その不安の裏には、あなたの“愛のかたち”が隠れているのかもしれません。
優しくされたいのに、優しくされると辛いのは何故?
優しくされると、嬉しいはずなのに
心の奥がザワザワして、なぜか落ち着かない。
ときには「どうしてこんなにしてくれるの?」と疑ってしまったり、「私なんかが受け取っていいのかな」と、申し訳ない気持ちになってしまったり。
本当は、優しさを素直に受け取りたい。
安心したいし、甘えたい気持ちだって、ちゃんとある。
でも、どうしても「安心」よりも「不安」の方が大きくなってしまう。
その背景には、あなたがこれまで経験してきた「愛のかたち」や
「愛すること・愛されること」へのイメージの影響を受けているのかもしれません。
愛を受け取るとき、なぜ不安になるの?
私たちは、「慣れている愛のかたち」には比較的安心しやすいのですが、
自分の中に馴染みのない優しさに触れると、戸惑いや怖さを感じることがあります。
たとえば・・
・いつも頑張って、認められてきた人
なにもしなくても与えられる愛情に、居心地の悪さを感じてしまうかもしれません。
・「与える側」として自立して生きてきた人
受け取る=弱さや依存のように感じて、怖くなってしまうかもしれません。
・期待に応えることで大切な人を守ってきた人
無条件の優しさに、違和感や不信感を感じてしまうことがあるかもしれません。
いい子でいなきゃ。
大切な人を守らなきゃ。
迷惑をかけないようにしなきゃ。
そうやって周りを愛することで、周りの人と関係を築いてきた人ほど
いざ、無条件の優しさが自分に向いたとき・・
愛されていい、許されていい、と思えなくなってしまったりするのですね。
「いやいやいや・・この人の本心じゃないかもしれない」
「どうせ、あとで離れていくでしょ」
「受け取ったら、何か返さなきゃいけない気がする」
「きっと、迷惑に違いない」
いろんな理由を使って
いままで築いてきた関係や、
自分や周りを守るために、“愛から身を引いてしまう”のです。
また、優しくされて心のガードがゆるんでしまうと・・
いままで、飲み込んできた依存的な自分がドバッと出てきてしまうのではないか
頑張れなくなってしまうのではないか、自分が自分でなくなってしまうのではないか
そんな不安から、優しさを受け取れないという方もいらっしゃいます。
「この優しさを受け取って、気を抜いてしまったら・・
もう、ひとりで立てなくなってしまうかもしれない」
限界ギリギリまで、ひとり踏ん張ってきた方だからこそ・・
優しさから一歩、身を引いてしまう、なんてこと。
実はこの心理にも、大元にはその人なりの愛があることが多いのです。
「私がダメになってしまったら、大切な人を守れなくなってしまう」
「優しさを受け取って頑張れなくなってしまったら、怖いことが起きてしまうのではないか」
でも、そういう方ほど・・
ここからは、人の優しさを受け取って、
「与える」ばかりでなく、「共に支え合える関係を築く」というステージに進んでもいいのかもしれませんね^^
ひとりで頑張ってきた、あなたのことを大切に思う人のためにも。
受け取る力は、少しずつ育てていく
では、どうしたら「優しさを不安なく受け取れる自分」になれるのでしょうか?
それは、ある日、劇的に変わるもの、というよりも
信頼できる人とのやり取りの中で、少しずつ「安心できる経験」を重ねていく。
この経験から、じわじわと育っていくものだったりします。
たとえば――
・信頼できる人と、今感じている感情の話を分かち合う
・なにかを人にしてもらった時には「ごめんなさい」ではなく「ありがとう」で受け取る。
・プレゼントや言葉を受け取ったとき、「返さなきゃいけない」という思いから返すのではなく、ただ「受け取ってみる」
・自分自身にも優しくしてあげる
・犠牲や無理を手放して、心から「やってあげたい」と思うことだけやってあげる。
・過去を振り返って「愛されていたな」と感じる出来事を思い出してみる
最初は、少しムズムズするかもしれません。
逃げたくなったり、疑いが出てくることもあるでしょう。
でも、ここで出てくる抵抗感や疑いは、
相手が問題なのではなく、すべて自分が感じているもの。
私は、優しさを受け取れる人になりたい。
真実で繋がれる人でありたい。
何度も何度も、その思いに立ち戻り、今できる分だけでいいから受け取ってみる。
その繰り返しがとても大切なんです。
受け取る経験を“安全に繰り返す”ことが、信頼を育ててくれるのですね。
優しさを受け取れるようになると、人生は少しずつ変わっていく
実は、人の優しさを受け取ることは、
「私は大切にされる価値がある存在なんだ」と、
自分の存在を、肯定的に認めていくプロセスでもあります。
つまり、自分自身との信頼を取り戻してくプロセスでもあるのですね。
「私なんて…」と思っていたところに、
「それでも、私は愛されていい」と感じられるようになると、
人との距離感も、自己肯定感も、少しずつ変わっていきます。
そして、“信じてみよう”と思える人との出会いも、増えていくかもしれません。
優しくされることが、怖くなくなる日。
優しさの中に、安心とぬくもりを感じられる日。
そんな日が、あなたのこれから訪れるように。
その歩みを、心から応援しています。
さいごに:受け取ることは、愛することと同じくらい、尊いこと
私たちはつい、「与えること」にばかり価値を置きがちです。
でも、受け取ることも、愛のかたちのひとつなのですよね。
あなたが優しさを受け取れるようになることで、
それを与えてくれた人も、きっと安心すると思います。
「ありがとう」と伝え合える関係。
「あなたがいてくれてよかった」と思い合えるつながり。
そんな温かい愛の循環が、
あなたの人生に少しずつ増えていきますように。
参考になれば幸いです。
(完)