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Lecture.511

責任感の心理〜人生にYES!と言う姿勢〜

講師:多田陽香
責任感には2つあります。1つは、「この件に関しては受けて立とう!」というような、能動的な気持ちからくる、自然なリーダーシップ。そしてもう1つは、「責められそうだから嫌だけどやらなきゃ・・」というような犠牲をもとにした重責感です。前者のポジティブなものは、その人の器や才能に関わるものですが、後者は罪悪感の罠に嵌ってしまっている状態です。後者の場合は、「自分で選んだ」という自主的な感じがなく、やる気も出ませんね。
今、自分が持っているものや環境は、自分で意識できたかできなかったかに関わらず、≪自分で選んできたことの結果なのだ≫ということに直面することが出来たら、私たちは人生の道中に失ってきたパワーを、今ここに取り戻すことができるのです。
今回は「責任感って何だろう?どうして感じるのだろう?」というリクエストにお答えしてお話ししていきます。
Keywords
責任感・アカウンタビリティ・リーダーシップ・受容・罪悪感の罠

◎リクエストを頂きました◎
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責任感の心理について知りたいです。
どうして人によって責任感の強さに違いがあるのでしょうか?
責任感ってどんなルーツでできあがるのでしょうか?
責任感の強弱を、自分で調整することは可能ですか?
例えば、仕事で、「できなくて周りに白い目で見られても気にしない」と平気で言える人もいれば、そうでない人もいます。
私自身は、責任感が強すぎて自分の首を絞めていると感じることが多いので、責任感を少し減らして気楽になりたいと思っています。
責任感の作られ方と上手な付き合い方について教えていただければ嬉しいです。
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リクエストをありがとうございます。
心理学の基礎に「投影」という言葉があります。これは、私たちが知覚している世界というのは、自分自身の意識を投射しているものである、という意味なのですが、
逆に言うと、自分の意識の中にない事柄に関しては、見えないし、聞こえないし、感じられないというわけです。

つまり、自分にとって絶対に不可能だと信じている事柄については、私たちの責任感は何も反応しないようです。
例えば、「どうしてあなたは100メートルを9秒台で走れないの?」と責められても、別に何とも思いませんよね。でもこれが、オリンピックレベルの陸上選手であった場合には、心に響くわけです。

また、様々な事柄に対して広く責任感を感じられる人というのは、「自分にはこれが出来るかもしれない、あれが出来るかもしれない」という風に、ご自身の可能性を心のどこかで感じているということになります。

また例えば、ある分野に対して責任感をとても強く感じられる方、というのは、その分野のことでは、自分をどんどん鍛え上げていけるということです。これは、その分野に才能があるということです。

例えば、野球選手のイチローさんは、野球のことで、どれだけご自身にハードな練習をさせてきたでしょうか。どれだけ自分を追い詰め、とことんまで挑戦し、限界を超えてきたのでしょう。
そのように自分を鍛え上げることが出来るのは、自分の才能を信じていなければできることではありません。

健全な責任感というのは、「私は、このことに関して、やれることがある!」という信念のもとに湧き上がる気持ちです。
「この件に関しては、私が引き受けますよ。」「受けて立とう!」という勇敢さがあります。

そして、この場合の「責任感」と言うのは、≪受容能力≫のことでもあります。

この世界に起きている事柄について、あなたが反応できればできるほど、それはあなたにこの世界を変えていくためのモチベーションやリーダーシップがあるということなのです。

次に、責任感が「罪悪感」や「失敗感」などのネガティブな気持ちとくっついてしまっている場合を考えてみます。

責任を重く感じすぎて、「全部自分のせいだ!」と責めすぎてしまい、身動きが取れなくなっている方もいらっしゃると思います。

責任感を感じすぎて、鬱になったり、引き籠ったりしている場合には、責任感を大事にするよりも、まずは罪悪感を解消してゆくことが重要になってきます。

罪悪感とは、自分を責め、その結果、相手を責め、さらには世の中を責め、「批判」という檻に囚われてしまい、身軽に動けなくなることです。
正しくあろうとするけれど、人としての幸せからは遠ざかる「罠」です。
この罪悪感にさえ囚われなければ、人生はとても彩り豊かで素晴らしいものになります。

罪悪感の罠にハマっていると、責任感は、重圧感に感じられ、
「申し訳ないから頑張る」とか、「責められそうだから努力する」とかいうような、受け身で被害者的な気持ちが強くなります。

また、いろいろなことを人のせいにする傾向がある人と言うのは、責任感が足りないというよりは、もうずっと前から、ご自身の感情を大切にしないままで暮らしている状態なのです。

自分を数にも入れていないような状態が常ですから、何かにつけ我慢をし、気づいたらこんな人生になっていた・・・という結果に、ご本人がひそかに驚愕しています。

そしてもう「自分はこんなものだ・・」「世の中はこんなものだ・・」と絶望し、今さら自分の潜在意識と対話したり、自分を大事にするなんて面倒くさいと思っている場合があります。
そんな自分にいつもどこかで自己嫌悪し、出口がなく、他を責めるしかしようがなくなるのです。

これは心理的な「罠」にハマってしまっている状態であり、この「罠」に日々パワーを吸い取られているので、無気力になったり、目の前の大事な事柄からも逃避したくなったりします。
「罠」にひっかかっていて、どんどん生気を吸い取られていっているようなものです。

この「罠」の解毒剤は、ご自身の感情をそのまま大事にすることです。抑え込まないことです。
今の、そのままの自分を責めないことは、非常に重要です。

例え今、どのような心理状態であれ、その必要があってそのようになっているのです。あなたのよい未来のための準備段階なのです。

病気を治すのに、痛い注射や手術をしなければならないのと、同じようにお考えいただければと思います。注射や手術は痛いけれど、それは「罰」ではなくて、前に進むための近道です。

今の自分に「YES」ということ、OKを出すことは、非常に大きな一歩です。
今持っている環境が不快でならない場合にでも、いったんは文句を辞めて受容する姿勢を取ってみると、逆説的ですが、背負うモノがなくなり、軽くなるのです。

受容が本当に進むと見えてくる世界は変わります。
今まで背負ってきたものはあなたの人生や環境ではなくて、「ただの罪悪感だった」ということがわかるでしょう。

さらには、「この今の自分は、神でも、親でも、パートナーでも、上司でも、隣人でも、誰のせいでもなく、自分が選んできたんだ!」ということに直面し、原点に立ち帰ることが出来たなら、あなたはこれまで歩いてきた道のりに落としてきた『大いなる遺産』を取り戻すことが出来るのです。

それは私たちが人として生まれてきて味わうことのできる、最高の気持ち、愛と歓びの感覚です。

≪自分の歩いてきた人生に責任を持つ≫という姿勢を取ることは、一見重苦しいようで、実は罪悪感の「罠」を消し去り、喜びの方向へと向かうための、とてもパワフルな方法なのです。

関連する講座へのリンク集

190.罪悪感の心理学5〜誰かのせいにしてしまうのはなぜ?〜
341.選択の力 〜パターンからの脱却〜
353.受容の力
398-1.アカウンタビリティ(責任の概念)(1)〜アカウンタビリティとは?〜

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