大事なのは“二人のやり方”をつくること
神戸メンタルサービスの平です。
彼女は自分にまったく自信がありません。
人間というのは、いろいろなことをコントロールしたいと思っているものです。
パートナーシップにおいても主導権争いといいますか、“自分のやり方”で二人の関係を進めていきたいと考えがちです。
しかしながら、相手も同じことを考えていますので、「おれのやり方でやろうよ!」、「なに言ってるの、私のやり方のほうが正しいのよ!」というふうに、主導権争いという名のケンカが起こったりするわけです。
結果的に、どちらかが「わかった。じゃあ、好きにしなさいよ」となることが多いのですが、この「好きにしなさいよ」は口だけのものであることが多いようです。
本心は、「どうせ、そのやり方じゃうまくいかないわよ。私は手を貸さないし、意見もしない。自分一人でできるならやってみなさいよ」であったりします。
しかも、パートナーの成功を祈るというよりも、「絶対うまくいかないように」と呪いをかけるような状態でもあります。
それぞれがこだわるのは、自分が成長してきた過程で“うまくいったやり方”です。少なくとも、今日の自分を作り上げたものであり、そのやり方が間違っているとは思わないわけです。
しかし、ここで大事なのは、「パートナーシップとは、チームプレイでの一つである」ということに気がつくということです。
したがって、あなたのやり方でやるのか、私のやり方でやるのかということではなく、大事なのは“二人のやり方”をつくるということなのです。
そのために必要なのは、相手が「なぜ、このスタイルを貫くのか」を学んだり、研究したりすることです。そこには、あなたにはまったくないようなものごとの見方や考え方があったりするわけです。
そこで、パートナーはなぜそのやり方がよいのか、それ以外のやり方ではできないのかといったことを、あなたの視点ではなく、パートナーの視点に立って考えてみることです。
さて、心理学用語に“サレンダー”というものがあります。英語の辞書を引いていただくと、“全面降伏”と出てきます。
つまり、パートナーにぜんぶ委ねるということです。
これがなかなかできるものではないんですよね。すべてを委ねるにはよほどの信頼がいりますし、ちょっとのことで文句を言ってしまいたくなったりするものです。
わが家を例に申しますと、かつての私は基本、「おなかがいっぱいになれば、なにを食べてもOK」というタイプでした。
一方、うちの奥さまは普通のカタギの女性ですから、当然、「おいしいものが食べたい」と思います。
しかしながら、おいしいものは、お値段が張る場合も少なくありません。
そして、私はあまりその部分にお金をかけてこなかった人間でした。おいしいものの価値とか、それを食べるよろこびというものをあまり知らなかったのです。
メシを食いにいくといえば定食屋さんで十分満足だし、居酒屋さんなんかもう、パラダイスだと思っていました。ま、田舎者だったのも大きな理由であります。
そんな私を、うちの奥さんはあっちこっちに連れていってくれたのですが、行ってみると、「やはりこれはおいしいな」と思ったりするわけです。
その中で、私がいちばんびっくりしたのはウニでした。ウニはあまりうまくないという私の判断を北海道で食べたウニはあっさりと覆しました。そして、大好物になったわけです。
それ以降、食事のことは奥さまにおまかせするようになりました。一方、旅行の仕切りはほとんどが私の役割です。家族のリクエストは十分に聞きますが。
年月が経ち、不思議なことなのですが、最近は私のほうがおいしいものを食べたくなったりしていて、奥さまは温泉マニアの私さながら、近所の温泉にしょっちゅう行くようになっています。
パートナーシップは“違い”がおたがいの魅力になるといわれています。その違いが人を成長させたり、新しい価値への気づきをつくったりするようですね。
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!
(完)