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Lecture.12 「仮面(ペルソナ)」の人生 
講師:根本裕幸
あなたは「○○用の自分」「□□モード」という仮面をいくつ持っていますか?
Keywords
否定
ペルソナ
自己嫌悪
長所
価値

皆さんは「○○用の自分」というのをいくつお持ちでしょうか?
会社用、遊び友達用、本命彼氏用、家族用等々・・・。
俗には「会社モード」「彼氏モード」なんて言うかもしれませんし、「いい社員を演じてる」とも言いますね。

これを心理学用語では「仮面(ペルソナ)」といいます。周りの人向けに作った別の自分です。
例えば、朝起きて会社に向かうときは「会社用」って書かれた仮面をかぶり、人に気を使うしっかりさんモードになります。そして、仕事が終わって遊び仲間と会うときには「遊び友達用」に仮面を付け替え、はじけて元気に遊びます。それが終わって家に戻るとぶっきらぼうな「家族用」に付け替えてみたり、彼氏に会うときにはかわいらしい「彼氏用」の仮面をつけてみたり。
ある人は「ときどき、どれが本当の自分なのかがわからない」と言います。

仮にあなたが大好きな人とデートするときに「かわいい彼女仮面」をつけていたとします。
素直で、気が利いて、かわいい女の子を演じるために、その仮面をつけるわけです。
そして一生懸命彼にアピールします。「あたしと付き合うとお得だよ〜」って。
その努力が実って彼をゲットできたとしますね。
彼はあなたのことを「素直だし、かわいらしいし、とても気の利く素敵な女性だね」と評価してくれます。ところが、それを聞いたあなたは嬉しい反面、なんだか虚しい気持ちがあなたの中に湧き上がってくるとします。狙った彼を見事打ち落として自分のものにできたはずなのに・・・。

どうしてでしょう・・・?
こんな思いを持っているとしたら、あなたは実はこうも感じているはずです。「彼が愛してくれてるのは『かわいい彼女仮面』をかぶったあたし・・・。本当のあたしじゃないんだわ。本当のあたしを見たら、きっと彼は逃げ出すはずだわ・・・」と。

もし、こんな想いを持っているとしたら、あなたは彼をゲットできて嬉しいどころか、「これからもずっとこれを演じなければいけないのね・・・」と絶望やプレッシャーを強く感じてしまうかもしれません。
そして「ほんとのあたしを見れば彼はあたしの元を去っていく」と思えば思うほど、彼の存在が怖くなり、親密になるのを怖れるようになるかもしれません。
そして、気を引き締めて彼とのデートに望まなければいけませんし、常に「粗が出てないかしら」と自分の振る舞いをチェックしなければいけなくなるかもしれません。
これは楽しい恋愛と言えるでしょうか?

また、あなたやあなたの周りにこんなことを言っている人を見かけたことはありませんか?
「彼とね、付き合ったのはいいんだけど、全然付き合う前と違う人間でびっくりしたよ」
「結婚した途端、うちの嫁さんの態度がころりと変わってん。なんか騙されたって感じで気色悪いわ」
すべてがそうとは言い切れませんが、友達でいるとき、付き合っているときにかぶっていた仮面が、付き合いや結婚を機にポロリとこぼれてしまったのかもしれません。

でも、それが本当の自分というわけではないんですよね。仮面っていうのはあなたにもともと備わっている長所を元に作られます。まあ、幕の内弁当みたいにおいしいところ取りした自分なんですよね。だから、そんな仮面をはずした自分を「嫌われるはず」と思うのは当たり前です。だって、嫌われると思うところを外し、こうすれば嫌われないに違いないと思って作った自分が「仮面をかぶっている自分」なわけですから・・・。
だから、ある意味「素の自分」を出して、彼や彼女に上のようなネガティブ印象をもたれるとしたら、それは相当分厚い仮面で自分を隠してきた証拠といえるのかもしれません。

