自己嫌悪を手放すには

こんばんは

神戸メンタルサービスの平です。

ご相談に“自己嫌悪”にまつわることが続いたので、きょうはこれをテーマにお話しすることにいたしましょう。

“自己嫌悪”とはひとことでいえば、「こんな私を愛してくれる男性って、ほんとうにいるんでしょうか?」という感覚です。

読者中にも、一度や二度はそんなふうに感じたことがあるという人は少なくないと思います。

人間ならだれでもなんらかの欠点をもっていますし、人と比べると劣っていることもなにかしらあるはずです。

反対に、人よりも優れている面もたくさんあるはずなのですが、人間というものはどうしても“自分の悪いところ”と“他人の素晴らしいところ”を比較し、自分にはダメ出しばかりしてしまいがちです。

そして、あなたは自分の悪いところをなんとか隠したり、取り繕ったりしようとするかもしれませんが、そんなことをしても、あなたがモテるようになることはまずありません。

ここで大切なのは、“自分の悪いところ”をなんとかすることではなく、だれにも負けない“自分の素晴らしいところ”をどう表現していくかなのです。

多くの人はここを誤解し、表現するどころか、まわりの人に合わせようとしてしまいます。

するとあなたは没個性になり、まるで透明人間ででもあるかのように、人々の中で存在感を消してしまうのです。

自己嫌悪が強い女性は、とてもたくさんの“隠しておかねばならないもの”をもっていて、「ありのままの自分を知られてしまったら、きっと自分は嫌われてしまう」と思い込んでいます。

いってみれば、1週間、ほとんど掃除をしていなかった部屋に、いきなり彼が訪れたというような状況でしょうか。

汚れた部屋を見られたくないので、あなたはけっして彼を部屋に上げようとはしないでしょう。だって、こんな部屋を彼に見られたら、自分は嫌われてしまうと思いますからね。

しかし、このとき、あなたは“部屋に入れること”を拒絶しただけなのに、彼は“自分”が拒絶されたと感じ、「彼女に嫌われてしまった」と思ってしまいがちだということにあなたは気づいていません。

拒絶されることを怖れるあまり、あなたのほうこそ人を拒絶しているわけです。

それに気づくことができたなら、「私は“人は私を嫌う”というネガティブな思い込みのもとに人を扱っているんだ」という次の気づきも得られるかもしれません。

ほかでもない、まわりにいる人を、「私を愛してくれる人」ではなく「私を嫌う人」にしてしまっているのは、あなた自身であるわけです。

このことに気がつき、人から愛されやすいような態度をとるレッスンをすると、あなたの人生はきっと激変します。

まわりのだれかを怖がっているときのあなたは、まるで人間を怖がる犬のようになっています。

人が近づいてくればくるほど、「ウウ、ウウー!」と唸り声をあげてしまうというわけです。それはたしかに、愛されにくい態度だと思いませんか?

そこで、ついついそんな態度をとってしまうみなさんに、私はよくこんなふうにアドバイスします。

「あなたのほうからあいさつするようにしてみてください」

「相手をちょっぴり喜ばせるようなことを言う練習をしてみましょう」

このレッスンは、赤の他人を相手に始めてみるのが上達のコツです。

いつも行くコンビニの店員さんとか、ケーキ屋さんの店員さんなどに、お会計のときにほんの一言添えるだけでいいのです。

たった一言で、あなたの目の前にいる人が笑顔になるのを見ることができるはずです。

そうして、「私という存在が、こんなに簡単に人を喜ばせることができるんだ」という体験を積み重ねてみてください。

これまでは嫌悪していた自分の存在理由が、「自分は人を喜ばせることができる存在だ」というものにきっと変わっていくことでしょう。

自己嫌悪は自分を愛さないことから生まれると思っている人は多いかもしれませんが、正しくはそうではありません。

自己嫌悪とは、「愛を人に送らない期間が長くなったとき」に陥る状態の一つなのです。

“与える”ということをすることにより、私たちの心の中には人に与えることのできるものが増えていきます。

物理的な法則の下で、財布の中のお金は人にあげればあげるほど減っていきます。

しかし、心の法則はそれとは違い、あげればあげるほど、あなたのもっているものが増えるのです。

たとえば、人にやさしさをあげても、あなたの心の中からやさしさがなくなることはなく、あなたはよりやさしい人格になっていくわけです。

そして、そんなあなたは、多くの人から当たり前のようにやさしさをもらうことになるでしょう。

来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。