“お母さん”を休んだ方がいいとき

お母さんやめたい

「もう、お母さんやめたい」

そう思ったことはないでしょうか?

夫婦関係、仕事、家事が上手く回らなくて、心に余裕がなくなって、つい、子どもをキツく叱りつけてしまって自己嫌悪に陥る。

・自分は母親失格だ
・私はなんて冷たい人間なのだろう
・自分には愛情がないのではないか

そんな考えがグルグルして自分を責める。

私は子どもが小さいころ、そんな思いに陥ることがありました。

 

母親のやり方を取り込んでしまう

母親とは
家族のために、毎日家事をこなす。
家族のために、自分のことは後回しにする。

私はそれが当たり前だと思っていました。
なぜなら、私の母親がそうだったから。

私の両親は商売を営んでいて、年がら年中朝早くから夜遅くまで働き詰めだったのです。
父は家事を手伝うような人ではなかったので、家事は必然的に母親が一手に引き受ける。

そんな母親を見て育った私は、自分が母になったら仕事もして家事もして、育児もするのが当然だと、いつのまにか思い込んでいました。

 

自分を認めないと周りも認められなくなる

“母親は仕事も家事も育児もするのが当たり前”

そう思っていた私は、自分を労うことも自分を承認することもありません。

それどころか
「今日は疲れているからご飯作りたくないなぁ…」
そんな考えが浮かぶと
「そんなことを思うなんて、やっぱり自分はダメな母親だ」
「普通は愛する家族にご飯を作ってあげたいと思うものだろうに。。。そう思えない私は、きっと冷たい人間だからなんだ」
とさえ感じていたのです。

今から考えると
「疲れていたらご飯を作りたくないと思うのは自然でしょう」
「してあげたいと思えない=冷たい人間 ではないでしょう」
とツッコミどころ満載なのですが、当時の私は本気で「ダメ母」「自分は冷たい」そう思っていたのです。

そして、その考えは夫や子どもたちにもあてはめていました。

夫は仕事をして収入を得るのは当たり前。
休みの日は公園で子どもとキャッチボールをするのが当たり前。
子どもは親の言うことを聞くのが当たり前。
宿題をちゃんとして忘れ物をしないのが当たり前。

それがちゃんと出来ないと、自分にむけていたように周りにも不平不満、否定する気持ちが出てくるのです。

 

自分を犠牲にすると悪循環が生まれる

自分がしていることを当たり前なこととして、認めない。労わない。
そうすると、周りの人のことも認める、労う、感謝する、ができなくなります。

「私はしんどくても我慢してご飯を作っているんだから、あなたたちも少々しんどくてもやるべきことをやりなさいよ」

無意識にそんな態度を取っていたのだな、と今ならわかります。
気づかないうちに勝手に犠牲的になって、周りにもそれを押し付けていたのです。

「今日は疲れた」
「今日はサボりたい」

その心の声には耳を傾けず、そう思うことすらいけないことだと自分の気持ちを押さえ込む。
そして、無理して家事をこなす。

すると、家族のため子どものためと自分を犠牲しているので、周りがするべきことをしていないとイライラして怒りが漏れ出てしまう。
そのイライラは周りに伝播する。

悪循環です。

 

自分を認めると感じる恩恵

・母親失格だ
・なんて冷たい人間なのだろう
・自分には愛情がないのではないか

自分がカウンセラーになり、たくさんのお母さんたちのお話しを伺うようになって、そう感じるお母さんは少なくないのだと知りました。

でも、そう感じているときのお母さんたちは、実は
・自分を認めていない
・自分に優しくない
・自分への愛情が足りていない
ことが多いようです。

「もう、お母さんやめたい」

そう思うとき、本当はお母さんをやめたいのではなく、心に余裕がなくなって限界を超えているのです。

そんなときに大切なことは、自分に無理を強いてがんばってきた事実を否定せず認めることです。

「もう、お母さんやめたい」という心の声が聞こえたときは
・私はよくやっている
・今、どうしてほしい?
・疲れたときは休んでいいよ
そんな愛ある言葉かけを自分自身にしてみる。

自分のがんばりを認め、自分のしたいことをさせてあげて、自分に休みをプレゼントする。

そうやって、自分の疲れをなかったことにせずに認めて、自分にも愛情をかけてゆくと自己犠牲から抜けてゆきます。

自分自身のそのときの状態を認めたうえで「今日はお母さんをがんばろう」「今日はお母さんを休もう」と選択できるようになってくるのです。

そして、自分を認めたぶん、周りにも承認や労い、感謝の気持ちが自然と芽生えてきます。
人は承認や労い、感謝の気持ちを向けられると、幸せな気持ちになったり自己肯定感が上がったり、安心感が得られます。
自分への愛情は好循環をもたらすのです。

 

母親の前に一人の人間として

お母さんとしての在り方、子どもとの関係を考えるとき、自分の母親との関係が影響していることがよくあります。
先にも述べましたが私たちは、良くも悪くも親のやり方を知らず知らずに取り込んでいるのです。

私の場合は長らく “母親は仕事も家事も育児もするのが当たり前” を取り込んでいましたが、よくよく思い出してみるとウチの母親は毎晩、晩酌を楽しんでよく笑っていたし、仕事の合間を縫って好きな映画や観劇、コンサートにもいそいそと出かけていたし、年に数回は旅行してリフレッシュしていました。

そう、ちゃんと手を抜きつつ楽しんでもいたのです。
それを思い出したとき、自分の深刻さに「あぁ〜、ヤラレてたぁ〜」と、なんだか脱力しました。

もしも、あなたが今、「ちゃんとしないと」と力みすぎて疲れていたなら、力を抜いて“お母さん”を休んで、自分に愛情を注いでみましょう。

お母さんである前に、一人の人間として自分自身を労ってくださいね。

来週は、のひらさち絵カウンセラーがお送りいたします。
いつもニコニコ、あたたかい笑顔でふんわりした包容力が魅力のカウンセラーです。
どうぞ、お楽しみに♪

 

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恋愛や夫婦、浮気、離婚などのパートナーシップから対人関係、子育て、また、死や自己受容のテーマなど幅広いジャンルを得意とする。 女性的で包容力があり、安心して頼れる姉貴的な存在。クライアントからは「話しをすると元気になる」「いつも安心させてくれる」などの絶大なる支持を得ている。