心理法則あれこれ(その1)

神戸メンタルサービスの平です。

心理学にはさまざまな“心理法則”があります。その代表的なものをいくつかご紹介したいと思います。

 

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心理法則 1

傷つくならば、それは“愛”ではない

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これは、私の恩師でありますチャック・スペザーノ博士の書籍のタイトルでもあります。

愛とは見返りを期待しないものです。

もしも、「これだけ愛してあげるんだから、わかっているわよね?」と見返りを期待しているのだとしたら、その見返りが帰ってこないときに激怒したり、ひどく傷ついたりするでしょう。

そして、見返りを求める愛は愛ではなく、“ニーズ”というあなたのエゴなのです、という考え方なのであります。

よくあるのが、「あなたのためにはなんでもするわ。どんなことでもしてあげる。だから、結婚はしてくれるわよね?」というものです。

博士はこれを「奪うために与えている」と表現しています。

つまり、取引の関係であり、愛ではなくニーズがそこにはあるわけです。

あなたがもしもパートナーシップなどの対人関係で傷つくことがあったならば、そこには必ず“奪いたいもの”が隠れているということもできるようです。

 

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心理法則 2

人は見たいように見て、聞きたいように聞く

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人それぞれ、さまざまな信念(思い込み)をもっています。

その信念通りの見方、聞き方をして、「ほーら、やっぱり」と、さらにその信念を強化していくということがよくあります。

たとえば、その人が「男は浮気する」という信念をもっていたとしたら、芸能ニュースなどで浮気の話題を見ただけでも「ほーら、やっぱり」とその信念が強化されていくということです。

また、この信念があると、たとえば、長く幸せな夫婦生活を送っている人のドキュメンタリー番組を見たときにも、ネガティブな受け取り方をしてしまいがちです。

「テレビではいいところを見せているけれど、裏でなにをしているかわからないわ」とか「こんなまともな男はめったにいないから」といったかんじです。そして、その幸せな情景は記憶にすら残らないことが多いようです。

あるいは、私が「最近、おれ、老けてきたかなぁ」と気にしていたとします。

すると、駅で隣りにいた人が「もう6時か」とつぶやいただけで、「だれが“もうろくジジイ”やねん!」と反応してしまったりするのも、この心理法則のなせる業であったりするわけです。

 

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心理法則 3

被害者は最大の加害者

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私たち人間は、いつも罪悪感という感情と戦っているといってもよいでしょう。

罪悪感とは、「自分は悪い存在で、罰せられるにふさわしい」という考え方です。

この感情が強いと、人はたえず自分のまわりで加害者を探そうとしてしまいます。

自己防衛として、「自分より悪い人がいる」ことを確認したり、「悪いのはあいつだ」と自分は悪くないことを証明したりしたいからです。

そして、自分は被害者だから攻撃してよいと、自分の攻撃は正当化しようとするわけです。

被害者意識には、つねに攻撃を正当化しようとする側面があります。だから、最大の被害者が最大の加害者になる場合も多いのです。

 

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心理法則 4

「がんばらなくていいよ」はよい励ましの言葉ではない

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だれかをなぐさめたいとき、私たちはよく「そんなにがんばらなくてもいいのに」とか「がんばらなくていいよ!」と声をかけてしまいがちです。

しかし、それを言われる人の多くは、人一倍のがんばり屋さんです。

ものすごくがんばっている人に「がんばらなくていい」と言うと、本人には「あなたのがんばりには意味がないし、ムダだった」と聞こえてしまいがちです。

そんな人たちにとっては、「きみはほんとうにがんばり屋さんだね!」とか「きみのがんばりは必ず報われるよ」言ってあげるほうが励ましになるようです。

以上、みなさんにも心あたりのあることがあったのではないでしょうか。

心理法則はほかにもたくさんあります。来週も引きつづき、いくつかご紹介していきましょう。

来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。