アドバイスなんていらない ~ピシャリと言われて気がついた!~

子どもが生まれ、年中無休で奮闘する、子育て中のみなさんへ、本当に、毎日おつかれさまです。池尾千里です。今日も、おつきあいいただけたらと思います。

男性と女性の考え方のクセは、全然ちがうらしい

パートナーシップのご相談をお受けする時、人間としては同じ括りですが、男性と女性の、考え方のクセのようなものは、ちがうものだなと、よく感じます。

例えば、妻が夫に、こんな話をしました。

「今朝、仕事行く前に、駅のコンビニに寄ったの。
いつものことだけど、すごく混んでいてさ、レジに並んでたの。

そしたら、前のお客さんが、レジの人に、
急いでるんだから、さっさとしろって、文句言っててね。

レジの人、何にもわるくないのに、いっしょうけんめい謝ってたよ。
ほんと気の毒だったわ。私の番になった時、
そんなに怒らなくていいのにねって、こっそり言っちゃった。」

妻は、ぺろっと舌を出して、肩をすくめています。
それを聞いていた夫の反応は、こうでした。

「だいたい、あそこのレジは混みすぎなんだよ。
田舎で、セルフレジもないからな。
セルフにして、文句言わせなきゃいんじゃない?

それに、企業として、どうかと思うよ。
おまえも、朝にコンビニなんか行くのやめなよ。」

妻が、「は?」という顔になったのは、想像がつくかもしれませんね。
なんとなく話した、日常のできごと。妻はおそらく「そうなんだねー」って、聞いて欲しかっただけだったと思います。

もちろん全員にあてはまるわけではありませんが、女性は、日々のちょっとした心の動きを、誰かと分かち合いたいという人が多いんですよね。

分かち合って、
「へーそうなんだー。レジの人かわいそうだったよねー。」
「朝のコンビニで、混んでるって文句言わないでよねー。」
「私もきっと、レジの人、労っちゃうわ~」

なんて、共感し合いたいっていうのが、あるようなんです。
別に、そのコンビニに、セルフレジを導入して、混雑の緩和について、議論したいわけじゃないんですよね。

ですから「朝にコンビニなんか行くのやめなよ。」なんて、想像の斜め上からの、夫の思いもよらぬアドバイスに、さぞかし、驚かれたんじゃないかなと思います。

じゃあ、こんな時、夫には、何が起こっていたんでしょう。

これも、全員にあてはまるわけではありませんが、男性は、話の中に、答えやオチをみつけようとする人が多いようなんです。男性に「話にオチがない」って、言われたことのある女性って、いらっしゃるんじゃないでしょうか。

私は、たくさんあります。
私の話にオチなんて、ないんだけどな・・と呟きましたけれど。

妻が話していることには、どんな問題があって、どうしたらいいのか。解決策まで考えて、着地させるのが男性の思考のようなのです。

だから、妻が、混んでいるコンビニレジで、そんなことに出くわさないためには、まず、コンビニ側が、セルフレジ導入で、混雑を緩和すること。そもそも朝の忙しい時間に、妻はコンビニに行かないこと。なんて、アドバイスになってしまったと考えられます。

よかれと思ってのことなんですよね。

分かち合いと共感をしたい女性と
分析と解決策で、着地させたい男性。

ずいぶんとちがいますよね。
さて、長々と何を書いているのかといえば、なんと、私が、この男性思考になってしまっていたお話を書こうとしているからです。

しかも、娘に対してやってしまったお話です。

 