仮面をかぶると息苦しいですよね。でも、かぶりつづけなければいけないとしたら、すごくしんどいと思うんです。だから、それがぽろっと取れる瞬間があったとすると、すごく大きなギャップとして相手に映ってしまうものです。

さて、じゃあ、なんで僕たちはこの「仮面」をかぶってしまうんでしょう・・・。
そのヒントはすでに何度か出てきてますが、実はあなたの自己嫌悪とつながってきます。
ということは、何かあなたの心に傷ついた部分があり、それが仮面を作らせているのかもしれません。

例えば自分が冷たい人間だと思っているとすると、何かそう思わせる出来事があったはずです。そこで痛みを感じた分だけ、冷たい人間は当然人から嫌われると思います。そうすると冷たい自分を隠すために、優しい自分という仮面を作るわけです。

また、自分ではそのつもりはないのに「お前は暗い」と周りの人から言われたとしますね。
「暗い」といわれてショックを受けて傷ついてしまったとしたら、自分を暗くない人間であることを証明しなければ、友達や恋人ができなくなってしまうと思うかもしれません。そこで「明るい俺」って仮面を作って、明るく振舞うんです。でも、その心の中には常に「俺って暗い奴だ。だから明るくしてなければならない」という怖れとプレッシャーが存在しています。

そうするとこのレクチャーの最初の女の子のように、友達がたくさんできても、素敵な彼女が出来たとしても「本当の俺を愛してくれてるんじゃない!」って思いがどうしてもぬぐいきれなかったりします。
相手の愛情が受け取れなくなってしまうんですね。

そして、僕たちはいつもそこで怒っています。「本当の自分を誰もわかってくれない」と。もちろん、それを出せないことは棚の上に置いてるんですけど。

この仮面を取り、素の自分でいることは僕たちにとっては大変なこと、怖いことのように感じられるかもしれません。でも、実はその反面、とても楽で、イキイキとしていられるのも素の自分なのかもしれません。

もし、あなたがこの仮面を取りたい、仮面のない人生を送りたい、と思うのならば、仮面を作っている痛みを癒し、今よりももっと自分自身を愛せる自分に成長する必要があるかもしれません。

先ほど「仮面は自分の長所から作る」って書きました。
仮面を作る材料はあなたの心の中にありますよね。わざわざ悪い素材を集めて仮面を作ったら「人に好かれたい」という目的を達成することはできなくなります。
また、例えば、あなたが「優しい人」の仮面をかぶっていたとします。
もし、仮にあなたが本当に優しくなくて、冷たい人だったとしたら、優しさの価値はわからないはずです。だとしたら、優しさを仮面の材料に選ぶでしょうか。

「仮面」をかぶることで苦しいのは、本当のあなたは100の優しさを持っているのに、それを頑張って150とか200に見せよう無理をしているからです。まるで背伸びしているような感じですね。
ということは、仮面を外したあなたは100の優しさを持った人ということになるんですね。
でも、その分、楽で、自然なあなたもたくさん出てきます。
仮面をかぶって「いい人」を演じている人の側にいると、必ず疲れてきたりします。
それはその人が無理して、背伸びしている分だけ、苦しみが伝わってしまうからかもしれません。
「なんか隠してるなあ〜」という気持ちが出てきて、あなたも気を使ってしまうかもしれません。

だとすると、あなたが今つけている仮面から、あなたの長所を導き出すことが出来ます。
あなたがかぶっている仮面をずらっと並べてみて、それがどんな要素を強調して作ったものなのかを見たときに、あなたの価値が見えてくるでしょう。
その価値は意識的にせよ、無意識的にせよ、間違いなく自分自身が認めた価値なんです。
それをあなたは受け取ってもらえますか?

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lec.10. 自分のことが好きになれない心理〜自己嫌悪の心理学〜
lec.42. 愛される価値とは?〜無価値感の心理学〜
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