仕事で成果を出しても「たまたまです」と即答してしまう。
昇進の話が来たけれど、正直怖くて断りたい。
周りの人がみんな優秀に見えて、自分だけが場違いな気がする。
「いつかボロが出るんじゃないか」
「みんな、私のこと勘違いしてるんじゃないか」
そんな風に感じたことはありませんか?
もしあなたが、こうした気持ちを抱えているなら、
それは「インポスター症候群」と呼ばれる心理状態が関係しているのかもしれません。
◇インポスター症候群とは?
インポスター症候群というのは、客観的に見れば十分な実力や成果があるにもかかわらず、「自分は詐欺師みたいなもの」「実力がないのにバレていないだけ」と感じてしまう心理状態のこと。
英語の Impostor は「詐欺師」という意味です。
「症候群」という言葉が使われていますが、診断名ではなく、「高い成果を出しているにもかかわらず、自分を過小評価し続ける」傾向や心理パターンのことをいいます。
心理学の研究では、社会的に評価され、活躍している人の中にも、「自分には本当の実力がない」「成功は偶然だった」と感じている人が少なくないことがわかっています。
◇こんな思考パターン、心当たりありませんか?
インポスター症候群を感じているとき、こんな考え方が浮かびやすくなります。
「私の成功は実力じゃない」
評価されても、「運がよかっただけ」「周りに助けられただけ」と考え、自分の努力や能力を受け取れません。
「いつかバレてしまう」
今の評価は“勘違い”だと思っているため、「期待に応えられなかったらどうしよう」という不安を抱え続けてしまいます。
「みんな私より優秀に見える」
他人の成功は実力、自分の成功は偶然。
そんな二重基準で自分を見てしまうことも少なくありません。
◇なぜ、そう感じやすくなるの?
背景には、いくつかの心理的な要因があります。
・完璧主義
「100点でなければ意味がない」という基準があると、どれだけ頑張っても「まだ足りない」と感じてしまいます。
・幼少期の経験
「成果を出さないと認めてもらえなかった」
「期待をかけられすぎていた」
そんな体験が、「期待に応え続けなければ」というプレッシャーにつながることもあります。
・少数派であること
男性中心の職場の中で働く女性など、自分が“少数派”だと感じる環境では、「私だけ場違いなのでは」という感覚が強まりやすくなります。
◇インポスター症候群を感じるのは、実力があるから
大切なのは、インポスター症候群は「無能だから起きる」のではない、ということ。
むしろ、真逆なんです。
実力があるからこそ、次のレベルが見える。
視野が広いから、「まだ足りない部分」にも気づいてしまう。
あなたが凹んでしまうということ自体が、それだけ物事を多面的に見られる力があり、成長し続けてきた証なんですよね。
インポスター症候群から抜け出すうえで、ひとつ大きなポイントになるのが「自己評価」と「他者評価」のズレです。
自分の評価が“客観的な事実”ではなく、とても厳しい内なる基準で作られている可能性に気づくこと。
「私の見ている私は、かなり厳しすぎるかもしれない」
「今の自分でも、十分に役に立てているのかもしれない」
と気づいていくことが、本来の力を発揮することにも繋がっていきますからね。
◇どう向き合っていけばいい?
いきなり自信満々になる必要はありません。
まずは、こんな関わり方を試してみてくださいね。
・自分の成果を書き留める
「お世辞でしょ」と感じるとは思いますが、褒められたこと、達成したこと、小さな貢献。
事実として記録しておくと、「思っていたより頑張ってるかも」と気づきやすくなりますよ。
・完璧を目指さない練習
80点でも十分、という感覚を少しずつ育てていきましょう。
完璧でなくても評価されているという経験は、安心感を増やしてくれますよ。
・安心できる場で言葉にする
信頼できる人に、「実は自信がなくて」と話してみてください。
あなたが思っているほど、周りはあなたのこと「実力不足」だなんて思っていません。
自分の中だけで抱え込まないことが、とても大切ですよ。
◇さいごに
「私なんて…」「いつかバレる」
そんな思いが浮かぶのは、あなたが誠実に、真剣に生きてきた証です。
そして、もし今、その感覚が強くなっているなら、あなたが“次のステージ”に差しかかっているサインかもしれません。
たまには、
「私、結構頑張ってきたよね」
そんなふうに、自分に声をかけてあげてくださいね。
参考になれば幸いです。