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Lecture.574

遅刻グセのある人とのつきあい方〜自分の中の干渉欲求に気付く〜

講師:三島桃子

遅刻したり期限を守らなかったり、といった「遅刻グセ」のある人と一緒に仕事をしていると、その人のフォローのためにバタバタと対応しなければならなかったり、気持ちの上でもイライラさせられたりすることがあります。遅刻グセについてはその人自身がどうにかしようと真剣に思わないとどうにもならないようなところがありますが、一緒に仕事をする身としては、少しでもストレスを小さくしたいものです。そのためにはどんな気持ちの持ち方をすればいいのでしょうか?遅刻グセに限らないのですが、一般的に見れば「困った人」にどうも振り回されている感が強く、そのことで自分自身がしんどくなる、という場合、実は自分がその人に対して干渉的になっていることがあります。「私だったらもっとちゃんと考えるのに」などと無意識に思っていたりするんですね。そういった気持ちを手放し、心の中で適度な距離をとると、それだけでもストレスの軽減になります。

Keywords
遅刻 期限を守らない 干渉 コントロール 責任

◎リクエストを頂きました◎
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いつも遅刻してくる、期日を守らない知人がいます。こういうパターンの人は罪悪感が強いので、罪悪感を感じやすくなる状況を作っているのだと心理学講座で読んだことがある気がします。それは理解できるのですが、こういうパターンの人と一緒に仕事すると、とても大変です。直前になって、「どうしてもできないんです」と言われたり、当日急に予定変更されたりするので、結局周りが振り回され疲れてしまいます。こういうパターンの人とストレスを最小限に接していく方法をアドバイスお願いします。

(一部編集させていただいております。)
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リクエストをいただきありがとうございます。

遅刻を繰り返す人は罪悪感が強いために、罪悪感を感じやすくなる状況を作ってしまう、ということは確かに心理学ではよく言われることです。

少し言葉を付け加えると、何らかの事情から「私は良くない人間だ」という自己概念を持っていて、遅刻をすることによって周りの人に対して「ほら、見ての通り私は良くない人間です」と示してしまう状況です。もちろん本人も意識してやっているわけではないのですが、無意識にある「私は良くない人間だ」という思い込みというのは、なぜか行動になって表に現れるんですね。

これは、無意識のパワーが意識のパワーよりはるかに大きいためだと言われています。意識でいくら「遅刻しないぞ、ちゃんとするぞ」と思っても、「私は遅刻するような悪い人間だ」という無意識の巨大なパワーに負けてしまうわけです。

この課題を乗り越えるためには、本人が「何とかしよう」と思うことが大切です。本人がその気にならないことには、なかなか遅刻グセは改善されない場合が多いのです。

では、リクエストの方のように、遅刻グセのある人と一緒に仕事をしている人はどうしたらいいのでしょうか?

いつも遅刻したり期限を守れない人と仕事をしていると、迷惑をかけられる周りの人たちは当然ながらイライラしたり腹を立てたりしますよね。けれどもよく観察してみると、「腹は立つけどそれだけ」という人と、腹立ちと同時に「どうして遅刻グセを治そうとしないの?私だったらちゃんと考えるわ。そのままでやっていけると思っているなら甘いわよ!」というような気持ちを感じる人がいます。

「腹は立つけどそれだけ」という人は、そのことで心を煩わされるのはわずかな時間ですみます。迷惑をかけられた時はイライラもするけど、それ以外の時は別に自分の気分が悪くなることはないわけです。

一方、「どうして遅刻グセを治そうとしないの?なぜちゃんと考えないの?」というような気持ちが強い人は、ある意味その人に対して干渉的な感覚を持ってしまうので、その人のことが気になる度合いが強く、その分イライラさせられることが多くなります。自分に直接の迷惑が及ばない時でも、「ああ、またやってる!いいかげん考えなさいよ!」などと内心怒りモードになっていたりします。

干渉的にならない人は、「あ、またやってる」と思っても、「ま、今回は私には関わりがないし、別にいいか」ぐらいの気楽な感じでいられるんですね。

干渉的になる、というのは、その人をコントロールしたいという欲求を持つ、ということでもあります。頭でそう考えているわけではないのですが、無意識的には実はそういう気持ちを持ってしまっている、ということです。そして、「私は正しい。あの人は間違っている。あの人は自分の間違いを正すべきだ」という感覚が心の奥の方にあったりします。

こういったコントロールを手放すことが、その人との関わりを今よりも気楽なものにします。ちょっとざっくばらんな表現になりますが、「あたしゃ知らないよ」ぐらいの感覚でいてかまわないのです。そのぐらいの気持ちでいた方が心理的に適度な距離をとれて干渉的にならずにすみ、イライラ感も小さくなります。

アニメ「ちびまる子ちゃん」の中で、主人公まる子が、級友の珍妙な行動に対して「げげっ、あたしゃ知らないよ」と内心つぶやくことがあるのですが、そんな感覚だと思っていただくといいですね。ひどく冷たいわけではない、少し心配する気持ちもないではない、でも「お手上げ」であることをシンプルに認めている感じですね。それでいいのです。

仮に仕事に支障が出たとして、それは最終的には責任ある立場の人がちゃんと考えなければならないことです。期日を守らない人に対しての指導や、チーム編成の仕方など、考えるべき人がいるはずですし、最高責任者(社長など)の存在もあるでしょう。そういう人が担うべきところは本来気にしなくてもいいわけです。

知らず知らず他人に対してのコントロール欲求を持つ人は、責任を必要以上に背負い過ぎる傾向があります。だからこそ周りの人のミスに(自分のミスにも)人一倍腹を立ててしまったりします。背負っている分だけプレッシャーも感じるし、期限を守らない人に対して「私はこんなに一生懸命やっているのに!」という思いが出てきます。

自分がどこを担っているのかを整理し、担うべき以上のところで責任感を感じ過ぎないように調整するというのも大事なことですね。

どうしてもコントロール的な気持ちを手放せなかったり、相手への腹立ちがおさまらない場合は、自分の気持ちの深いところと向かい合ってみると、心の奥に意外な感情が隠れていることに気付くこともあります。そういうアプローチも場合によっては考えていただくといいかもしれませんね。

 

関連する講座へのリンク集

322.遅刻癖の心理〜罪悪感があると遅刻する?〜
338-2.罪悪感が作り出す罠(2)〜“責められる/責める”が増える〜

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