瞳さんこんにちは。初めまして。 ご相談を担当させていただく大谷です。 よろしくお願いします。おつき合いしている彼に対して芽生えた不信感、瞳さんの全てであった、愛していた犬の死、2つの辛い状況が重なり、とても苦しい気持ちでおられること、よくわかります。 人間、誰しもこのような状況になると、辛い気持ちが溢れてくるのではないかと思います。 そして、瞳さんはそれを乗り越えようと、“幸せになろう、自分を信じよう、綺麗になろう、強くなろう、見返してやろう。心理学の本や仏教の本も読みあさりました。この苦しみや不安は自分自身で造りあげているとわかるようになりました。”と、一杯一杯頑張ってこられたのですね。向き合おうとされる瞳さんは、決して弱い方ではなく、逆にとても強い方だと思いますし、その姿は素晴らしいなぁと思います。 さて、ではこれから瞳さんがどうすれば幸せになっていけるか、楽しい人生を送っていけるか、一緒に考えていきましょう。 先ず、第一番目に考えて欲しい事は、「彼」と「華やかな生活」がくっついてしまっている事です。「華やかな生活を送れる彼」と一緒にいたい、という事ですね。 もし仮に、瞳さんが彼と一緒にいても華やかな生活を送れないような彼であったとしたら、瞳さんは彼と一緒に生きていきたいと考えるでしょうか? ここで気がついて欲しい事は、瞳さんが本当に欲しいのは「彼」なのか、「華やかな生活」なのかです。どちらか一つを選ぶとすれば、どちらでしょうか?「両方」という答えは無しです。なぜならば、本当の瞳さんの気持ちがこの事と向き合う事で初めて明確になるからです。頭で考えるとわからなくなると思います。頭で考える事は、抵抗でしかありません。リラックスできる空間で、目を閉じて、ゆっくりと大きく深呼吸し、意識が自分の内側に入っていく感覚(胸から胃の方に意識が降りていく感じ)で、感情を感じてみてください。 一般論になりますが、人間は、頭で様々な理由をつけて、本当の自分の気持ちを感じさせないように抵抗します。時に、その理由に惑わされて、本当にしたくない事をしてしまう事もあります。 さて、その結果はいかがでしたでしょうか? 様々な抵抗がでてきますので、本当の自分の気持ちを感じるためには少し時間がかかるかもわかりませんが、そこで感じたことを先ずは大切にしましょう。 瞳さんの気持ちが、もし、「華やかな生活」を選択したのであれば、本当に必要としているのは彼ではありません。彼は「華やかな生活」を送らせてくれるための手段でしかないのです。先ずは、彼を手放しましょう。 「手放し」というのは、平たく言えば、しがみついている気持ちを手放す事です。あくまで気持ちの問題です。結果的にそういう方法しか取れない事もありますが、手放すからといって今からもう彼には会わないという事ではありません。彼には彼の問題があり、選択があり、それらは自分の問題とは別に存在することを認める事です。彼の問題を自己攻撃という形であたかも自分の問題として引き受けない事です。その状態で彼と接する事ができれば、それは手放しの状態です。 続いて、「華やかな生活」を手放しましょう。瞳さんにとって「華やかな生活」は、寂しさを紛らわせるためのものでしかありません。この「寂しさを紛らわせる」という対症療法は一時的な効果はあると思いますが、あくまでも一時的な効果なのです。根治ではありません。瞳さんは、ご本人が気づいておられるかどうかはわかりませんが、ご相談を拝見していて随分と情熱的な方だと感じました。この情熱を自分の内側に向けてしまうと大きなエネルギーが自分を傷つける方向に動くので、とても苦しいのです。今は、この状態で「華やかな生活」に着目されていると思います。実は、この情熱を外側に向けると、とても強い愛情や優しさに変わっていきます。瞳さんが本当に欲しい感情は、このような気持ちではないでしょうか? さて、次に彼を選択した場合です。 瞳さんは、将来、彼との関係をどのようにしたいのでしょうか? また、自分の将来、例えば5年後、10年後をどのような生活を、どこで、誰と、どんな風に過ごしていたいでしょうか?出来るだけ具体的に、シーンを思い浮かべてみてください。「ありえない」と思われるような内容で結構です。 例えば、 海の見える白い一軒家。緩やかな陽射しのテラスで向かい合ってパートナーとブランチ。テーブルにはサラダとパンとスープ。お気に入りの器・・・ こんな具体的なシーンを思い浮かべる事で、瞳さんがどんな風に生きていきたいか、どんな風になりたいか、という本当の気持ちがわかってきます。 そこで、彼をもう一度選択するかどうか、再度選択してみます。 人間の持っている最も大きな力、それは選択の力です。 「選択肢がない」とか「選択させられた」と感じる事は、人間が持っている最も大きな力を封印された・・・と感じてとても苦しいものです。しかし、どんな状況ですら、人間は選択をしているのです。封印しているのは、実は自分自身なのです。それに気がつく事がとても大切です。 ここで再度、彼を選択した場合、先ずは彼を選択した事をはっきりと認識し、次に彼とやっていく、と決意してください。言葉に出して、何度も何度も言われると効果的かと思います。そしてその場合、彼を信頼する事がとても大切になります。瞳さんの気持ちの中には、彼を信頼したいという強い気持ちがあります。だから、信頼できないご自分を責めて苦しんでおられます。彼を信頼するためには、実は自分を信頼する事がとても大切です。 次に、彼を手放すと決意された場合、5年間(10年間でもいいのですが)の、自分のこうなりたい計画、例えば、新しいパートナーを見つける、とか、仕事でこうしたい、とかを立ててください。5年後は漠然とした目標でいいですが、ここ1週間、1ヶ月、3ヶ月・・・と1年間ぐらいは、少し具体的に考えてみてください。これは、瞳さんが本当になりたい状況を生み出すための第一歩です。この将来像がないと、本当になりたい瞳さんにはなれませんし、気持ちが揺れ動くので、彼をうまく手放せない事になってしまいます。 そして、いずれの状況にも共通しているのですが、瞳さんは、自己評価がとても低い方だと思いますので、自分の価値を認める練習をしてみてください。 具体的には、どんなことでもいいのですが、自分のよいところを20個以上、紙に書いてみてください。例えば「爪が綺麗」とか「優しい」などなど、本当に何でも結構です。必ず、20個以上書いてください。恥ずかしくなるかも知れません。誰かから怒られるような感じになるかも知れません。でも、それらの感情が、瞳さんが自己価値を低く評価する一因なのです。 そして、自分の良いところ20個以上を毎日、鏡に向かって声にして読み上げてください。 以上、少し長くなりましたが、お役に立てれば幸甚です。 ありがとうございました。 |