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Lecture.110 バランスの法則〜パートナーシップの見えない繋がり〜

講師:根本裕幸

パートナーシップはバランスを取りたがります。ちょうど試験管が2本並んで下のほうで繋がっているように・・・。
Keywords
パートナーシップ
バランス
共鳴
抑圧
繋がり

パートナーシップというのは、バランスを取りたがるんですよね。
ヤジロベエのように。
男女関係だけじゃなくて、対人関係も同じなんですが、存在が近い分だけよく分かりやすいものです。

例えるならば、試験管が2つ並んでいて、その下のほうが繋がってるような感じです。
そして、その試験管の中には「感情」という液体が入っているようなイメージです。


こんな感じ。赤いのが「感情」です。

仮に「怒り」という液体が入っているとしたら、一方がそれを抑圧すると、圧力の法則によって、もう一方の試験管の液体がぐぐっと上がって「なんだか訳が分からないけど最近イライラする」なんてことになります。


「ヒステリックなお母ちゃんには漏れなく大人しいお父ちゃんが付いてくる」図

これが固定化してしまうと「ヒステリックなお母ちゃんには、漏れなく大人しいお父ちゃんが付いてくる」なんて法則が生まれたりします。

お父さんが抑圧している(我慢している)怒りまで、お母さんが感じてしまうので、よりヒステリックになってしまう・・・というわけです。

一方が、寂しさを抑圧すれば、もう一方が寂しくて溜まらなくなり、
一方が、性欲を抑圧すれば、もう一方は「私、変態かも・・・」て思うくらい性的に敏感になります。
また、一方が罪悪感を感じまくっているとしたら、もう一方は反対の無価値感を感じまくる、という風に、バランスを取り合うわけです。

これは「感情は共鳴する」という性質から起こることなんですね。
イライラしている人の近くに行けば、自分もイライラしてくるようになるのと同じです。
いつも元気にしている人に近づけば、自然と自分も元気になってくるんです。

ですから、最近心当たりの無い感情を強く感じるとしたら、案外、パートナーが持っている感情なのかも・・・と見ていくこともできますね。
(パートナー、もしくは、自分の周りの人の感情・・・というのが正しいかもしれませんが・・・。)

その境界線は曖昧で、本当に相手の感情なのかは実感としては分からないものでもありますが、そういう心の動きを知っていると、深刻になりすぎることもなく、相手のせいにしてしまうこともなく、今抱えている問題を見ていくこともできます。

また、その逆にパートナーが見せてくれる感情が、自分自身の気づかない感情でもある、て見方もできますね。
「最近、彼がよく怒り出すわ。どうしてだろう?」て思ったとしたら、自分自身が気づかないうちに怒りを抑圧してしまっている状態なのかもしれません。

そしたら「私がもし怒っているとしたら・・・怒りを我慢しているとしたら・・・どうしてだろう?何に対してだろう?」と思ってみることもできます。

●自分を変えると相手が変わる

二人の関係がどんな状況であっても、お互いに繋がっているものなのです。

『自分自身を変えると相手も変わる。
 だから、自分自身を変えましょう。』

カウンセリングの中でも、または、心関係の本を読んでもよく目にする、耳にするメッセージだと思います。
これも、このバランスを取りたがる性質に着目した格言かもしれません。
自分の試験管の中に入っている液体を変えれば、当然それが相手にも流れ込んでいくわけですから。

以前、あるご夫婦の離婚問題を扱っていたときのことです。

ご主人は浮気をしていていて別居中だったのが、その後の転勤で、その愛人を連れて単身赴任をしてしまったのです。
捨て台詞に「もうお前とは離婚や」を言い渡して。
そして、大阪(奥さん+お子さん)と東京(ご主人+愛人)に離れ、連絡もほとんど取ることの無い毎日が1、2年続いていました。

