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Lecture.861-4

誰かとの関係性が重いという問題(4)〜無価値観という切り口で考えてみる〜

講師:大門昌代

罪悪感と同じくらいに、私達にはおなじみの無価値観という感情があります。
誰かの役に立ちたい、求められたいと私たちは思っていますし、誰かの邪魔になったり、迷惑をかけたりしたいとは思っていません。
でも、自分には価値がないのではないかと、多くの人が誤解してしまっていたりするのです。
そんな無価値観によって、大切な人との関係性で「重い」と言われてしまうことが少なくないのです。

Keywords
無価値観 罪悪感 世話をやく 重い 補償行為 
母親が子供に関わりすぎてしまい、子供がうっとおしく感じるとか、彼が彼女と常に一緒に居たがるので、彼女が彼のことをうっとおしく感じてしまうなどのように、誰かとの関係がうまくいかないということはよく起こるようです。
実際にカウンセリングでも、ご相談が多いジャンルのひとつになります。

今回の心理学講座では、このような問題を、違った角度からシリーズで解説していこうと思います。

今回は、「無価値観」という目線でこの問題を解説していきます。

罪悪感と同じく、この心理学講座ではお馴染みのテーマである無価値観。

この無価値観も私達は、多かれ少なかれみんなもっているものでもあります。

私達は誰もが、誰かの役に立ちたいと思っていますし、求められたいとも思っています。
ところが、自分には誰かのお役に立てる価値などない、求められる価値などないと思ってしまっているものなのです。
そうすると、無価値な自分は、誰からも必要とされず、誰のお役にも立てないからそれは困るとなります。

そして、「私は価値ある人間ですよ」と思ってもらえるために、無価値な部分を埋め合わせようとします。

例えば、夫が浮気してしまい落ち込んでいる妻がいたとしましょう。
何とか離婚せずにいるけれど、夫が若い女性と浮気していることで、自分の女性として、妻としての価値がなくなってしまったと感じています。
そうすると、無価値な自分のままでは耐えられないので、「せめて母親としては」と、母親としての価値にしがみつこうとしてしまうことがあるのです。
こうなると、夫との関係修復を頑張るのではなく、母親としてのみ頑張ろうとしますので、子供の世話をあれこれとやき、常に子供と一緒にいようとしてしまうことがあります。
子供としては、自分が母親から離れてしまうと、父親と不仲な母親を一人ぼっちにしてしまうからと、母親から離れられなくなってしまったりするのです。

これでは、子供にとってお母さんは、重い存在になってしまいます。

また恋人同士の例ですと、彼女は自分の容姿に自信がなく、「こんな自分は彼にとってお荷物ではないか?」と思っている。
「こんな私と付き合ってくれているのだから、せめて彼のお世話くらいはやらないと」と、これもまた彼のお世話をあれやこれやとやきはじめます。
毎朝、「今日は朝ご飯ちゃんと食べた?」なんてメッセージを送るかもしれませんし、「あなたのお部屋をお掃除してあげるね」と休日のたびに彼の家を訪れるかもしれません。
彼としては、ありがたい気持ちもありますが、そこまでやってもらいたいわけではなく、彼女のことが好きだからお付き合いしているのです。

彼女が色々とやってくれることが、だんだんと負担に感じてきてしまうことがあるのです。

無価値観が強いと、価値が低い分の埋め合わせをしようと、あれやこれやと相手に尽くしてしまったり、相手が離れていかないように相手にピッタリと寄り添うようなことをしてしまうことがあるのです。

その結果、重い存在になってしまうことがあります。

無価値観が原因の場合は、やはり自分の価値を認めるということが、テーマになります。

無価値観が強いのが、自分以外の人の場合は、その誰かに価値を伝えるということです。(相手が伝えた価値を受け入れるかどうかは別問題になりますけどね)

様々な角度から、重い関係性について解説させていただきました。
もちろん、他にも様々な見方ができますので、今回ご紹介させていただいたのは、ほんの一例になります。

皆さまのご参考になれば幸いです。

(完)


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302-2.どうして愛されないの(2)〜愛されない理由と2つの感情〜
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