「正しさ」を持ち込んだとたん、距離ができてしまう

「おかあさんの言っていることは、
正しいかもしれないけど、
そんなアドバイスいらない。」

娘が、言い放った言葉に、ガーンと打ちのめされた私。
娘が、とつぜん大人になって、遠いところに行ったみたいな気がしました。

いったい何があったのかと言えば、娘が「のどが痛い」と言ったところから始まりました。
私は、こう言ったんです。

「うがいしないから、風邪引いたんじゃない?
毎日帰ってきたら、うがいしないとダメだよ。」

娘は、のどが痛いと訴えていて、のど飴が欲しかったかもしれないし、薬が飲みたかったかもしれないし、何より「痛い」に、寄り添って欲しかったんだと思うんですよ。

たしかに、うがいしたら防げたかもしれないけど、そんなこと、今言われても、イヤな気持ちになるだけだし、どうして一番最初に、「だいじょうぶ?」って言わなかったんだろうって、ものすごく反省しました。

そして、ふりかえってみると、私は、娘にいつも、こんなふうに、「こうしたらよかったんじゃない」とか「そんなことしなければよかったのに」とか、原因を探そうとしたり、回避する方法ばかり、伝えていたことに気づきました。

うわーっ何やってるんだ私ーっ
本気で、頭をかかえましたよ。

その時の娘は、高校生になっていて、自分の感じたことや、考えたことを、ちゃんと言えるようになっていたし、娘なりに、風邪ひかないように気をつけることも、できていたと思います。

でも、もっと幼いころは、体調管理は、私がしないといけなかったはずで、

手を洗いなさい
うがいをしなさい
上着を来なさい
残さず食べなさい

あれこれ、言ってやらせていましたから、そのクセが抜けていなくて、子ども扱いしてしまったのは、ひとつの原因としてあったのかなって思います。子どもにしたら、頭にきますよね。

 

大切な人には、いつもハッピーでいて欲しい

さきほどのお話の夫が妻に、「朝のコンビニ行くのやめなよ」って言った時の気持ちも、同じなんじゃないかと思うんですよね。

それは、大切な人には、イヤな思いをして欲しくない。
いつもハッピーでいて欲しいという、切なる願いがあるんです。

混み合ったコンビニで、レジを待たされたり、怒る人がいたりするようなところには、行かないで、妻には、安心安全な場所にいて欲しい。ごきげんでいて欲しいって、夫は願っているんです。

そして、私も、娘が風邪なんか引いて欲しくない。熱も出てほしくない。
娘ののどが痛いなんて、かわいそうすぎる(おおげさ)。つらい思いをして欲しくない。

健康で元気に、笑っていて欲しいって、心から願っているんですよね。

そんな願いがあるからこそ、危機管理をしたくなる。
しかも、しっかりと、それをやらせて、絶対に危機的状況にならないようにしたい。きびしくなっちゃうのは、そのせいかもしれませんね。

でも、人は、コントロールされるとイヤなんですよね。
子どもが成長して、大人になってきたら、口出しされるのも、指示されたりするのも、そりゃイヤですよね。

それで、私は、娘にぴしゃりと言われてしまった次第。

みなさんの中にも、あーわかるわーって思ってくださった方、いらっしゃるかもしれませんね。

また、私のように、子どもに教えられることになって、反省会になったことのある方。カチンときて、ケンカになってしまっている方、んもーうちの子はーって、子どもに文句が言いたくなっている方・・

でも「大切な人には、いつもハッピーでいて欲しい」っていう、願いがあったこと、思い出してくださいね。そして、まずは、共感してあげると、子どもは安心するし、それを求めています。

私も、あれからは、娘を大人あつかいするほうが、うまくいくことを実感しています。
「◯◯しなさい!」なんて頭ごなしは、もう通用しません。大人あつかいするほうが、つきあいやすくなったのです。親子関係もおつきあいですからね。

親子であっても、尊重しながらいきましょう。

みなさんに、お役に立てることがあれば、うれしいです。
子育て、応援しておりますよ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

来週金曜日は、 いしだちさカウンセラーがお送りします。
どうぞお楽しみに。

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

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「自分らしく自分の人生を生きることに、もっとこだわってもいい。好きなことをもっとたくさんして、もっと幸せになっていい。」 そんな想いから恋愛・夫婦関係などのパートナーシッップを始め、職場、ママ友などの人間関係、子育てに関する問題など、経験に基づいたカウンセリングを提供している。