自分の意見を否定されたとき

皆さん、こんにちは。
カウンセリングサービスの南條あすかです。

皆さんは職場で、自分の意見が反対されたり否決されたりしたときに、どのように感じますか?

職場では様々な価値観を持った人が働いているので、一つの物事に対して様々な意見が出てくることはよくあります。

頭では「いろいろな意見があってよい」と理解していても、自分の意見に反対されたり否決されたりすると、自分自身が否定されたように感じたりして、恥ずかしくなったり落ちこんだりする人もいるのではないでしょうか。
そのような体験があると、自分の意見を言うことを躊躇してしまう方もいると思います。

今回は、職場で自分の意見が反対されたり否決されたりしたときにも、過度にネガティブにならず、前向きに捉えるヒントをお伝えします。

●自分自身の扱い方

会議などで自分の意見に反対されたり否決されたりしたときに、自分自身が否定されたように感じる方は、普段自分が自分のことをどのように扱っているかチェックすることをおすすめします。

普段、自分が「自分はダメだ」とか「自分はたいしたことない」など自分自身を否定的に扱っていないでしょうか。
自分自身を否定的に扱っていると、自分の意見とは反対の意見が出たときに、客観的に見ると“違う意見”を言っているだけなのですが、まるで自分自身を否定されたように感じてしまいます。

自分の意見に反対されたり否決されたりしたときに、反対の意見や否決されても「勉強になる」というような前向きな姿勢を大事にする方もそうですが、自分の意見に対して反対の意見を言われてネガティブな感情が出てくる方も、物事に対して誠実に向き合う方が多いです。
自分が誠実にその議題と向き合い、真剣に考えてしっかりと自分の意見を持ったからこそ、自分とは別の意見が出たときに、カチンときたり、ショックをうけたりするのです。

「自分が自分自身を否定的に捉えてしまっているな」と感じたら、それに気づいて、自分の誠実さ、まじめさなど自分の良い部分を認めていくとよいでしょう。

自分への否定的な見方が減っていくことで、たとえ自分の意見に反対されたり否決されたりしたときにも「自分自身が否定されたのではない」という意識を持つことが出来ます。

●自分の気持ちを受け入れる

自分の意見に反対したり否決した相手にがっかりしたり、怒りがわいてきたりするときもあると思います。

しかし、怒りを相手にそのままぶつけてしまうと、その人の関係も悪くなりますし、職場での自分の立場も悪くなるかもしれません。
かといって、そのまま怒りを感じ続けているのもつらいですよね。

心理学では、“怒りは感情の蓋”といわれており、怒りという感情の下には、その時自分が本当に感じている感情があります。

私たちが意見を言うとき、相手に「自分の意見をわかって欲しい」と思って意見を言いますよね。
私たちは、自分の意見に反対されたり否決されたりして「自分の意見がわかってもらえなかった」と感じると、その気持ちを感じるのが辛いので、怒りという感情を使って「わかって欲しい」という自分の本当の気持ちに蓋をするのです。

自分の意見が反対されたり否決されたりして“怒り”が出てくるときは、まずは、自分が怒りの下にある「自分の意見をわかってほしかった」という気持ちに気づいてあげてください。
そして「わかって欲しかったよね。わかってもらえなくて残念だったよね」と自分の気持ちに寄り添ってあげてください。

自分が自分の本当の気持ちに寄り添い受け入れることで、心が落ち着き、怒りを相手にぶつけずにコミュニケーションが出来たり、前に進む力が沸いてきたりします。

●相手の信頼を受け取る

また、別の視点から見ると、あなたが自分の意見をだすときに、「わかってほしい」と思っているのと同様に、反対の意見を出す人も「自分の意見をわかってほしい」と思っています。

皆さんは、自分の意見を言うときに「こんなことを言ったら大丈夫かな」「こんなことを言ってわかってもらえるかな」と思ったり、「この人はどうせわかってくれないから」と思ったりして、自分の意見を言わなかったことはありませんか?

自分に意見を言う人はあなたに対して「この人であれば自分の意見をわかってくれるだろう」「この人であれば話を聞いてくれるだろう」という信頼があるのです。

相手の中の「わかってほしい」気持ちや自分への信頼を受け取ることで、自分の意見も相手の意見も大切という意識を持つことができて、よりスムーズなコミュニケーションをとることができます。

職場では、自分の意見に反対されたり、否決されたりすることもあるでしょう。

しかし、様々な意見が出るということは、職場の目標を叶えるための選択肢が増えたということでもあります。
様々な意見を出し合い、お互いの意見をすり合わせながら目標を達成することで、職場の一体感や目標を叶える喜びを分かち合うこともできるでしょう。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

孤独感、自己否定からのうつ病を克服した経験、大手企業に勤続30年以上の経験から、自分自身との関わりや生き方、親子・友人・職場などの人間関係全般などを扱う。 気持ちに寄り添う高い共感力と地に足の着いた安心感を兼ね備える。「話をして安心できた」「気持ちが明るくなった」と好評である。