そんな中、カウンセリングに来られた奥さんに色んなセラピーを使いながら自分自身が変わることを提案していったんです。
連絡も取らず、顔を見ることもほとんどない関係が、そんなことで変わるのかどうか、最初は奥さんも半信半疑だったのですが、徐々にご主人からの連絡が増え、傲慢な、横柄な態度の中に徐々に優しさが混じるようになり、そして、ある日「やり直して欲しい」と頼まれるに至りました。

これは意識的な繋がりが切れてしまっていたとしても、無意識的な繋がりが残っていた例と見ることができますね。

他にもこうした例はたくさんあります。
優しさが足りなかったことを受け入れ、変わっていった彼女が、徐々に彼からの優しさを受け取れるようになったことも最近ありました。

無意識的な繋がり。
あの試験管の下の方で繋がっている部分です。
この存在の強さをカウンセリングを通じて僕自身もよく感じさせられることなのです。


●自分を癒すと相手も癒される

また、この試験管には下の所に口が付いている、と思ってみて下さい。
自分のその感情を解放していくことが、すなわち、この試験管の口から液体を出してあげることにもなります。


自分の感情を解放していくと、相手の感情も解放してあげられる。

そうすると、自分自身の液体も流れていきますが、同時に相手の感情も流してあげることもできるのです。
自分自身に余裕を持つことが、パートナーに余裕を与えることにもなるわけですし、すなわち自分を癒すことがパートナーを癒すこととイコールになってくるんです。

だから「主人がうつ病でどうしてあげたらいいのか?」というご相談を頂くこともありますが、そうしたときに「ご主人がカウンセリングを受けることもできますが、奥さんがご主人のために自分を癒すことで、ご主人を助けてあげることもできるんですよ」とお答えするのも、こうした原理によるわけです。

最近の例では、彼のハードワークが主な原因でセックスレスになってしまったカップルがいました。
彼女の方がカウンセリングに来られたのですが、休日に彼の家に遊びに行っても疲れていて寝ていて、とても性的な関係を持てる状態ではなかったんですね。
もちろん、食事やデートに出かけることもほとんどありませんでした。

そんな中、彼がいっぱいいっぱいな状態なわけですから、バランスの法則によって、彼女も知らず知らずのうちにいっぱいいっぱいになってしまっていたんですね。

彼女とすれば、愛されない寂しさや怒りをいつも感じていたのですが、そうした気持ちや、抑圧せざるを得ない性的な感情を解放していきました。

そして、彼女に少しずつ余裕が芽生え始めた頃、今まで気づかなかった二人の関係に色んな気付きが訪れました。
そして、彼に「してもらう」のではなく、自分から彼に「してあげる」ことを学んでいきました。
それは性的なことだけではなく、色んな面で。

そうしていくうちに、徐々に彼の心が溶け始めていきました。
そして、今までとは違う形でセックスをすることでレスも解消されていったのです。


●自分を見つめること

上に紹介した二つの格言(?)は、どちらも、相手ではなく、自分自身を見つめることを暗に奨励しています。

バランスが取れている、あるいは、ちゃんと繋がっている、そう信じることができたとすれば、自分の気持ちを見つめやすくなります。
でも、その繋がりがアヤフヤに感じられると、相手への依存心が強まってしまうわけです。
「自分ではどうしようもない・・・だから相手に何とかしてもらわねば」という風に。

でも、そこで、改めて自分自身を見つめていくと、二人の関係が新しいステージに入っていけます。

多くの男女関係のご相談の中で、今まで気づかなかった二人の関係や状態が見えてくることもすごく多いんですね。
それは「視野が広がる」ということであり、関係性が新しい段階に入ったことを表しているわけです。

そうすれば、自分に対して、あるいは、相手に対して、してあげられること、受け取れることがどんどん増えてきます。見えていきます。

それがお互いの関係をより良い方向に持っていける秘訣になるのです。

あなたがもしパートナーがいらっしゃるとすれば、そんな繋がりを元に見つめなおしてみてはいかがでしょうか?

(この記事でご紹介した例はご本人の許可を得て掲載しています)

 

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