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罪悪感にまつわる心理状態は、あらゆる変則的な展開で起こるため、一見それとはわかりにくいのですが、それが心理的な罠といわれるゆえんでもります。
そして、開き直りの態度もまた、罪悪感の痛みによってもたらされる痛みの解放の一つです。
しかし、ここでは問題の本質的な部分の解消や解決が図れるわけではないので、結果的に問題が問題のままでとどまっている状態なのです。
罪悪感の罠から抜け出すには「私のせいで」という加害者意識⇔被害者意識のストーリーから無害者、つまり「誰かが悪い」という思いを手放して行くことが大切となってきます。
問題の本質を理解し、改善・解消して行こうとする素直さと、何よりも自分自身に対しての良い態度を心がけて、根気よく取り組んで行きましょう。

Lecture.354

罪悪感からの避難所!?〜開き直りの心理〜

講師:熊谷佐知恵
心理的な問題をみていくとき、これでもか!というくらいに取り上げられている罪悪感ですが、開き直りについても、実はこの罪悪感との深い関係があります。
罪悪感という罪の意識に反して起こる、開き直ってしまうときの私たちの心の状態をシンプルに客観的視点から受け止めることができたとしたら、この「原罪」ともいわれる罪の意識に振り回され問題をこじらせることなく、解決のヒントに役立つかもしれません。
Keywords
罪悪感 開き直り 心の逃げ場 自己攻撃 解放

◎リクエストを頂きました◎
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罪悪感についてのお話がありましたが、逆に開き直ってしまう時の心理というのはどういう状態なのでしょうか。
時々、明らかに自分の不注意で起こしてしまったミスで、最初のうちはショックだったり落ち込んだりするのですが、それを人から責められると、逆に「私は悪くないもん」と開き直って、周りのせいにしたり、どうしようもなかったんだと思い込むようになって、初めに感じたショックも薄れていくような気がします。
これは、反省もしないずるい人間という事になるのでしょうか。
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リクエスト、ありがとうございます。

罪悪感にまつわる心理状態は、あらゆる変則的な展開で起こるため、一見それとはわかりにくいのですが、それが心理的な罠といわれるゆえんでもります。
そして、開き直りの態度もまた、罪悪感の痛みによってもたらされる痛みの解放の一つです。
今回は、この《罪悪感》と《開き直り》の意外な関係と、ここでの罠から抜け出すヒントについてお話したいと思います。

●罪悪感と開き直りの意外な関係

罪悪感とは、罪の意識によって、罰を受けなければという観念(意識されていない先入観)が作り出すもので、「自分が悪い」「すべては自分のせい」という感情が芽生えたときに「ならば、自分は罰せられなければならない、罪を償わなければならない」と思う心の動きです。

「何かしてしまった」あるいは「何もしていない」自分は悪い人間だと感じることで、自分自身を裁いてしまうことから、罪悪感とはまるで、私たちの人生から幸せや喜びを取り上げてしまう、心のがん細胞のような感じともいえます。

リクエストにお寄せいただいた内容を引用させていただくとしたら、“自分の不注意で起こしてしまったミス”を具体的な間違いや失敗と受け止め、それに対しての改善や解消に努めることができたなら、心理的な罠(この場合は罪悪感)の引き金を引くことも少ないのですが、起こしてしまったミスを「自分のせい」にしてしまうことによって、私たちは、いつの間にか、この罪悪感を担ってしまうのです。

ここでは、“起こってしまったミス”を自分のせいにして、罪の意識を感じてしまう罪悪感と、解決の意図を持って取り組む責任感とは別のものであることをご理解いただけますでしょうか?

今回のポイントである、開き直ってしまうときというのは、この意識されていない心の領域で行われているもので、こういった経験は、誰にでもあることだと思います。

また罪悪感は、強い心の痛みや苦しみをともなうものです。
その嫌な感情を感じたくない目的から、どこかに心理的な逃げ場を探して、さらに感情を抑圧させてしまったり、他の原因や理由に転嫁させてしまうことで、心の痛みから逃れるための防衛を試みるといった意図が、意外にも同じように意識されていない心の領域で瞬時に行われてしまうところに、この罠の仕掛けがあるようです。

そして、罪悪感という自己攻撃が痛みとなって、その痛みの許容量を超えることで起こっているのが抵抗です。

抵抗は、自分で自分を責めた度合いだけ、外側に向けて放たれるときには、同じように他人に対して、その攻撃性を向けてしまうことがあります。

開き直ってしまうときの心理というのは、「自分の罪は自分で罰しますから、これ以上、私を裁かないでください」という感じで、いっぱいいっぱいの時に、そこに加わった刺激に反応する形で行われる防衛や逃避などの手段を通した痛みの解放ともみることができます。

しかし、ここでは問題の本質的な部分の解消や解決が図れるわけではないので、結果的に問題が問題のままでとどまっている状態なのです。

具体的には、そのときの反応や態度を使って、さらに罪悪感を感じるような心の動きが起こってきてしまいます。
そして、この堂々巡りにはまっている限りは、その問題を理解したり、癒したり、許すことは困難になってしまうのです。

●罠から抜け出すために

このように開き直り(攻撃や防衛)も、実のところ、心の痛みからの一時的な逃げ場を与えてくれるに過ぎません。

残念ながら、開き直ってしまう態度というのは、私たちの本当の心のやすらぎをもたらしてくれることではなさそうなんです。

では、痛みではなく、いい気分を味わえるようにするにはどうしたらいいでしょうか?

罪悪感の罠から抜け出すには「私のせいで」という加害者意識⇔被害者意識のストーリーから無害者へ、つまり「誰かが悪い」という思い癖を手放して行くことが大切となってきます。

罪の意識そのものから解放されることが、私たちに豊かな才能や本当の自由を感じさせてくれる境地に導いてくれます。
それには、自分や人をもう一度、信頼することを学ぶ必要がありそうです。

まずは、何に対して罪悪感を抱いてるのかを見直してみましょう。
罪悪感の正体を客観的に見つめなおし、丁寧に取り除くことで、罪悪感による罠にエサを与えずに済むからです。

でも、罪の意識が“許された”と感じれるために罪を償おうとする補償行為や犠牲であってはいけませんよ。

そして、自分や人に対して「裁きの思い」があったことを認め、受け入れ、許すんです。
それができているときが、ありのままの自分、等身大の自分にOK!を出せている状態であることを意味します。

たとえば、「ときどき、わからないことをわかった振りをして、人に相談もせず、コトを進めて失敗してしまう、負けず嫌いなところもある私ですが、どうぞよろしくお願いします」と素直に言える人って、どんな感じがするでしょうか?

自分の悪い癖も素直に自分自身で受け入れられている人って、何となく親しみやすい感じがしませんか?

問題の本質を理解し、改善・解消して行こうとする素直さと、何よりも自分自身に対しての良い態度を心がけて、根気よく取り組んで行きましょうね。

関連する講座へのリンク集

4.罪悪感の心理学〜罪悪感〜
57.ミルフィーユみたいな心〜感情の層〜
104.罪悪感の心理学2〜その影響力と許しへの第一歩〜
313.自己攻撃の心理学〜罪悪感と無価値感の《罠》〜
333.怒る人、正当性を主張する人の心理〜よりよい関係を持つために〜
338-4.罪悪感が作り出す罠(4)〜罪悪感が問題を作り出す目的〜

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