弱さを受け入れて手に入るもの〜優しさの成長〜

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