沈みゆく船

あなたは、どのような結婚生活や恋愛を望んでいますか?

神戸メンタルサービスの平です。

しばしばいただくご相談に、“くされ縁”にまつわるものがあります。

おつきあいもけっこう長くなり、ロマンスは激減、「この人とは、結局、合わないんだよな」などと思いながらもつきあいつづけているパートナー関することです。

「この人と結婚することはないだろう」

そう思ってはいるけれど、パートナーがいないよりはマシだと思い、別れずにつきあっていたりするわけです。

なんらかのきっかけがあれば別れようと思ってはいるのですが、とくにそのきっかけもないんですね。

そして、ただ「なんとなく」ですでに2~3年つきあっており、ひょっとしたら、このあともまだ2~3年、この関係がつづくかも‥‥という状態です。

問題は、このくされ縁の状態でグズグズとおつきあいをつづけているうちに、どんどん年をとっていってしまうということにあります。

このようなご相談は、女性の場合はとくに30代の時期にいただきます。

実際、「くされ縁かもしれないけれど、誰もいないよりはいいかと。ひまつぶしにはなるし‥‥」などとおっしゃる人もおられます。

この種のご相談をいただくと、私はいつもこんなふうにお聞きします。

「どんな恋愛がしたい、どんな結婚がしたいというようなゴール設定はありますか?」

くされ縁のパートナーとつきあっているかぎり、ロマンスあふれる恋愛やスイートな結婚生活というゴールにはたどり着けません。

たしかに、寂しさの痛み止めにはなるかもしれません。けれど、問題をどんどん先延ばしにしているということであり、その状況がよくなっていくことはほぼないのです。

とくに問題になりやすいのが、くされ縁カップルの男性のほうは彼女とはきっと結婚しないし、別れたほうがいいだろうと思っており、一方の女性は彼のことが大好きで、結婚を夢みている場合です。

彼はそれとなく、「きみとの結婚は考えられない」とか「ぼくよりもっといい彼ができたら、早くそちらに行ったほうがいい」などと言っています。

しかし、彼のことが好きな彼女は、「もう少しがんばれば、彼の気が変わって、結婚できるかもしれない」という期待をついしてしまいます。で、時間が経てば経つほど悪循環にハマッていくことが多いのです。

ちなみに、成り行き任せといいますか、なかなか決められないという男性はけっこういるものです。

そうした人たちの話を聞くと、おつきあいをはじめたきっかけも「彼女に押し切られて」とおっしゃる方が非常に多く、日常生活もしっかりとした彼女に任せっぱなしだったりします。

そんな男性側には、「彼女の人生の時間を奪ってしまっている」という罪悪感があります。

だから彼としても、新しい恋愛や新しい出会いを積極的に求めていこうとしないので、ますますグズグズとしたおつきあいがつづいていくわけです。

まるで二人で沈み行く船に乗っているような状況です。

結婚しているカップルでも「結局、この人ではなかった」というケースはしばしばありますが、「子どものためにがまんしよう」と別れずにいることはあります。

一方、たがいに独身というくされ縁のケースでは、「もしも、結婚できたら、状況は劇的に改善するかもしれない」という強い期待をもってしまうので、結婚しているカップル以上に別れにくいといえるかもしれません。

結局、時間ばかりが経っていき、あるとき、結婚願望のある女性のほうが彼を問いつめることになりがちです。

「結婚する気はない。以前から何度も言っているだろ」

こんな彼の回答によって先延ばしにしてきた問題にようやく決着がつき、沈みゆく船に乗っていた二人には長い長い時間を無駄にしたという事実とハートブレイクだけが残る‥‥こんな顛末が待っていることが非常に多いのです。

あなたは、どのような結婚生活や恋愛を望んでいますか?

もしも、くされ縁の恋愛をしているのなら、このことを一度考えてみましょう。そして、あなたのパートナーはともに目標に向かって歩いていける人なのかどうかをチェックするとよいと思います。

いま、あなたの望みが叶っていないとしたら、今後、それがうまくいくというケースはごく少ないようなのです。

来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。