仕事のことばかり考えてしまう

相談者名

私は新卒で入った会社を1年で適応障害になり退職しました。
その後結婚をし、夫の支えがあったおかげでパートや業務委託でゆっくり働きながら回復していきました。
そして今年の10月より約3年ぶりに正社員として復職いたしました。
未経験でも良いと新しい職種で雇っていただいております。
3年ぶりの正社員でもともと挑戦してみたかった職種だということもあり、自分としても頑張りたい気持ちやなんとか役に立ちたい気持ちが強いです。

しかしそれが強すぎるせいか、仕事のことばかり考えてしまいしんどくなってきて、ゆっくり休むことができません。
あのミスこうしたらよかったなとか、あの時ああ言ってたら、言わなかったらよかったなとか、反芻思考を止めて切り替えができるようになりたいです。
フルリモということもありオンオフの切り替えも難しいところがあります。
日記を書いたり散歩をしたり軽い運動をしたり自分でできる対策はしているつもりです。
このままではまた働けなくなってしまうのではないかと思ってしまいます。
未経験かつ正社員が久しぶりなのもあり自信がないというのも理由だとは思います。

せっかくここで頑張りたいと思えた場所に出会えたので自分のこの性質とうまく付き合っていく方法が知りたいです。

働くことは責任がつきものだと思いますが、その責任を持つということが怖いですし申し訳なく感じます。
そもそも繊細すぎて働くことが向いていないのかなとも思うこともあります。
でも働きたい気持ちも同様に強いです。

働くこと意外はとても幸せな人生を送っていると思います。
ただ働くことになると毎回こんなふうにしんどくなってしまいます。
(今の会社の前にも一度短期離職してしまった企業があります)

アドバイスをいただけますと幸いです。
よろしくお願いします。

カウンセラー
安池泰子

秋さん、ご相談ありがとうございます。
今回担当させていただきます、安池泰子と申します。
よろしくお願いいたします。

秋さんがここまで丁寧に状況を書いてくださったことから、「働きたい気持ち」「頑張りたい気持ち」「でも、しんどさに押しつぶされそうな気持ち」が同時に存在していることが伝わってきました。

長い回復の時間を経て3年ぶりに正社員として復職され、しかも未経験の職種に挑戦されているというのは、本当に大きな一歩であり、とても勇気のいることだったと思います。

その一歩を踏み出した秋さんだからこそ、「頑張りたい」「役に立ちたい」という想いが強くなり、その想いが大きすぎるあまり、心がしんどくなってしまっているのではないかと思います。

そのしんどいと思う気持ちは秋さんが弱いから感じるのではなく、秋さんのように責任感が強く、真面目で周囲の期待に応えようと思えば思うほど、『未経験の職種+正社員復帰+フルリモート』という環境では、心に負荷がかかりやすくなってしまいます。

フルリモートは“仕事が終わった感”が出にくいので、オンオフの切り替えがとても難しいと思います。
そのような状況下で、秋さんもできる限りの工夫をされていますが、さらに仕事のオンオフの切り替えをはっきりさせるために、【今日の仕事はこれで終わり!】ということを明確にするためのルーティーンを取り入れると効果的です。

例えば……
・特定の音楽を終業時に必ず流す
・終業後は必ず外に5分出る(散歩の延長として)
・水やお茶を飲むなどの体を切り替える行動をする
・部屋の照明を変える
などです。

秋さんが取り入れやすいルーティーンを見つけてみてくださいね。

反芻思考は、秋さんの性格の問題などではなく、ストレスが高まった時に脳が危険を回避しようとする防御反応として自然に起こることです。
止めようと(考えないようにしようと)すると、脳は逆に考え続けてしまいます。
止めるのではなく、扱い方を変えていきましょう。

反芻思考の中に、本当はこうするべきだった(あの時に出来なかった自分はダメだった)という「自分責め」がこっそり隠れています。

ミスや失敗をした時に出した解決策は、その時に秋さんの考えうる限りのベストな答えを出し失敗を乗り越えて成長したからこそ、あの時に、こうしたら〜など他の考えや、答えとしてのアイデアが浮かんでくると思うだけでも受け止め方が変わりますので、反芻し続けたり、しんどく感じることが減っていくでしょう。

それでも反芻が止まらない場合は、今後(未来)の対策会議として反芻タイムを意図的に作り、1日に10分だけ時間を設けて、スマホのメモ帳に残してみたり、気になったことをメモに書くことで、脳が「考える場所は確保した」と認識し、考え続ける負担が減ります。

> 働くことは責任がつきものだと思いますが、その責任を持つということが怖いですし申し訳なく感じます 

相手に迷惑をかけたくない、失敗したくない、期待に応えたいという気持ちが強くなると、責任に対して「重さ」を感じやすくなります。

今までのお仕事状況などを踏まえた上で、未経験でも正社員として秋さんに働いてほしい、いまの秋さんで十分に価値があるから迎え入れたということです。

未経験で入社して間もない状況ではミスや不安があるのは当然のことです。
ミスを何もしないようにしようと思えば思うほど、反芻が強くなり自信が削られていきます。

「期待に応えたい」「迷惑をかけたくない」秋さんの気持ちはよくわかりますが、新人だからこそ、迷惑をかけてもいいし、ミスをしてもいいんです。
未経験の職種を、入社して一か月しか経っていない状況で何年も経験を積んだ人と同じようには出来ません。
初めてすることばかりなので、ミスや失敗をすることもあるでしょう。
その時に解決策を学ぶことで経験数が増え自信が深まっていきます。

秋さんはとても頑張り屋さんなのが伝わってきました。
頑張ることは悪いことではないのですが、今の頑張り方は繊細な秋さんがしんどくなってしまう頑張り方のように見受けられます。
頑張り屋さんで完璧主義の傾向がある場合、ご自分では頑張りが足りないと感じてしまうので、知らず知らずの内に1.5倍くらいの負荷をかけてしまっていることがあります。
その負荷に気づかないまま頑張って途中で苦しくなると、苦しくなる自分が弱いだけと追い込んでしまうことがあります。

秋さんが“ここで頑張りたいと思えた場所と出会えた”と感じられている会社でこれから長くお仕事を続けるためにも、100%の力をすべて出し切るように頑張るところを60%の力で安定させていくことを目標にしてみませんか?
100%の力を常に出し切った状態で維持し続けるのはとても難しいですし、ムラやばらつき、疲れが出てしまうこともあります。
本来しないようなミスや注意不足を生む原因にもなります。
60%の力で安定させるようにしていれば、残りの40%の力の分、身体的にも精神的にも「ゆとり」がうまれます。
ゆとりができることで、見落としてしまいそうなことにも注意深く目を向けられるようになりますし、疲れからくるケアレスミスを防ぐことにもなります。
秋さんの丁寧さがさらに活かせるようになりますので、お仕事への信頼や評価が上がり、自信が増えて不安がなくなっていくでしょう。

未経験なので、最初から出来ないのは当たり前です。
周りの先輩方も、少しずつ経験を重ねて来たからこそ今があると思います。
焦らずに、ゆっくり一歩ずつすすむイメージで取り組んでいきましょう。

少しでもお役に立てたら幸いです。
ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

鋭い洞察力とユニークな分析から、その人に合ったわかりやすい例え話を用いて、悩みが解決したように感じるパワフルさや、深刻さを笑いに変える明るさが人気を得ている。 どうしたらいいかわからずモヤモヤする事などに通訳者のようなアプローチを信条とし、本音の部分を引き出すお手伝いを特に得意とする。