神戸メンタルサービスの平です。
「平さんはよく、彼はほめて育てろって言いますよね。具体的にはどんなほめ方をするといいのですか?」
ときどき、こんな質問をいただくので、きょうはこのテーマでお話したいと思います。
まず、競争社会に生きる男性は、自分のパートナーには必要とされ、ほめられたいと思っています。なぜなら、自信をもちたいからです。
で、人生がイマイチうまくいっていないのを、彼女との関係でチャラにして安心したいと思っていたりするわけです。
ところが、実際は彼女から「あなたはぜんぜんわかってくれない!」と文句を言われたり、「あんたなんかサイテー!」と罵倒されたりということも少なくありませんよね。
求めていたのとは反対の反応をされるわけですから、こんなときの彼は引きこもったり、いっそ、彼女との関係を解消しようかと考えたりします。
男性は、自分の彼女から「ナンバーワンの男として扱われたい」と思っています。
また、彼女にとって他の男性とは違う「特別な存在でありたい」という思いももっています。
そして、彼女には「絶対的に承認されたい」とも思っているものです。
ということは、たとえば、あなたがタレントの佐藤健さんのファンだったとして、「健はカッコいい! カッコいい!」とほめちぎっていたとしたら、彼はおもしろくないですよね。
「おれは健に負けてんじゃん‥‥」というわけで、あなたにとってナンバーワンではいられないわけです。
女性のみなさんも、彼氏が女性のアイドルにうつつを抜かしていたりしたら、おもしろくないですよね。それと同じです。
こんなとき、無理をして彼に「健よりカッコいいよ」と言ったとしても、鏡を見れば、それはお世辞以外には聞こえなくて、説得力もまったくありません。
ですので、こんな場面では、こんなふうに言ってみてください。
「たしかに、あなたは健に比べたらぜんぜんカッコよくない。けど、健が私のそばにいてくれるわけないもんね。いつも私を励ましたり、守ったりしてくれるのはあなた。いつも私のそばにいてくれるあなたは健以上の男よ」
ここでのキー・フレーズは「健以上の男」です。
たぶん、彼はここだけ切り取り、脳内でリフレインします。
「ほほほほ、おれは健に勝ったぜ。おれは健以上の男か」
心理学で“コントラスト効果”というのですが、すべてをほめるのではなく、悪いところといいところを比べ、そのうえでいいところをほめちぎる方が人の心には刺さるのです。
応用編としては、こんなほめ方もあります。
「いっぱいケンカしてきたから、あなたはイヤな私も知ってるよね。私はいつも人に気を使い、嫌われないようにと生きているの。でも、あなたにならどんな自分でも受け入れてもらえるのだろうと思っているみたい。信頼できるのも、甘えられるのもあなただけ。だから、私はあなたから離れられないんだわ‥‥」
ケンカのとき、彼女からどれだけひどい言葉を浴びせかけられ、ケリの2、3発を入れられたとしても、こんなことを言われると、ほとんどの殿方の鼻の下は伸びに伸びてしまうようです。
ということで、パートナーをほめるときは、すべてが素晴らしいと言うのではなく、いいことと悪いことを並べてから、よいところをしっかりほめてみてください。
このほめテクで、パートナーのハートをわしづかみにすることができるようですよ。
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!
(完)